緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/26

梨 No,477

ナシ  バラ科  落葉広葉樹


ナシは日本ナシ、中国ナシ、西洋ナシに分類されます。

日本ナシは古くから日本で栽培されてきた品種で、りんごと同じ形をしています。

全国各地には、推定樹齢200〜300年以上とされる、天然記念物に指定された巨樹も多く、また古くから栽培されていたとする記録も多く残されている。


上部がすぼまっている中国ナシ、西洋ナシは曲がった形が特徴的です。

日本ナシの代表的な品種には、長十郎梨、二十世紀梨などがあります。

家庭果樹には幸水、豊水などが向いています。




生育環境

気候も土質も特に選びませんが、夏バテ暑すぎない温暖な気候で、粘土質の土壌で土層が深ければ最適です。

栽培用のナシ類の大半は、自家不結実性なので、違う品種の花粉を受粉させる必要があります。

苗木を入手する際には、結実しやすい品種同士を選ぶ必要があります。

しかし、ナシは品種間に「交配不親和性」があり受粉がなされないことがあります。

交配不親和性(こうはいふしんわせい)とは、交配に用いる両親の生殖器官は機能的に安全であるにも関わらず、それらの間で交配した場合に、正常な花粉管の伸長や受精、胚(はい)形成などが見られない場合があり、そのような現象の事をいう。

植え付け、肥料

鉢植えは赤玉土6、腐葉土3、川砂1の混合土に植え、風通しがよく日当たりの良い場所に置きます。

鉢植えは3月に玉肥を3〜4個を置き肥します。

庭植えの場合は、3月に配合肥料を根周りに薄く広げて撒き、浅くすき込んでおきます。

追肥として収穫後の10月頃に、堆肥にはに鶏糞と油かすを混ぜ、リン酸とカリウムの多い化成肥料を加えたものを施します。




せん定

せん定は冬期に行います。
徒長枝などの不要な枝を切り落として、次に✫長果枝を混み合わない程度に切ります。

バランスよく間隔を開け、✫短果枝で混み合っている部分をせん定します。

✫長果枝(ちょうかし)短果枝(たんかし)は、花芽をつけて翌年開花結実する枝の総称で、長さによって名称が異なる。

目安として、10cm以上を短果枝、10〜30cmを中果枝、30〜50cmを長果枝と呼ぶ。

短果枝はナシがなり始めて2年目以降のもの。

長果枝は新しい枝になった部分に直接緑色の部分と花が咲いているもの。

ブドウやキウイなどのように、枝を支えなければならない果樹ではありませんが、収穫期が台風シーズンと重なることが多いので、棚仕立てや支柱仕立て、垣根仕立てなどにしてて枝を固定して育てます。

主枝を左右に2本伸ばし、側枝を主枝から20〜30cmおきに伸ばし、他は間引きせん定します。

主枝の上面から毎年発生する徒長枝は、見つけ次第切り取って養分を取られないようにします。

果枝は2年から3年ごとに更新します。

鉢植えは、鉢の高さの2.5〜3倍の樹高にして、主幹や側枝は生育の初期に針金をかけて樹形を整えます。

果実管理
結実したら良い果実だけを残して摘果します。
鉢植えは、よい果実を2〜3果残して他はすべて摘果します。

また、摘果後はすぐに袋掛けをします。

青梨は類は色を良くするために透明なパラフィン紙で作った袋を使用すると良いでしょう。

赤梨類は、新聞紙の袋でも大丈夫です。

病害虫

✫赤星病
赤星病はナシの大敵の1つです。

赤星病の病原菌は、寄主転換の性質を持ち冬の間はビャクシン類(ヒノキ科針葉樹)に寄生し、春になるとナシへ寄主を変えます。

特に雨の時にビャクシンが胞子を放出します。
発生した時は、バシタックなどの薬剤を散布して予防します。

また、4月頃に雨が降ったら、ダイセン500倍液などの薬剤を散布して予防します。

✫黒星病
黒星病は葉、果実、枝に発生します。

葉は、発生初期に灰白色の病斑を生じ、症状が進むと黒カビが生えます。

対処法として、被害部分を除去して処分します。

予防として、4月から10月頃にベンレートやキャプタンなどを散布します。

また、病害虫全般に対する予防として、摘果を終えた後に袋掛けをしましょう。

害虫は、ナシヒメシンクイガ、アブラムシ、カイガラムシ、バダニ、ハマキムシなどが発生します。
アブラムシやハマキムシなどには、4月頃にスミチオン1000倍液を散布します。

