果樹の場合はなぜ接ぎ木がよいかと云うと、実生で殖やすと親木とまったく同じ形質を持った果実が成ることはほとんどありません。
しかも親より親より優れている物ができる可能性が極めて低いからです。
その点、接ぎ木にすると穂木の性質が生かされ、得られる果実は元の親木のものと理論的にはまったく同じ形質になるのです。
◉実生の場合は、生育して開花、結実するようになるまで相当の年月がかかります。
◉実生の場合は、生育して開花、結実するようになるまで相当の年月がかかります。
接ぎ木は、はるかにそれを短縮することができるのです。
その他にも、雌雄異株の果樹でも、接ぎ木すれば一本の木で果実を楽しむことができる、免疫性の台木に接ぎ木して病害虫を抑えることができるなど、接ぎ木には多くの利点があります。
接ぎ木の適期
熱帯性の常緑果樹などを除いて、一般に接ぎ木の適期は春と秋の年2回に限られます。
接ぎ木の適期
熱帯性の常緑果樹などを除いて、一般に接ぎ木の適期は春と秋の年2回に限られます。
接ぎ木で最も重要なのは、カルス(切り口を覆う作用、力)の形成ですが、そのカギを握っているのは樹液の量です。
生育が盛んな夏場では樹液の量が多すぎてカルスが形成されにくく、活着しません。
生育が盛んな夏場では樹液の量が多すぎてカルスが形成されにくく、活着しません。
反対に休眠期の冬場は、樹液の量が少なすぎて活着するのに時間がかかり、カルスが形成される前に穂木が枯れてしまいます。
★つまり、休眠から目覚めて芽が動き始める春と、休眠に入り樹液の流れが停まる直前の秋が、接ぎ木にとって調度よい樹液の量を確保できるというわけです。
◉樹種によって実際の接ぎ木の適期は、若干異なります。
◉樹種によって実際の接ぎ木の適期は、若干異なります。
✿接ぎ木(繁殖方法)の利点
枝を作ったり根を作ったりする目的に応用される。
挿し木が困難な樹種でも行えるなどの利点がある。
花木、果樹、マツ類では接ぎ木による繁殖が行われる。
✻関連ブログ
接ぎ木果樹の殖やし方②No,123