よい土とは、どんな土なの?
通気性がよい事が重要
よい土の条件として最も大切なのが通気性です。
根は空気(酸素)を吸って、二酸化炭素を出しています。
みじん(微小の粉塵)が多く、土の粒の間にすき間がないと、新鮮な空気が土の中に入らないので、残った二酸化炭素で根が酸欠を起こして、窒息する。
この状態が長く続くと根腐れを起こす原因になります。
土の通気性をよくするには、気相率の高い腐葉土、パーライトなどを少し多めに配合します。
特に粒子の細かい黒土、真砂土は腐葉土などを必ず加えて、通気性や排水性を改良する必要があります。
通気性がよい土とは、主に乾きやすい土のことです。
その分、水やりの回数は増えますが、新鮮な空気をより多く土中に送り込むことができるので、根の生育は促進されます。
◉植え付けや植え替えでは、鉢が大きすぎると土が乾きにくく、通気性が悪くなるので、根鉢よりも一回り大きな鉢(直径で3㎝程度)を目安にします。
草丈が低く、根の張りが浅い草花類は水が停滞し、水はけも悪くなるので深鉢は避ける。
排水性に富むこと
与える新しい水には、空気(酸素)が多く含まれているので鉢土の表面が乾いてきたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えることが基本です。
これは新しい水を土に供給するとともに、古い空気を新しい空気に入れかえるのが目的です。
このような水やりを続けることで根の量が増え、植物の生育がよくなります。
水やりしてもなかなか水が染み込まず、鉢底で停滞して水はけの悪い土は、新鮮な酸素を供給できずに根腐れの原因になります。
排水性をよくするにはみじんを除き、土の粒の大きさをなるべく均一にします。
水やりしてもなかなか水が染み込まず、鉢底で停滞して水はけの悪い土は、新鮮な酸素を供給できずに根腐れの原因になります。
排水性をよくするにはみじんを除き、土の粒の大きさをなるべく均一にします。
基本用土に赤玉土小粒を使用する場合は、有機物(腐葉土、ピートモスなど)は粒子ではないので別ですが、軽石やパーライト、鹿沼土、日向土などの改良用土も、赤玉土小粒に粒を揃えます。
6号鉢以上の鉢では、鉢底に鉢底石を敷きます。
適度な保水性があること
軽石や川砂のような石の粒では、赤玉土のような粒の中に水を含まないため、すぐに乾燥してしまいます。
土が乾燥して植物が萎れて、慌てて水を与え過ぎることを繰り返すと、根(細根)が傷んでよくありません。
通気性や排水性がよく乾きやすいが、急激に乾燥しない土がよい土です。
ベランダなどの乾燥しやすい場所では、急激な乾燥を防ぐために、保水性のあるバーミキュライトや腐葉土などを配合します。
土の上に水ゴケなどを敷き詰めても水分の蒸散を防ぐ効果があります。
保肥性があること
せっかく肥料を与えても、水やりや雨で鉢底から肥料分が流れ出てしまっては、根から栄養分を吸収することができません。
土が肥料を保持する性質を保肥性といいます。
保肥性の高い赤玉土などは、肥料成分をつかむ手が多くあります。
反対に、保肥性の低い砂などは手の数が少ないので、肥料成分をつかみにくい。
ただし、赤玉土や鹿沼土、黒土のような火山灰土は、肥料のリン酸成分を根から吸収しにくくする性質がある。
そのため、火山灰土を基本用土として使用する場合は、リン酸成分を多く含む緩効性の元肥を使うようにします。
真砂土も火山灰土ほどではありませんが、ある程度リン酸を固定するので、リン酸を多く含む元肥を入れます。
有機物を含むこと
赤玉土の基本用土に混ぜる腐葉土や堆肥などの有機物は改良用土といわれます。
油粕や鶏ふんなどの有機質肥料とは異なり、土の通気性、排水性、保水性、保肥性を改良する働きがあります。
さらに、土の中の微生物の働きを活性化し、間接的に根の生育に役立つため植物の肥料ではなく、土の肥料と言うべきものです。
◉特に、腐葉土は保肥性が高く誤って濃い肥料を与えてしまっても、高濃度によるショックを和らげる働きもあります。
重すぎず、軽すぎない土
土が軽すぎると株が倒れやすく、特に植え付け直後は水やりなどで株が安定しません。
初期の根の生育も悪くなります。
重すぎる土は細かい土が多く、通気性、排水性が悪くなり、やはり根の生育によくありません。
一般に、1㍑につき400㌘~600㌘が適度な土の重さの目安になります。
バンキングバスケットの土はそれよりも少し軽くします。
野菜やバラのように草丈のある植物は少し重くします。
弱酸性であること
サツキ、アジサイ(青色)ブルーベリーなどの酸性の土を好むもの、アジサイ(紅色)のように中性から弱アルカリ性の土に植え付ける植物もありますが、一般に多くの植物は弱酸性(pH5.5~pH6.5)の土が生育に適してます。
アルカリ性が高い土は、土の中に鉄やホウ素などの微量要素が含まれていても、根から吸収されにくく欠乏症を起こしがちです。
反対に酸性が強すぎると、根が生育障害を起こしやすくなります。
また、鉢やプランターの古い土は酸性になっている場合が多いので、再利用する場合は、石灰を混ぜます。
アルカリ性の土には、酸度未調整のピートモスを混合して調整します。
清潔であること
病原菌や害虫、害虫の卵、雑草の種などが混ざっている土は、植物の生育障害となります。
室内で育てる観葉植物などの土も、カビや小バエなどが発生しないように、ほぼ無菌のピートモス、バーミキュライト、パーライト、赤玉土などを混合して、元肥も有機質肥料を避け、化成肥料を使用します。