ハダニやカイガラムシ予防には、落葉後の12月頃にマシン油乳剤20倍液を散布します。

殖やし方

多肉果類のナシは、よく熟して腐りかけた頃に種子を取り出し水洗いし、一昼夜乾かしてからまくか、砂を入れた鉢に入れ、鉢ごと土中に埋めて貯蔵し、3月から4月頃にまきます。

✣関連記事
日本の果樹は世界一No.400


❉ナシの保存方法
新聞紙やティッシュペーパーなどでナシを包んで、ポリ袋、保存袋に入れ冷蔵庫で保存することで、そのままの状態よりも長く保存できます。








2021/05/25

花芽分化の類型と果樹 No,476

 花芽分化の6つの型


①花芽が短枝につき、翌年開花する。





②一年枝の各葉腋につき、翌年開花する。





③一年枝の頂芽につき、翌年開花する。





④一年枝の上2〜3芽につき、翌年開花する。





⑤一年枝の頂芽と2〜3芽につき、翌年開花する。




⑥一年枝の各葉腋につき、当年開花する。





果樹の手入れ

果樹の手入れの基本は受粉と肥培管理と摘果です。

多くの果実は雌雄異株だったり、自家不結実性であったりします。

雄株や他の品種を植え、場合によっては人工受粉を行う必要があります。

良い果実を作るためには、余分な果実を摘み適度な個数を作ることが必要です。

肥培管理は果樹には不可欠です。

冬に寒肥、花と実の後、収穫後にはお礼肥(追肥)を施します。

前年に伸びた枝に花芽がつき実がなる。

前年に伸びた枝に花芽と、葉芽がつき枝に直接実がなる。

冬のせん定の時、花芽と葉芽が区別できるので花芽を落とす心配がありません。

ビワ、ブルーベリー、モモ、ウメ、サクランボ、その他


前年の枝に混合花芽ができて実がなる。

混合花芽とは、芽から花とともに葉と枝が現れること。

前年に伸びた枝に混合花芽がついて、春にこの混合花芽から伸びた新梢に実がなる果樹種。

実をつける混合花芽と葉芽の区別がつきにくいため、せん定が難しい。


柿や栗、柑橘類などは勢いよく伸びる新梢の先端とその下の数芽が混合花芽になるため、冬のせん定で枝先を切ると花芽を落とすことになり、実がつかなくなる。


また、前年に伸びた新梢の基部の葉腋に花が咲き実をつけるキウイ、ブドウ、イチジクなどは、冬に枝を短く切り詰めても花芽を落とすことはありません。

カキ、ウンシュウミカン(柑橘類)、他


2年目の枝(去年伸びた枝)に混合花芽ができて実がなる。

1年目に長く伸びた枝には花芽だけしかつかず、2年目になると枝先が長く伸び、基部に短い枝が出ます。

リンゴ、ナシ、カリン、マルメロなどがあり、主に短い枝によく実をつける。

長く伸びる枝を切って、短い枝をたくさん出させることが重要です。






2021/05/24

バラ 「全般」No,475

 バラ バラ科   双子葉植物

バラには数多くの園芸品種があり、特に花の色や形は多種多様ですが、分類学上は全て同じ科、同じ属に含まれます。

植物の進化の過程で見るとバラ科は、最初に発芽する子葉が2枚の種子植物(双子葉植物)の中では、中間的な位置を占めます。

双子葉植物で最も原始的な科目はモクレン科で、最も進化した科目はキク科です。





バラ科の植物の特徴

バラ科の植物は、花弁と萼(がく)がそれぞれ5枚あり、雄しべは多数、雌しべは1本から多数あるものまであります。

これらの特徴は他の科でも見られますが、バラ科が他の科と大きく異なるのは、✣花床が肥大し筒状または盃状になり、その上部の縁に花弁と萼が同心円状に付着していることです。

この花床の肥大の仕方はバラ科の中でも植物の種類により異なります。

✣花床(かしょう)とは、花托(かたく)ともいい、花柄の末端にある花弁やがくなどの付着する部分のこと。




生育環境

日当たりがよく、風通しの良いところが適します。
日陰での栽培は難しい、西日の当たる場所もよくありません。

乾燥を嫌うので真夏と冬は株元をマルチングします。

どんな土壌でも育ちますが、土質には敏感です。

排水、保水ともよく腐植質に富んだ土で、やや粘土質の方が適します。


肥料(施肥)

