緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/06/12

東法田の大アカマツ伐採される No,494

 東法田の大アカマツ

日本国内最大とされた最上町の東法田地区にある大アカマツが10日に伐採されました。

古くから集落の人々より山神の御神木として、大切にされてきた大アカマツは、2018年5月頃から急激に樹勢が衰え始めたことが確認され、その原因はわからないとされた。

その後2019年8月に専門家による診断によって枯死相当との判断がなされ、2019年6月に枯死状態と認定され、天然記念物とされてきた指定を解除された。

樹勢の復活を願った人々の思いが届くことはありませんでした。

樹齢600年の大アカマツは最期を迎えたのであった。

10日に伐採された大アカマツは、ある程度幹周りが分かるように切り株が残されました。

町は今後切った幹を保管して、楽器などの他に活用法を探るとしている。



               「在りし日の大アカマツ」









2021/06/11

サワフタギ No,493

 サワフタギ ハイノキ科

別名=ルリミノウシコロシ、ニシゴリ
「沢蓋木」落葉小高木

北海道から九州、そして朝鮮半島や中国にも分布する。

沢などの水辺に生え、茂った枝が沢を覆い隠すように見えることからこの名がある。

山地の水辺や湿地に生え、高さが3㍍程になる。

庭木としての利用はあまり多くない。

花は葉が展開したあとで、5月から6月頃枝先に白色の小さな5弁花が多数咲きます。

「タンナサワフタギ」に似ているが、葉の鋸歯は細かくてあまり目立たない。

別名のルリミノウシコロシの名の、ルリとは球形の果実が熟すと藍色、実際は青味の強い瑠璃色になることに因んでいる。

ウシコロシはバラ科のカマツカの別名で、花や樹形が似ていることによると思われるが諸説ある。

また、木灰を紫根染めの媒染料とした事から、ニシゴリ(錦織木)の別名がある。




主な類似種

タンナサワフタギは関東地方以西に自生する。

葉の鋸歯がやや粗いことや、果実が黒く熟す点などが異なります。

樹形

自然樹形が基本で、枝が重なり合うような樹形に仕立てます。

花は短枝の先につき、樹高は2〜3㍍ぐらいが適当です。


植栽環境

日当たりは木漏れ日が当たるくらいでも大丈夫です。

湿り気がある場所に適しますが、水はけの良いことが大切です。

繁殖は実生で殖やします。


                               「サワフタギの盆栽」

盆栽としても利用される事が多くなった樹種である。






2021/06/10

プルーン No,492

 プルーン バラ科 落葉小高木

別名=西洋スモモ、プラム

プルーンは西アジアからカスピ海沿岸部にかけた地方(コーカサス)に分布している野生種が基本種で、栽培種として作り出された品種群を総称した呼び名である。

この地から乾燥プルーンが✫隊商の携帯食として西に渡り、南ヨーロッパ、西ヨーロッパ及びバルカン半島地域に伝わったのが今から2000年前のことである。

✫隊商(たいしょう)とは
(キャラバン)
隊を組んで主に内陸アジア、北アフリカの砂漠や草原地帯を行く商人の1団のことである。

日本にプルーンが伝わったのは明治初期で、日本での果物栽培は中部地方など比較的冷涼な気候の地方が中心です。

1856年、フランス人の植木職ルイ·ペリエがカルフォルニアにプルーンを移植、その後品種改良が繰り返され、アメリカでの栽培が盛んになっていった。

カルフォルニアプルーンはアメリカ国内全生産量の99%を占めており、全世界ではプルーン生産量の40%を占めている。
(2019年5月時点)






