緑のお医者の徒然植物記

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2024/10/24

森林、草地の土壌生物 No,735

 森林、草地の土壌生物の特徴

森林土壌の表層に厚く堆積した「リター層」は、耕地土壌には見られない森林土壌に特有の有機物の土層です。

「リター層」とは、森林において地表に落ちた葉や枝、果実わ樹皮、倒木、動物の糞などが堆積した層を指します。

また、土壌生物によってほとんどか分解されていない有機物の層で「落葉落枝層」とも呼ばれます。

針葉樹林では、リター層が特に厚く鉱質土壌はわずか10数cmが暗色の有機物を多く含む「モル型土壌層」である。

「モル型土壌」とは、寒冷多湿や乾燥が強い環境下で、土壌動物や微生物の活動が盛んであるため、植物遺体の分解が遅く、厚い「土壌F層」や「土壌H層」が発達した土壌です。

土壌の特徴として、酸性が強く有効な養分が乏しく、有機物の鉱質土層への浸透が悪い。

「土層F層」とは、土壌断面において分解が進み植物遺体の原形が崩れ、破片や屑状になっている状態で肉眼により識別できる層位です。

「土壌H層」とは、堆積有機物層の層位で、分解がかなり進んで元の組織が判別できないほどまで分解が進んだ層で、「Oa層」とも呼ばれます。


広葉樹林では、リター層は薄いが暗色の鉱質土層は深くまで発達している「ムル型土壌層」です。

「ムル型土壌」とは、広葉樹林では比較的薄い土壌が生成され、土壌中の有機物が地中深部まで多く発達した土壌です。

針葉樹のリター層は酸性で、タンニンやリグニンなど、フェノール性物質を多く含み、土壌動物の餌として適さないのに対し、広葉樹のリターを土壌中の巣穴へ運び込む土壌動物の主な働きは、リターの分解ではなく摂食に伴うリターの粉砕=表面積の増大であり、排泄されたリターはその後、速やかに微生物により分解されます。


また、森林の落葉落枝の分解は主に糸状菌によって行われています。

森林や草地の土壌は土壌動物相(土壌に生息する動物の分類群)が豊富であるのに対し、耕地土壌では耕うんや農薬による殺虫剤散布の結果、土壌動物相は貧弱である。