バラの土と肥料は、かなり株の生育に微妙に現れてきますので、冬期の元肥をきちんと行う事が重要です。

元肥は長期間肥効が持続するよう、有機質肥料を主体にします。

冬の休眠期は有機質と合わせて、ある程度の深さに耕しながら施します。

夏は生長期ですので、根を傷めないように株周りにばら撒き、表土と軽くかき混ぜておきます。

バラは四季咲き性のものが多く、常に伸長する枝梢(ししょう)に花芽を作り、秋遅くまで花を咲かせます。

バラは他の花木より栄養を多く必要とします。
肥料は油かす、魚粉、家畜の糞尿などの有機質なものと、化学肥料や化成肥料などの無機質なものがあります。

肥料の3要素と呼ばれるチッ素、リン酸、カリはそれぞれ単独に働くのではなくバランスが大切です。

3要素の他にある程度の量を必要とする中要素と言うべきものに、カルシウムとマグネシウムがあり、不足しないように補給する必要があります。

カルシウムは細胞膜を作るのに関係しています。

また、生理作用を助け、物質代謝の結果、できる有機酸を中和します。

マグネシウムは葉緑素の生成に必要であり、リンの移動を助ける生理作用や脂肪の生成にも関係しています。

バラは一年に一回、冬の元肥を与える時に、苦土石灰を植えてある株の周り全面に撒いて、一緒に耕せば足りるでしょう。

その他にごく少量の植物の生長に不可欠な元素として硫黄(s)鉄(Fe)ホウ素(B)マンガン(Mn)モリブデン(Mo)などがあり、微量要素と言われています。

ただし、これらは有機物や特に有機質肥料、骨粉や油かすなどには十分含まれているので、有機質肥料を使う限り不足の心配はありません。


家庭の庭に植えているバラには、どれだけの肥料が必要かと言うデータは残念ながらありません。

肥料は少なければ生育が悪く、多過ぎれば生育に支障をきたします。

そのような与え方を続けていると、土に蓄積されて植物が育たなくなります。

バラの切り花栽培では、施肥量の研究があり、一株のバラが一年間に必要とするチッ素の量はおよそ30gで、チッ素、リン酸、カリの比率は1:3:1が望ましいとされています。

このデータが、庭植えのバラに当てはまると言う裏付けはありませんが、目安としては貴重な参考値です。

実際にこの量を与えて毎年満足な結果を得ているとの報告まあります。



施肥の目安として、1月から2月に完熟堆肥に鶏糞を混ぜ、少量の過燐酸石灰(100〜200g)と硫酸カリ(100〜200g)を加えて株周りに穴を掘って埋め込みます。


追肥は、5月と8月に鶏糞(200〜300g)に油かす(100〜200g)を混ぜ、少量の化成肥料を加えばら撒きし軽く土をかけます。

追肥ては、植物の生長に応じて与える肥料で、速攻性の化学肥料が主体となります。

与え方は株元にばら撒くか、水に薄めて液肥としたものを施します。

庭植えの場合、元肥をしっかり行っていれば追肥はそれ程重要ではないでしょう。

鉢植えの場合は鉢土に肥料を混ぜないので、生長が始まる3月から秋の開花前まで有機質主体の配合肥料を置き肥とし、化学肥料の液肥と並行して与えます。


せん定  5月花後、夏、秋の花後、12月から1月のせん定

花芽分化期4月上旬〜9月下旬頃
バラは萌芽力が強いので、せん定は楽に行なえます。

古い枝を積極的にせん定すると芽が多くつきます。

夏のせん定    (関東地方以西の場合)

主として四季咲き性が対象で8月から9月までに行います。

涼しい時期になって行くので遅れないように注意しましょう。

生育期なのであまり強く切れませんが、春のせん定と違って切る時期を変えることによって開花時期を調節できます。

秋のせん定と言われることもありますが、この時期はまだ残暑が厳しく、気温は真夏並みです。
秋の花のために行うせん定なので夏のせん定と呼ぶのが妥当でしょう。

冬と違って生育期なので葉が茂って骨格が見えにくいので、樹高を詰めることを先行します。

冬と同様、新しく発生したシュートと春に開花した枝幹ではやり方が異なります。




一季咲きのものは秋には花が咲かないので、細枝や枯れた幹を取り除き透かしてやりますが、冬に切ってしまう古い幹をこの時期にもとから取り除き、密度を避けてやれば病害虫の発生を軽減できます。