花咲き

花は葉が伸びるより早く、5月頃に短枝から数個ずつ白い五弁花が開きます。

花の数が多い時は花が枝を包むように咲きます。

果実

8月頃に紫がかった黒色で卵形の果実が実ります。

果物は商品にする時は、表面の白さが商品価値を左右するようです。

果実は甘みがあり、ミネラルが多く含まれ、生食のほかジャムや乾燥果実などに加工されます。


結実

プルーンは一本だけでは受粉できない品種なので、結実させるには複数の品種を植えるか、他の品種の花粉を開花期に人工授粉する必要があります。


主な品種

古くから栽培されているためか品種数は千を超えると言われいる。

育てやすい品種としてソルダム、サンタローザなどがあります。


植栽環境

果実の採取を楽しむには、日当たりの良い場所を選びます。

乾燥には強いので水はけの悪い土壌は不向きです。

風通しの良いことが大切ですが、強風が当たるところは適さない。

混植の時は枝が触れ合わない程度の間隔を保ちます。


害虫

コスカシバによる食害
幼虫が樹の中に穿孔(せんこう)し、樹勢が衰えます。

虫穴の入り口には虫糞がつき樹脂が出ています。

虫穴から胴枯病菌などが入り、樹が枯れることもあります。

成虫は5月から10月に発生して、樹の割れ目などに卵を産みます。

「ガ」の一種ですが羽が透明で一見すると蜂のように見えます。

虫穴を見つけたら樹皮を少し削り、中の幼虫を捕殺します。

樹皮を削ったあとは塗布剤で傷口を保護しておきます。


また、ハンマーなどで入口付近を叩き圧殺するか、針金で刺して駆除する方法もあります。

防除として、成虫が卵を産み付ける前に割れ目や傷口を中心に塗布剤を塗っておきます。

塗布剤にはサッチューコート、スミバークなどがあります。


モンクロシャチホコ(フナガタケムシ)
この毛虫は9月頃に発生し、若齢期は赤褐色で葉の裏に群れて葉を食べます。

老熟幼虫は5cm程になり、紫黒色に変わって、黄白色の長毛が生えます。

敵が近づくと頭と尾を上げて静止する性質がある。

発生量が多くない場合は、一匹づつ捕殺するか群れを小枝ごと処分します。

発生が多い場合は、薬剤散布を行います。

スミチオン、ディプテレックス、エルサン、MEPなどを散布します。

年に一回、7月頃に成虫が発生し、その次の世代が被害を起こします。

7月に発生する成虫の量が多い時は予防剤を散布します。

せん定 12月から2月

開花結実するのは2年枝なので、発育枝や側枝は切り詰めて短果枝を出させるようにします。

短い枝の方がたくさんの実を付けます。

殖やし方

アンズやモモを台木にして接ぎ木し、殖やします。

肥料

1月から2月頃に株周り溝を掘り、配合肥料を撒きます。

鉢植えは3月に玉肥を3〜4個置き肥します。


主なプルーンの効能

プルーンには血圧を正常に保つ様々な成分が含まれています。

カリウム
高血圧の原因の一つ、ナトリウム(食塩)を身体の外へ排出する。

ポリフェノール(クロロゲン酸)
血管を健康に保つ。

ペクチン
血管を詰まらせるコレステロールの吸収を抑える。

プルーンは骨の健康に役立つのではないかと言う研究が進められ、その研究によればプルーンの摂取が、骨形成に良い影響を与えると言う臨床データが得られています。

また、プルーンはお腹の調子を整える働きがある事が知られています。

プルーンに含まれるペクチンは、腸内にいる細菌の種類や数を良好に保ったり、便通を改善したりする作用が明らかにされています。

また、天然の甘味成分であるソルビトールも含まれ、便の水分量を増やし柔らかくする事により、便通を良くする働きがあります。








2021/06/09

夏に負けないバラ栽培 ② No,491

 葉の表面が黒ずむ

葉が黒ずむのは「葉焼け」と言う症状のひとつです。

真夏のように強い日差しに当たり、高温乾燥している日に薬剤を散布したり、木酢液のような活力剤などを葉に散布すると葉の表面が傷んで黒くなります。

特に光沢の無い皮質の葉や、厚みのないみずみずしい若葉に症状がよく出やすく、またオールドローズなどでもよく見られる。


                               「黒ずんだ葉」



バラの場合、葉の表面が黒く葉焼けをしても、葉の内部まで酷く傷むことは少ない。


殆どの場合、黄色くなって落葉することありません。


葉はそのままにしておく

黒ずん葉は病気ではないので、黄色くならない限りなるべく取らずにそのまま育てます。

真夏のように日差しが強く、高温乾燥している時では薬剤散布はなるべく控えましょう。

散布がどうしても必要な場合は、バラ全体に散水してから散布します。

温度が下がって涼しくなると、葉焼けしにくくなります。


置き場所

株の周りに湿気を伴う物を置きます。

真夏に強い草花や宿根草、スイレンなどの水鉢などを株の周辺に置くと湿度が上がり涼しくなります。

鉢植えで育てるバラも同じ工夫で改善できます。







2021/06/08

植物保護の重要性 No,490

 植物保護の重要性

植物保護とは病害虫、雑草、鳥獣、気象などによる被害から、農園芸作物や樹木及びこれらの環境を守ることである。

植物保護の分野の中で、これまでに特に重視されてきたのは病害、虫害、雑草害です。





これらによる被害を最小限に食い止める手立てを研究し、その対策まで導いていくのが植物保護の役割である。

人の生命維持と活動のためのエネルギー源確保に寄与する、重要な分野である植物保護の第一的目的は、食糧確保であったために有害生物を標的として、効力がはっきりと見分けられる手段が重視されてきました。

