緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/06/17

キウイの新梢の誘引はどうすればいいの? No.139

キウイの新梢の誘引


新梢が30~40センチの長さになったら、重なり合わないように棚に誘引し、長過ぎる場合は摘心します。

まっすぐ伸びている枝は、付け根から2節くらいの、やや固くなりかかっている部分でかるくねじると誘引しやすくなります。

★参考ブログ
キウイ No.75
キウイのせん定 No,162
キウイフルーツと美容 No,195




柿の摘蕾 No.138

柿の摘蕾


柿のつぼみを放置しておくと、果実が大きくなりません。

枝が伸びてつぼみが大豆粒程度の大きさになったら、開花する前に間引く必要があります。

品種にもよりますが、一般に枝の中央付近の充実した大きなつぼみを残し、その他のつぼみは指先で押すようにして摘み取ります。

生育の悪い枝のつぼみはすべてとり、その他の枝はつぼみの数に応じて摘み取ります。

樹木全体でつぼみの数を三分の一程度まで減らすようにします。

◉柿の摘果

ヘタが大きく傷のない幼果がよい果実になります。




ヘタが小さいもの、果実の形が悪いもの、傷のあるもの、病気や害虫の被害があるものなどを摘果します。

この時期(6月~7月)は生理落果といって自然に果実が落ちる物があるので、極端に摘果し過ぎないように注意します。

残す果実の数の目安は、短めの枝で一枝に2~3果、長めの枝では3~4果です。

※参考ブログ
カキにまつわるエトセトラ 
No.54






ビワ 枇杷 No.137

  ビワ    バラ科 常緑中高木

原産地は中国南部から中部と日本南部ですが、日本の自生種は果実が小粒で食用に適さず、現在国内で栽培されているものは、いずれも中国から渡来したビワの改良種です。

平安時代(927年)の「延喜式」にビワに関する記述が見られ、千年以上前から親しまれていたことが分かります。

ビワの名は中国名の枇杷(ビパ)の音読みで葉の形(果実とする説ある)が楽器の琵琶に似ていることに由来します。

因みに、楽器の琵琶も元来は枇杷と書いていたものが、琴と同様の弦楽器であることから後に琵琶に転じたと言われています。

ビワは初夏に熟す濃黄色に果実で知られていますが、晩秋から初冬にかけて、白から淡黄色の小さな5弁花を咲かせます。



「花芽がつき花が咲き始めた状態、11月28日撮影」



花は円錐状に100個程ついて咲き地味ですが、バラ科植物らしい味わいがあり、花はかすかな甘い芳香を放ちます。

冬に咲く花として数少ない事から茶花として利用されることもある。

本格的に日本で栽培されるようになったのは江戸時代以降で、19世紀半ばに中国から長崎に伝わった「唐ビワ」を現在の長崎市茂木町で育てたものが「茂木」と言う品種で、茂木の実生から生まれた「田中」と並んで日本のビワの代表品種になっている。

ビワは果実、種、葉ともに薬効があり、古くから民間療法や漢方医療に幅広く用いられています。

✪尚、薬効、効能についてはブログNo,55ビワの効能、No,150ビワ茶を参照してください。

日本では「ビワを植えると早死する」としてビワを嫌う地方がありますが、これはビワを薬として利用するため、病人がいる家によくビワが植えられていたことから起こった迷信である。

中国ではこの様な俗説はなく樹形、葉、花、果実それぞれが鑑賞価値の高い樹木として、親しまれています。

✪生育管理、環境

日当たりがよく、冬もできるだけ暖かい場所を好みます。

冬に開花結実するので、日陰の多い場所では幼果が凍結する事があります。

庭植えの栽培条件としては、年間平均気温15℃以上、冬の最低気温がマイナス7℃以上とされます。

「田中の品種」は耐寒性が強く日本海側では新潟県、太平洋側では岩手県まで栽培が可能とされる。

樹勢は強く通常は苗木から育てて4年〜5年で開花結実します。



❆肥料

元肥としてチッ素4、リン酸3、カリ3の割合の配合肥料を8月下旬〜9月上旬にかけて根回りにすき込み、必要に応じて2月中旬から下旬、5月下旬〜6月上旬に元肥の半分を目安に追肥します。

