ヒノキ ヒノキ科 常緑針葉高木
別名=ホンヒ( 檜、桧)
原産地=日本(本州、四国、九州)
古代、ヒノキの材をすり合わせて火を起こしたので「火の木」が語源とされる。
日本の木造建築では最も重要な樹種で、植林される面積も広い。
自然分布は福島県の赤井岳から九州の屋久島までですが、自生のものより植林された木を見る方が多い。
樹高は30〜40㍍に達する。
樹皮は✫檜皮葺きの材料にされる。
✫檜皮葺き(ひわだぶき)とは
ヒノキの樹皮を成型した材料を使って、屋根ぶきする手法の1つで、日本古来の屋根技術工法です。
よく似ている「サワラ」は葉先がヒノキより鋭く、また葉裏の白粉の幅が広いためY線形(ヒノキ)には見えない。
サワラはX線形に見える点がヒノキと異なる。
生育環境
日当たりの良い場所で、腐植質が多い土壌が適しています。
植え付けする前にはあらかじめ、腐葉土などをすき込んでおくとよい。
乾燥地は不適である。
植え付けは2月から4月頃
移植は難しいので定植する所は十分に選ぶ必要があります。
生け垣の刈り込みは2月に行い、芽出し後のせん定は6月頃を目安にする。
主木には特にせん定の必要はありません。
肥料
12月から1月に寒肥を施せば、生長期の追肥は必要ありません。
病害虫対策にはダイセン、トップジン、ベンレートを9月頃に散布。
せん定
円錐形、円筒形が基本樹形ですが、玉づくり、段づくりなどにもできます。
円錐形では幹は伸ばし、重なる枝は間引き、樹冠を切りそろえます。
葉のない部分まで切り戻すとその枝は枯れてしまいます。
柔らかく仕上げたい時は、枝葉の真ん中のものを取り除く「みつ取り」を行うと良いでしょう。
「ヒノキのみつ取り」
殖やし方
実生と挿し木で殖やします。
庭木用に改良された園芸品種は挿し木で殖やします。
挿し木の時期は4月から6月頃
実生では本種に返りやすい(先祖返り)ので接ぎ木が必要です。
実生の時期は3月から5月頃
種類
ヒノキの園芸品種には斑入種も多く、庭木や盆栽として親しまれています。
代表的な品種
チャボヒバ
よく庭に植えられている矮性の園芸品種で、大木にならず高さは5㍍内外で枝や葉が密生するのが特徴です。
白い斑入りの品種や、葉が黄金色に変わる品種もある。
通常、花は咲かない。
クジャクヒバ
葉は濃緑色で密生し、クジャクの尾のように見える事から名付けられた。
葉が全葉黄金色となるオウゴンクジャクヒバもよく植えられている。
タツナミヒバ
枝が波状に斜めに生長するのが特徴で、高さは3㍍内外。
イトヒバ
枝葉が長く伸び、著しいものは地表にまで垂れ下がることから名付けられました。
枝葉が黄金色のオウゴンイトヒバはこのイトヒバの1品種です。
リョウメンヒノキ
小枝が密生し、葉は表も裏も緑色で区別がつかないためこの名がつけられた。
葉の表裏の区別がつかない似たような樹木に、別属の「コノテガシワ」がある。
ホウホウヒバ
葉が青灰色から灰緑色を帯びるのが特徴。
樹形は球形または円錐形。
主なヒノキの天然記念物、巨樹
沢尻の大ヒノキ
国指定天然記念物
地元では「大ヒノキ」と呼ばれていますが、樹種はサワラの樹です。
国内随一のサワラの巨樹とされ、推定樹齢は約800年とされている。
所在地=福島県いわき市川前町上桶売沢尻地内
大久保の大ヒノキ
国指定天然記念物(平成6年)
所在地=宮崎県臼杵郡椎葉村大久保
軽岡国有林のヒノキ
所在地=岐阜県高山市荘川(しょうかわ)町
六厩(むまや)軽岡
八幡人丸神社御旅所のヒノキ巨樹
所在地=山口県長門市油谷新別名人丸35
八幡人丸神社(やはたひとまるじんじゃ)
その他、ヒノキの巨樹は全国各地に多くある。