新しいシュート

シュート·ピンチとは、新しく伸びた枝(シュート)の先端につぼみが見えた頃、指で先端を摘み取ってシュートの生長を止めて充実を図ることです。

例外的につるバラでも、シュートが太くなり過ぎるのを防ぐために行うことがあります。

ピンチ処理をして枝分かれをさせたシュートでは、分かれた枝2本とも分かれた部分から葉を3〜4枚残したところで切ります。

ピンチをしなかったシュートはホウキ状に枝が出てしまっているので、下の枝を2本残し、杖の枝を切り取ります。

残した2本は同様に葉を3〜4本つけた長さで切ります。

春に開花した枝幹は2番花をつけた枝を3〜4枚の葉を残して切ります。


なお、この夏のせん定は日本特有の行いで、緯度が高く冷涼な気候の欧米では咲き柄摘みか軽い枝の整理にとどめているようです。


冬のせん定 12月から3月上旬     (関東地方以西の場合)

バラが活動を停止している休眠期なので一年に一回、強くせん定出来る時期です。

全てのタイプのバラについて密度、高さともバッサリと調整する。

時期の幅は広く、春の開花時期も変わりません。

バラの芽は2月中旬頃になると膨らんできますが、膨らんでこないと芽が見にくいので、2月下旬から3月上旬がせん定の適期です。

本質的には気温の低い休眠期に春の花ために行うものなので、冬のせん定と呼ぶのが妥当でしょう。


枝を切る位置は残す芽のすぐ上で切り(5〜10㍉)芽のない部分をなるべく短くします。

長いと見苦しいうえに先端から枯れ込んでくるからです。

太いシュートや幹も同様で、枝が出たところより上に不要な部分があったら、せん定の際に切りと取ります。

切り口は斜めに切るのではなく枝に対して直角になるように切るべです。

枯れた幹、弱った幹、古い幹を元から切り取ります。
残すべきシュートの数を制限します。

シュートの数が多過ぎると混み合うばかりで、しっかり花をつけることができなくなるので株の勢いや大きさに応じて、3〜4本、5〜6本を残すようにします。


その際には、元気のあるよい枝、若い枝を選んで残します。
尚、ミニチュアなどは多めに枝を残します。

更に昨年開花した幹で同じ場所から2本以上の枝が出ている場合は、枝の勢いや向きを考えて一本を残し、あとは切り取ります。

昨年新しいシュートが出なかった株はやむを得ないので古い幹を残しますが、古くなったものは数が減っても切ることになります。



つるバラの冬せん定、誘引

つるバラは原則的には今までの誘引をすべて取り外し、一からやり直します。

この作業をしないと頂芽優勢で上部だけが繁茂し、風で倒れやすくなるばかりか、新しいシュートが出にくくなります。

なお、バラの本にはつるバラはせん定、誘引は年末までに済ませる。

遅くなると幹が裂けやすく、膨らみかけた芽を欠きやすいと書いてあるものが多いが、避けやすいのはバラの品種の特徴であり、早めにやっても裂ける品種は裂ける傾向があります。

芽が欠けても替わりの芽が伸びてくるので、花数が特別減ることはありません。

遅くなっても3月上旬までに行えばよく、また一からやり直す事は必要です。

古い幹から(シュロ縄で結束)誘引していき、誘引する時には少なくとも45度以下に寝かせた角度でないと、頂芽優勢で先端の芽だけが伸長して花数がぐっと減ることになります。

幹の間隔は20cmはあけ、幹は誘引しながら先端を30cmほどカットします。

古い幹を利用するする時は開花枝を2〜3芽残して切り詰めます。

細枝を下部に配置すると開花時に、下から上まで花で覆うことができるでしょう。


一季咲きの品種は春まで花が咲かないので、新しいシュートが発生した数に応じて古い幹元から取り除いて、茂りすぎないようにすれば、病害虫の発生も軽減できることにもなるでしょう。


新しいシュートの生育具合を見ながら随時行いますが、新しいシュートは寝かせる側枝が多数発生し、また途中で折れないように随時長い支柱に数本ずつまとめて軽く結束します。


バラ特有の土壌と肥料について

田土の深土をベースに関東地方の場合は、これに山土か赤土を2割加え牛糞を多く鶏ふん、米ぬか、もみ殻くん炭、堆肥または腐葉土を交互に土に混ぜ、積み重ねて1年以上かけて作るバラ特有の土壌。

