緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/04/14

エゾマツ、アカエゾマツ No,435

 エゾマツ、アカエゾマツ

マツ科トウヒ属  (蝦夷松 )常緑針葉高木
原産地=サハリン、千島
日本(北海道、本州)シベリア

蝦夷(エゾ)とは北海道の古称、北海道に多いのでこの名がある。

代表的な針葉樹で、アカエゾマツと共に北海道の木に指定されている。

山地に生えるが沢沿いなどに多く、寒冷地では庭木として植えられることがある。

樹高は40㍍にも達し、細長い枝が密生し、左右の枝を斜め下におろしたような傘形の樹形となる。

葉は線状で長さ2cmほどで、先端が尖っている。

5月から6月頃に花が咲き、球果は秋に熟して垂れ下がる。


                                                 「エゾマツ」


✣生育環境

土質は選ばないが、水はけの良い所が理想的である。

空中湿度の高いことが大切で、根が浅いので風に弱い。
実生で殖やす(時期は3月頃)

✻肥料

油かす、化成肥料などの寒肥を施す。

✫害虫

ハバチ、アブラムシ、カイガラムシなどが発生する。

対策としてスミチオン、カルホス、デナポンなどを散布する。

❆種類

 変種にトウヒがある。本州中央部と紀伊半島に分布する。

類似種にアカエゾマツがあり、庭園や公園樹として利用されている。

✣せん定は不敵である。

✿アカエゾマツ

エゾマツに似て幹の赤みが強いのでこの名がある。
樹林の中では、スラリと伸びたものがあるが、曲がったり、幹が曲がりくねったり、風に傷めつけられて変形したりと言った樹形のものが目立つ。


エゾマツの葉は長く柔らかいが、アカエゾマツは葉が短く、やや曲がりびっしりとつく。


                                                「エゾマツの葉」


                                              「アカエゾマツ」






2021/04/13

アワブキ No,434

 アワブキ アワブキ科  アワブキ属

別名=アブクタラシ、ヤマビワ、トーフノキ
原産地=日本(本州、四国、九州)
朝鮮半島、中国

インドから日本にかけてのアジア地域と中南米の熱帯にかけて分布しており、日本にはアワブキ属の①アワブキ②ヤマビワ③ミヤマハハソ④フシノハアワブキ⑤ナンバンアワブキの5種と、アオカズラ属のアオカズラの2属6種が自生する。

また、伊豆諸島には、フシノハアワブキの変種である「サクノキ」が分布している。

アワブキやミヤマハハソのような「落葉性」は稀で、多くの種類は常緑性である。





この木を燃やすと、切り口から盛んに泡を出すのでこの名がある。

産地に生える落葉高木で、樹高は10㍍程になる。

6月から7月に枝の先に大きな円錐花序を出し、淡黄緑色のちいさな花を多数つける。

秋の黄葉は目立つが、庭に植えられることは稀である。

✣生育環境

日当たりの良い場所に適していますが、木漏れ日が当たるぐらいでも育ちます。

やや湿り気のある土壌が最適です。

せん定は12月から3月で強せん定は避ける。
自然樹形を基本に、斜上しがちな枝を切り戻すぐらいの樹形を維持します。


移植は3月頃が適している。

✫肥料

寒肥として油かす、鶏ふんを与える。

✭殖やし方

実生で殖やします。
採り播きするか、貯蔵して翌春3月に播きます。

✣種類

類似種に葉が薄く小さい低木型のミヤマホウソがあり、地方によってはこれもアワブキと呼んでいる。







2021/04/12

アーチ=門扉の製作、取り付け No,433

 アーチ部分の製作



①材料は耐久性を考え、ステンレスの板金で製作。

ステン用の板金バサミで切断するが、経験者以外ではとても扱い難い材質と言えるだろう。

必ず手袋をして作業しなければならないが、それでも手を切りやすく扱い難い。

板金の厚みは強度も必要なので0,4㍉ですが、とても硬いので手作りであるならば、この厚みが限界と思う。



②門の幅が1.2㍍なので、幅に合わせて加工。


③穴をあける。
この穴は何?



④だんだん形になってきました。
アーチ部分の曲りはフリーハンドで卵型、半円ではない。



⑤左右、同じものを作る。



                     「基礎部分を改造」

                    「骨組部分が完成」

                 「 門扉の製作取り付け」

                        「貫抜式」


                 「自作ポスト取り付け」


                     「門扉完成」



アーチ中央に吊り下げたランプも自作、サーモスタットで点灯、消灯する。









2021/04/11

ムクノキ No.432

 ムクノキ ニレ科 ムクノキ属

別名=ムクエノキ、モクエノキ 落葉高木
椋の木、樸樹

原産地=日本(関東以西)韓国、済州島
中国、台湾に分布

山地や川岸などに自生するが、人家周辺にもよく植えられている落葉高木で、大きいものは20㍍程になり、よく枝分かれして丸みのある樹形になる。

神社の境内などには、大木が枝を張り日陰を作る。

花は春に葉が出だすのと同時に咲き、果実は球形で紫黒色に熟す。

種子のまわりの果肉が甘く食べられる。

ムクドリの大好物で、よく飛来することからムクドリと呼ばれるようになった。

葉を触るとザラザラする。

それは、植物の表面がケイ酸質の物質で覆われているからです。

ケイ酸は石英やガラスの主成分であるので、葉の表面はガラスで覆われている状態であることになりますが、このようなケイ酸によるものはイネ科やカヤツリグサ科の植物などであるが、木本植物では珍しいことです。