病害虫、雑草防除には「有機合成化合物」を主に用い、それが食糧確保に大きく貢献し現在に至っている。

「有機合成化合物」とは炭素と水素を含む化合物の事で、何を作るかは産業分野で求められている物や、将来必要とされる物を予測して考えます。

今、多くの分野が国際的に拡大される方向にあり、例外なく農作物の輸出入も拡大され、国際的な展開が望まれてきた。

このような状況下で、植物保護の考え方も大きく変わろうとしている。

植物保護の手段は主に自然環境下で実施され、特に人を取り巻く環境と深く関わっている。

よって、効果万能の強力な薬剤より、環境に優しい保護手段が必要とされてきた。

現代社会おいて、植物保護が今後益々要求されることを重視し、さらなる発展を目指さなければならない、その時代に辿り着いたと言えるだろう。


Importance  of  plant  prote


Plant protection is the protection of agricultural and horticultural crops, trees and their environment from damage caused by pests, weeds, birds and beasts, and weather. 
 In the field of plant protection, pests, pests and weeds have been of particular importance so far.
 The role of plant protection is to research ways to minimize the damage caused by these plants and to guide them to countermeasures. Since the primary purpose of plant protection, which is an important field that contributes to securing energy sources for human life support and activities, was to secure food, emphasis was placed on means for targeting pests and clearly distinguishing their effects.
 I have come. "Organic synthetic compounds" are mainly used for pest control and weed control, and they have greatly contributed to food security and have continued to this day. 
 "Organic synthetic compounds" are compounds containing carbon and hydrogen, and what to make can be thought of by predicting what is required in the industrial field and what will be needed in the future. Design a new organic compound and consider a synthesis method.
Nowadays, many fields are expanding internationally, and the import and export of agricultural products is expanding without exception, and international expansion has been desired. 
 Under these circumstances, the way of thinking about plant protection is about to change significantly. 
 Means of plant protection are mainly implemented in the natural environment and are particularly closely related to the environment surrounding humans. 
 Therefore, environmentally friendly protective measures have been required rather than powerful drugs with all-purpose effects. 
 It can be said that we have reached the time when we must aim for further development by emphasizing the increasing demand for plant protection in modern society.





2021/06/07

夏に負けないバラ栽培 ① No,489

バラの夏期でのトラブル対策

真夏に起きやすいトラブルは高温多湿によるものが多くあります。

葉が黄色くなって落ちだした。



原因として

根を傷めた事による症状です。

土壌の高温化や水切れなどで起きやすくなる症状です。

真夏のように強い日差しがよく当たる場所では、土壌が高温化しやすくなり、土中が蒸れてしまって根を傷めることになります。

水切れの場合は、土中が乾燥してしまうことで根が萎れて傷みます。

どちらの場合も株全体に急激に水分不足を起こします。

このようになったバラは、根に負担がかからない程度まで葉を黄化させながら急激に葉を落として、全体のバランスを調整し始めます。

バラの葉が黄色くなるには時間が必要で、原因発生から4〜5日を過ぎた頃から黄色くなって落ちてゆきます。


花枝の切り戻し

梅雨頃はバラが1年で最も旺盛に生育する時期で、枝葉にかなりの水分を蓄えています。


しかし、梅雨が明けて高温乾燥期に入ると水分が奪われやすくなる為、花枝はなるべく早めに切り戻して蒸散を抑える必要があります。

特に、太くて長く伸びだす元気な枝は、最も水分を多く蓄えているので、早めに切り戻しを行って暑さに順応しやすくします。


地温の上昇を抑える

地植えの場合、ワラなどを敷いてマルチングしたり、暑さに強い草花を近くに植えて、根が発達している株元やその周囲をカバーします。

直射日光が直接当たらないことで、地温の急激な上昇を抑えることができます。

鉢植えでは、2周りほど大きい空鉢に入れて二重鉢にして、草花などを植えた鉢を寄せ集めて鉢の高温化を抑えます。


強健種のバラ


                  「トロピカルシャーベット」

✿トロピカルシャーベット
(Tropical.sherbet)

オレンジ、レッド、ピンクと変化し華やかに咲くバラ。

小山内健氏作出のバラで、中輪咲き、一枝に3〜4輪の花がつき、強い日差しや雨による花傷みがない四季咲きの強健種です。

✫小山内健
大阪にある京阪園芸に所属するバラの専門家。