藍 タデ科 イヌタデ科
一年草 別名=インジゴチン タデアイ
原産地=東南アジア
古くから藍染めの染料原料として知られる植物。
藍の歴史はとても古く、紀元前3000年まで遡ります。
✻「インダス文明」の遺跡から、藍染めの染織槽跡が発見されたと言う記録が、藍の存在が世界で初めて確認された時期と言われています。
✻インダス文明
紀元前2500年から1800年頃に繁栄した文明とされているが、インダス文明の文字は未だに解読されていない。
その事から、繁栄していた時代が正しいのか疑問は残る。
紀元前300年頃になると、シルクロードを通じて文明の交流が始まり、藍染めの布製品が盛んに行き来していたとされ、インドやエジプトを中心に世界各地に藍が流通して行きました。
日本の藍の歴史は、奈良時代に遡ると言われています。
当時の唐から、朝鮮半島を経て伝わったと言われ、法隆寺や正倉院に当時の藍で染められた布類が今も多数保存されています。
その藍こそが「タデ藍」で「出雲族」が最初に栽培されたと言われている。
✣出雲族とは
古代出雲地方に存在したと言う説のある種族。
出雲とは現在の島根県東部を指す。
出雲神話の担い手として想定されている出雲族は、鉄器文明を持つ「ツングース」であるとする説がある。
✻ツングースとは
出雲女は朝鮮、満州、蒙古(もうこ、モンゴル)の遺伝子があり、その民族を北東アジアに住む「ツングース」という。
出雲地域からは大量の✫銅鐸(どうたく)や銅剣などが出土した遺跡もあり、実際に古代に何らかの勢力が存在したとされている。
朝鮮、満州、蒙古から出土するものと、出雲の地下から出土する弥生式の土器はほぼ同じである。
✫銅鐸は青銅製の弥生時代後半期の遺物で、もとは楽器らしくのちに祭器に使われた。
「天孫族」に屈しまいとした出雲族の一部は東北に逃れ蝦夷(えぞ)となって最後まで戦ったとする説がある。
❆天孫族(てんそんぞく)とは
日本神話において降臨したヤマト王権をつくったとする古代勢力の総称。
また「新撰姓氏録」では天照大神などの子孫を神別の「天孫」としている。
新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)とは、平安時代初期の815年(弘仁6年)に集成された、日本古代名鑑で氏族の実態や、姓氏家系を調べる上で欠かせない文献。
蝦夷とは、古代、関東以北に住んでいた人々でえみしとも言う。
北海道の古称で北陸、関東北部から東北地方にかけて住み、朝廷に服従していなかった人々のこと。
また、出雲方言と東北方言が同じ「ズーズー弁」であるのもその証であるとされている。
江戸時代になると木綿の普及に伴い、藍染めが幅広く使用されるようになった。
阿波の国、現在の徳島県が最大の生産地だった。
徳島の「すくも」藍染めの染料は、高品質な「阿波藍」として別格の扱いを受けていた。
明治中頃には、全国の市場を席巻きするほどで、生産もピークを迎えた。
第二次世界大戦で栽培が禁止されたため、藍の生産は途絶える寸前まで行ったが、徳島の藍師が戦争中もタネを守り、副業をしながらも藍作りを続けてきた事で、現在でもその伝統が生き続けている。
現在は徳島をはじめ、北海道、青森県など、いくつかの地域で栽培されています。
「タデアイ」は古くから薬用植物として、解毒、解熱、消炎などの目的で利用されていました。
タデアイは日本に自生していない。
日本の一部の地方では、「タデアイ」はタデ酢などの食品原料としても利用されています。
食物繊維とミネラルも豊富に含まれている事から、藍の青汁や藍のサプリメントなどが商品化され、健康食品としても注目を浴びている。
✿藍特有のフラボノイド
ポリフェノール(フラボノイド)はブルーベリーの約4倍とも言われている。
トリヒドロキシ、メチレンジオキシフラボンを骨格とするフラボノイド化合物であり、藍の主要な物質群。
藍はコレステロールの低減に有効な素材である可能性がある。
藍のフラボノイド化合物は、いずれも還元酵素の阻害活性を示し、その活性は高脂血症治療薬である「ロバスタチン」とほぼ同等レベルの阻害活性を示す。
✿藍の抗酸化能
藍は昔から健康維持目的で利用されていました。
様々な疾病は、活性酸素によって引き起こされると考えられています。
藍は高い「抗酸化能」があり、活性酸素消去能が優れていると言える。
藍には、抗酸化物質や抗菌物質が含まれている事が確認されている。