✭病害虫

枝や幹、根にコブができる癌腫病が発生する場合があります。

患部を剥ぎ取り、ペーストマイシン1000倍〜1500倍液などを塗ります。

◉せん定、整姿

放任すると樹高10㍍程の大木になります。

花芽は当年に伸びた枝先に付きます。

果実を収穫するには、枝先を切り詰めない事が大切です。

また、果実の数が多い時は1花序当たり数個に摘果します。

主幹の同じ高さから数本枝が伸びる(車枝)ので、下段の車枝だけを残し盃状に仕立てます。

✭殖やし方

実生は熟した果実から種を取り出し水洗いして陰干ししてから蒔きます。

なるべく大きく重い種子を蒔きます。

マイナス5℃以下にならないよう鉢を暖かい所に置いて越冬し翌春定植します。

実生は発芽率は良好ですが、果実は小粒になる傾向があります。

また、自然落果した種子が自然に発根したものを鉢植えにして育ててもよいでしょう。

        (自然落果で発芽したもの)

接ぎ木は2月下旬から3月上旬頃にマルメロ台木に接ぎます。

❆植え付け、植え替え
ミカン類、ビワなどで植え付け、植え替えが行えます。

常緑果樹は寒い時期に断根すると、低温の影響を受けやすいので暖かくなってきた4月上旬頃が適期となります。


ビワの苗木の植え付け

苗木は根鉢の根をほぐし、古い土は三分の一程度落として、植え穴は大きく(直径50~60㎝)深めに掘り(深さ50~60)土をある程度埋め戻してから、苗木を据えて盛り土して高植えにします。

こうすると、その後の生育がよくなります。









2019/05/31

サクランボ、スモモ、ブドウ No.136

家庭果樹
人工受粉
4月上旬に🍒サクランボ、スモモ

桃などの人工受粉を行います。

5月は、カキ、キウイなどの人工受粉が出来ます。

キウイは種の多い果実ほど品質が

優れています。

種の数を増やすためには、上旬から中旬に受粉するとよいようです。

◉桃の人工受粉
白桃や砂子早生などの花粉がない品種は、開花が始まったら満開になるまでの間に人工受粉させます。

白鳳、布目早生、大久保などの花粉の多い品種を使うと、良質の果実を得ることができます。

受粉は花を摘んで直接花粉を雌しべにつけるか、容器に花を集めて綿棒で花粉をつけます。


◉芽かき、摘心、摘果

4月は芽かき、摘心を行います。
ブドウは、一ヵ所から2~3本の芽が出ますが、房数が多くなりすぎるので1節に1芽だけ残して芽をかきとります。

5月には摘果を行います。

カキは、一ヵ所から二個以上出る芽はひとつひとつを残してかきとります。

イチジクは主枝のいたる所から不定芽が出るので、込み合っていたり、位置の悪い芽はすべてかきとります。

キウイは根元に近い芽ほど強く伸びる性質があり、放っておくと樹形が乱れます。

主枝上の強く伸びそうな芽はすべて取ります。


◉ブドウの摘房
デラウェアなどの小粒種は新梢1本につき1~3房、巨峰、甲斐路など
の大粒種は、1房つける新梢と2房つける

新梢が交互に並ぶように摘房します。

◉摘蕾、摘花
5月はカキ、キウイ、ミカン類などの摘蕾、摘花を行います。

キウイは品種によって茎の両側に側花がつくので、中心のものだけを残し、両側の小さいつぼみは全部とります。

ミカン類は、花数が半分くらいに
なるように摘花します。

カキは花数が多いと隔年(かくねん)結果の原因となり、果実も充実しません。

中央部の生育のよいつぼみを3~4個残し、その他は開花する2~3日前までに間引きします。

※隔年結果=一年おきに実をつける。


2019/05/28

サツキ(皐月) No.135

サツキ


ツツジの仲間(皐月躑躅と呼ばれる)

