緑のお医者の徒然植物記

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2018/12/19

ナンテン(南天)  NO.94

ナンテン 

(南天、南天竹、南天燭)


メギ科 ナンテン属 

常緑広葉低木


花言葉=私の愛は増すばかり

インド、中国の主に石灰岩地帯に多く分布する。

日本では、茨城県以西の本州、四国、九州の表土の深い林地に自生している。

名前は中国名の南天竹に由来していますが、その発音が「難に転ずる」難転に通じることから、古くから魔除けとして門口や鬼門の方角に植えたり、縁起木として親しまれている。

正月の生け花としてもよく利用される。

江戸時代には100種類以上もの品種が見られたと言われいる。

開花が梅雨時と重なることが多く、長雨によって落花しやすい。


薬草としても知られ、実はせき止め、葉は二日酔いに役立ちます。

ただし、アルカロイドを多く含むため、処方には確かな知識が必要である。

赤飯の折り詰めなど、よく料理に添えられますが、これは単なる彩りではなく、葉に含まれるナンジニンと言う成分に防腐効果があるからです。

また木材は箸(長寿箸や杖)に使われます。


                       (ナンテンの実)

代表品種

1.白い実がなるシロミノナンテン(園芸種) 
2.フジナンテン   
3.ウルミナンテン
 4.葉の小さいキンシナンテン(園芸種) 
5.葉幅の広いオタフクナンテン(園芸種) 
6.ササバナンテン 
7.黄色い実がなるキミノナンテン(園芸種)
葉形が笹ににているササバナンテンなど、30種を超える園芸品種がある。


◆古くから庭木として植えられ樹勢も強い、実をよくつけるためには日当たりの良い場所にうえる。

耐寒性が強く、多少の日陰でも元気に育ちますが実つきがやや悪くなります。

浅根性なため、乾燥をきらいます。

◉植え付け、植え替え(4月、9月)

腐葉土や堆肥を十分にすき込み適度な湿気を保つようにする。

★2月と8月下旬から9月頃に有機肥料で追肥。

耐寒性は強い方ですが、極寒地では室内での栽培が無難です。

◉紅斑病(こうはんびょう)

病原菌は、不完全菌類に属する糸状菌の一種で、ナンテンのみに寄生して被害を及ぼす。

水滴のたまりやすい葉先や葉縁などから病斑を生じる。

◆5月から9月にかけてマンネブ剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤などを用いて、降雨時前後を重点に月に1回~2回散布し、蔓延防止に努める。

羅病落葉も伝染源になるので、冬には株元に散乱する落葉を集めて焼却することを行ってはならない。

チッソ系の肥料を株元に与えます。

★チッソ肥料

①硫酸アンモニア=アルカリ性の肥料(石灰、草木灰など)と混ぜて使用しない。日数をおく。

②硝酸アンモニア=他の肥料と混用しない。

貯蔵中は火気に注意する。

③尿素(ウレア)=大豆かすと混用しない。

④石灰窒素=カルシウムを含む。アンモニア系の肥料と混用しない。

⑤IBチッソ=科学的に暖効性を持たせた肥料。
(IB=イソブチリデン2尿素の略、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料)


❉肥料(施肥)

冬期の1月から2月に、堆肥や腐葉土に鶏ふんを混ぜ、株の周りを掘って埋め込みます。

実つきを良くするためには、夏にリン酸分の多い化成肥料を少量バラまきしますが、与え過ぎてはいけません。




   (ナンテンの花)

※開花期6月~7月
受粉樹として別の個体を植えておくと効果的。

◆害虫

カイガラムシ=冬期に石灰硫黄合剤、マシン油乳剤を散布し防除。

◉剪定

一度結実した枝は三年程は結実しません。

古くなった枝から順に、地際から切り取り常に幹数を5本~6本に保つようにします。

不要な枝も根元から切り取ります。

長い枝を途中階で切り詰めると、そこから枝分かれするので地際から切り取るのが基本です。

梅雨期ならば、強い剪定をしても大丈夫です。

樹形が乱れた時には思いきって、切り詰めて形を整えます。

しかし、すべての枝を切り戻した場合、その年は開花、結実しません。

★(注意)

梅雨時以外は、強い切り戻しをしてはいけません。


◉殖やし方

実生、挿し木、株分け
実生=果肉を除いてとりまきにするか、湿った砂などの中で乾燥しないように注意して貯蔵し、翌春の3月から4月にまきます。

いずれの場合も発根するのは秋です。

挿し木=4月に充実した前年枝を10から15㎝ほど切り、さし穂とします。

株分け=4月から9月に株を掘り起こし、大きさに応じて、2分割又は3分割して移植します。

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