緑のお医者の徒然植物記

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2021/04/09

ブナ No,430

 ブナ ブナ科 落葉高木

別名=シロブナ、ソバグリ、イヌブナ

原産地=日本(北海道南部から九州)

海抜500〜1500㍍の地帯に多く分布するが、北海道と東北では平地でも見られる。

北半球の温帯に10種分布し、日本固有種はブナとイヌブナの2種があり、日本列島の冷温帯域に広く分布するため、樹形や葉の変異が大きい。

一般に日本海側の多雪山地のブナは、葉が大きくオオバブナと呼ばれ、幹はまっすぐに伸びてあまり枝分かれしない。

一方、太平洋側のブナハブラ葉が小形でコハブナと呼ばれ、よく枝分かれしてずんぐりした樹形になるものが多い。

保水力が大きく、日本海側の多雪地帯では✻「水源涵養林」として重要な役目を果たしている。

✻水源涵養林(すいげんかんようりん)とは

雨水を吸収して水源を保ち、あわせて河川の流量を調整するための森林のこと
水資源の確保や水害防止に役立ち、保安林に指定されている樹木など、人工林、天然林など様々な樹種がある。

ブナは5年から7年周期で豊作になるとされ、種子の生産の少ない年を作ることによって、食害する昆虫や小動物などの密度を少なくし、豊作年には動物が食べ切れないほどの種子を付け、子孫を残すようにする機能を持っている。

果実は食べられるが、熊やリスなど山の動物たちも果実は大好物である。



材が柔らかく材料としては細工しやすいが、腐りやすいので建築材などには役に立たないとされてきた事から「橅」と書いてブナと読む。

新緑が美しく、また黄葉の鮮やかさもひときわ目を引く。

山間部に住む人々や登山愛好家には馴染みが深い樹木である。


灰白色の樹皮も滑らかで木の美しさをひきたてている。

温帯の指標植物である。



✣類似種

よく似たイヌブナは、幹の周りにヒコバエをたくさん出し、葉はブナより薄い。

側脈がブナより多いことや果実がぶら下がって付くなどの特徴がある。

別名のシロブナは、イヌブナに比べめ樹皮が白っぽいことによる。
ソバグリとも呼ばれるのは、堅い実がそばの実に似ていることに由来する。

✿生育環境

適度に湿気を含んだ土壌が適している。

夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすので、半日陰がよい。

盆栽の場合は3月から10月の間に月1回ずつ置き肥を施す。
ただし、真夏の8月は除く。
一年を通じ水やりも十分に行う。


✫備考
せん定は2月から3月頃
植え付け移植時期は12月
3月に実生で殖やす。