サツキの歴史は古く、すでに江戸時代には庶民より武家世界に至るまで、幅広い階級で親しまれていました。

震災や戦火で栽培数が減った他は、その人気は下がることなく栽培が盛んに行われている。

生育管理
露地植えの場合は、酸性から弱酸性の土壌でよく育ちます。

ツツジの仲間ですから根が細く、粘土質などの水はけの悪い土壌は生育に適していません。

粘土質の土壌などに植える場合は、腐葉土やピートモス、バーミキュライトを客土として、多量に混ぜるとよいでしょう。

日当たりのよい場所なら問題ありませんが、半日陰の条件下でも生育に問題ありません。




◉病害虫がつきにくい樹種ですから、日照条件よりも、むしろ空気中の湿度を高めることに重点をおいて育てるとよいでしょう。

グンバイムシが葉につきますが、これにより樹勢が弱まるようなことはありません。

ただし、見栄えが悪くなるので6月から8月にかけてスミチオンやマラソン乳剤の1000~2000倍液を月三回ぐらい散布します。


◆肥料
施肥は一般に、年に1~2回行います。

時期は花後と10月から11月がよいでしょう。


★剪定、整枝

花芽はだいたい7月に分化します。

6月下旬までに花後剪定や、生け垣に仕立てたものの刈り込みを行います。

小枝の多いサツキは、樹形を維持するのが困難になります。

特に狭い場所に寄せ植えしている樹木の刈り込みは、樹冠を低く保つ方がきれいに仕上がります。

7月頃には、翌年の花芽をつけますので、7月以降は飛び枝を切る程度に留める。

★殖やし方
実生でも生育しますが、生長が早い挿し木の方が適しています。

新梢の固まりかけた6月上旬に枝をとり、鹿沼土などの肥沃な土に直差しします。

盆栽など鉢ものは、同じ時期にさし芽により殖やすとよいでしょう。


参考ブログ
サツキ苔玉盆栽 No.3









2019/05/24

ジンチョウゲ(沈丁花) No.134

沈丁花 ジンチョウゲ科

中国原産で日本へは室町時代以前に渡来したと考えられています。


「沈丁花」の名は花の匂いが沈香と言う香水に似ており、また丁子(丁字)と言う植物に似た姿であることに由来している。


※丁子(丁字) 
熱帯産の常緑樹(ちょうじの木)からとる香料、クローブ

◉春先に小さなつぼみをたくさんつける沈丁花は、3月から4月にかけて開花する。

中国原産で、本来は暖かい地方に自生していますが、樹勢が強いので、マルチングなどの冬季管理をしっかりすれば、東北地方南部まで、植栽できます。

また、東北地方や北海道では落葉性のオニバシリが自生しますが、これも沈丁花の一種です。

開花が終わると、花後剪定に適した時期になりますが、それほど背丈が高くならない樹種なので、大がかりな手入れをする必要はありません。

半日陰でも十分育つため、鉢植えやマンションなど狭い所でも楽しむのにも適した樹木でしょう。



◉寒さに弱いため、東北地方以北や日本海沿岸など、積雪のある地域では屋内で管理する方がよいでしょう。


生育管理

暖かい場所を好むので、地面が凍結する地域では冬季のマルチングが必要です。

日照条件にはあまり左右されませんが、根が傷みやすいので、土壌管理には十分注意しましょう。

※有機質の肥えた土壌に保つこと、根腐れを興さないためにも、水を与えすぎないようにします。

★細い根が多く生えるので、移植する際にはなるべく根を傷めないように、堀り取る必要があります。

しっかり根付けばそれほど問題なく生育しますが、都心部などで稀に葉が極端に黒ずみ、樹勢の弱まることがあります。

これは、土壌改良の際に苦土石灰など、アルカリ性の客土を混ぜ過ぎることが主な原因です。

また、コンクリートの風化したものが、土壌に混じり、土壌のアルカリ化が進んだ場合にも起こります。

植え付け時は当然のことですが、その後も定期的に土質を検査することが、トラブルを未然に防ぐことになるでしょう。

施肥

特別に行う必要はありませんが、火山灰質など、水分と道地に養分の流出が著しい土壌では、花後に粒状の化成肥料をお礼肥として与えるとよいでしょう。

◆剪定、整姿

沈丁花は一般に7年から10年と寿命が短いので、自然樹形で育てる方がよいでしょう。

手を加えなくても概ね円い形に整うので、どうしても造形ものに仕立てたいときは、「玉仕立て」にするとよいでしょう。

花芽は7月〜9月頃に頂芽に分化し、この花芽が冬を越し、翌春開花します。

せん定は花が咲き終えた後から、5月にかけてが適期です。

花後に樹形を乱す枝のみを切り戻す。

込み過ぎている部分の枝や、樹冠内部の花がつきにくいふところ枝、徒長枝などを枝の分岐点の部分で切り詰めます。

不定芽はほとんど生じないので、枝を途中で切ることは避けるようにします。

大きいものを小さくする場合は、樹勢の衰えや、花つきが悪くなるのを防ぐために、2〜3年に分けて少しずつ小さくする分散せん定が大切です。

一度に強いせん定を行うと樹勢を弱くしてしまいます。

★殖やし方

挿し木で殖やす事ができます。
根や枝が細く、土との相性を保つのが難しいので、その他の繁殖方法はあまり適していません。

開花時の春頃と梅雨時が適期で、上手に殖やすには、枝を地面に直植えする「地ざし」がよいでしょう。

水はけのよい赤玉土か鹿沼土を用土として栽培。

10㎝前後の挿し穂を利用する場合は、浅い素焼きの鉢か、カネ製の箱を利用すると良いでしょう。