葉は乾燥させ、磨くのに使われる事から、自然界が作ったサンドペーパーと言えるでしょう。

生育環境

大木になるので、公園木、日陰樹として最適である。
日当たりがよく肥沃な土壌を好む。

肥料

根の周りに有機質の寒肥を与える。
植え付け移植は1月から3月
せん定は11月から12月、2月から3月


✿ムクノキの天然記念物

伊奈町の大ムクノキ
伊奈町指定天然記念物 昭和48年
(1973年)指定


埼玉県北足立郡伊奈町西小針1-2(桂全寺内)


✿矢野の大ムクノキ
県指定天然記念物 昭和58年3月29日指定



樹齢推定600年以上
兵庫県相生市矢野町森
西播丘陵県立自然公園


✿椋本(むくもと)の大椋
国指定天然記念物 
1934年、昭和9年1月22日指定



樹齢1500年とも言われる大ムクノキ
樹高約25㍍、かつては12㍍以上もあった幹周りは、明治3年の台風被害で損傷し幹の一部が失われ、現在に至っている。

三重県津市芸濃町椋本






2021/04/10

ムクロジ No,431

 ムクロジ ムクロジ科

無患子、天患子、木患子

原産地=インド、台湾、中国
日本(本州中南部、四国、九州、沖縄)

神社や寺院の庭などに緑陰樹として植えられる。

寺社に植えられたものなどは果実がびっしりとつくが、山地のものは実つきがあまりよくない。

果皮にサポニンを含み水を泡立てるので、昔は、石鹸のようにして使われた。

これは、果皮に油類を✫懸濁される働きのあるサポニンが含まれているためです。

✫懸濁(けんだく)溶解
液体中に個体の微粒子が分散した状態のことを言う。

ムクロジの種子は、羽根突きの羽根に付ける黒い玉や数珠に使われ、樹皮は薬用に利用された。

有用樹として大切にされたが、現在ではあまり利用されていない。

山地に生え、高さ20㍍以上、樹径70cmに達する落葉高木です。





インドの石鹸

ムクロジ属はラテン語でsapoindusというが、これはsapo(セッケン)とindicus(インドの)の2語から成り立っている。

インドで石鹸に使われる木と言う意味であるだろう。

日本でも果皮の乾燥したものを石鹸に使っていた事がある。

生育環境

日当たりのよい肥沃な土地を好み、移植はやや難しいが中木なら一年前に根回しして、細根を出してから葉が展開する前に行える。

植え付け、移植時期は1月から3月

肥料

寒肥として鶏ふん、油かすを与える。

殖やし方

実生で殖やせる。
果皮を取り、乾燥しないように貯蔵して翌春3月から4月頃に播く。

✫種類
熱帯地方に15 種あり、そのうち数種は温帯に広がる。

✿宇芸神社のムクロジ
富岡市指定天然記念物
平成22年4月28日指定


群馬県富岡市神成1178(宇芸神社境内)

群馬県内には市、町指定天然記念物が他にもある。
大胡神社のムクロジ、高橋家のムクロジ






2021/04/09

ブナ No,430

 ブナ ブナ科 落葉高木

別名=シロブナ、ソバグリ、イヌブナ

原産地=日本(北海道南部から九州)

海抜500〜1500㍍の地帯に多く分布するが、北海道と東北では平地でも見られる。

北半球の温帯に10種分布し、日本固有種はブナとイヌブナの2種があり、日本列島の冷温帯域に広く分布するため、樹形や葉の変異が大きい。

一般に日本海側の多雪山地のブナは、葉が大きくオオバブナと呼ばれ、幹はまっすぐに伸びてあまり枝分かれしない。

一方、太平洋側のブナハブラ葉が小形でコハブナと呼ばれ、よく枝分かれしてずんぐりした樹形になるものが多い。

保水力が大きく、日本海側の多雪地帯では✻「水源涵養林」として重要な役目を果たしている。

✻水源涵養林(すいげんかんようりん)とは

雨水を吸収して水源を保ち、あわせて河川の流量を調整するための森林のこと
水資源の確保や水害防止に役立ち、保安林に指定されている樹木など、人工林、天然林など様々な樹種がある。

ブナは5年から7年周期で豊作になるとされ、種子の生産の少ない年を作ることによって、食害する昆虫や小動物などの密度を少なくし、豊作年には動物が食べ切れないほどの種子を付け、子孫を残すようにする機能を持っている。

果実は食べられるが、熊やリスなど山の動物たちも果実は大好物である。



材が柔らかく材料としては細工しやすいが、腐りやすいので建築材などには役に立たないとされてきた事から「橅」と書いてブナと読む。

新緑が美しく、また黄葉の鮮やかさもひときわ目を引く。

山間部に住む人々や登山愛好家には馴染みが深い樹木である。


灰白色の樹皮も滑らかで木の美しさをひきたてている。

温帯の指標植物である。



✣類似種

よく似たイヌブナは、幹の周りにヒコバエをたくさん出し、葉はブナより薄い。

側脈がブナより多いことや果実がぶら下がって付くなどの特徴がある。

別名のシロブナは、イヌブナに比べめ樹皮が白っぽいことによる。
ソバグリとも呼ばれるのは、堅い実がそばの実に似ていることに由来する。

✿生育環境

適度に湿気を含んだ土壌が適している。

夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすので、半日陰がよい。

盆栽の場合は3月から10月の間に月1回ずつ置き肥を施す。
ただし、真夏の8月は除く。
一年を通じ水やりも十分に行う。


✫備考
せん定は2月から3月頃
植え付け移植時期は12月
3月に実生で殖やす。