苗の植え付けの時に化成肥料を加えて使用するのが理想的で、鉢植えの場合にも利用できる。

植え付けの時期

11月から12月と2月から3月はじめまでで、寒い地方では春に行います。




バラの薬剤散布

治療と予防
バラは病害虫が多いので、定期的に薬剤を散布し予防します。

春から秋にかけては1ヶ月に1〜2回殺虫剤、殺菌剤を散布します。

✫殺虫剤=スミチオン、オルトラン水和剤など
✫殺菌剤=サプロール乳剤、ベンレート水和剤など

冬期の12月から2月頃に冬期使用限定の石灰硫黄合剤を月に2〜3回散布。

✿ポイント

定期的に薬剤を散布する事が必要であるので、薬剤散布の年間スケジュールを立てて計画的に防除!


✣病気
黒星病、うどん粉病にはサプロール乳剤の散布
この薬剤は葉やはなを汚さない。

✻灰色かび病
ツボミや花に発生
早めにベンレート1000倍液を月に2回程度散布。


害虫

✣バラクキバチ
5月から6月頃、成虫が新梢部に産卵するために傷をつける。

このため、新梢部は急に萎れやがて傷口の部分で折れてしまう。
被害を受けた部分は除去して処分する。

✫マメコガネ
バラの花はよく被害にあう。
見つけ次第捕殺、大量に発生した時はデナポン、ディプテレックスを散布。

✻チョウレンジ
ハチ類の幼虫
夏から秋にかけて多く発生する。
種類により発生回数が多少異なる。

✫対策
捕殺する。
アセフェート、マラソンや殺虫用のスプレーなど、なるべぬ早い時期に見つけて、駆除することが一番の予防。


✣ゴマダラカミキリムシ
捕殺する。
サッチューコートS(樹幹散布剤)などを塗布して防ぎます。

✫クロケシツブチョッキリ
発生時期は毎年同じ頃、4月から7月頃まで発生する。

新梢に傷をつけて産卵するために、新梢が萎れて数日後には褐色に変わり枯れる。

成虫を探して捕殺できるが素早く落下して逃げたりする。
発生が多い時には薬剤散布する。

被害が毎年出る時は予防殺虫剤を散布する。

スミチオン、ディプテレックス、オルトラン、他

バラの新規情報

室内にある鉢植えのバラに、根元から上向きに光を当てることで花が長持ちし、バラが美しく保てることが判明した。

下葉の葉は、上から照明を当てる時以上に活性化する事も分かった。

この事を利用して、鉢植えの花を照らし、リハビリ施設や病院などで人々の心を明るく、癒やすことが出来るのではないかと考えられます。



✿バラ関連記事
#バラ

◆根頭癌腫病についての記載はNo,524
「根頭癌腫病について」を参照









2021/05/23

薬剤と効果のいろいろ No,474

 様々な薬剤とその効果




1,サンケイオーソサイド水和剤80

芝生や球根の消毒、苗立枯病などに使用する。

2,サンボルドー

斑点細菌病、べと病に使用する。

3,STダコニール1000

優れた効き目の総合殺菌剤。

4,サンケイエムダイファー水和剤

草花や果樹の病気に使用する。

5,ベニカXガード粒剤

家庭園芸初の粒タイプの殺虫殺菌粒剤
病気に抵抗する強さを引き出し、植物を丈夫にする。

6,ベニカXファインエアゾール

バラの害虫と病気に使用
害虫には速効と持続、病気に浸透して予防

7,ベニカXファインスプレー

殺虫、抑制効果ロングタイプ30日アブラムシ
一ヶ月効果が続く。

8,家庭園芸用レンテミン液剤

天然成分のシイタケエキスを使用したウイルス予防薬。

9,石原フロンサイド粉剤

広い範囲の病害に優れた予防効果
土の殺菌、消毒に使用する。


治療薬、オーガニック栽培で使える薬品

病気を治療する薬剤

1,アーリーセーフ

野菜のハダニ、病気に使用する。

2,カリグリーン

すべての野菜、ハーブ、花のさび病、葉かび病に使用する。

3,ベニカマイルドスプレー1000ml

新トリガー採用で無視にしっかり付着
食品成分の殺虫殺菌剤


予防治療薬

予防と治療をする薬剤

1,GFオルトランC

広範囲の害虫と病気に使用する。

2,GFベンレート水和剤

花、樹木と野菜、果樹の病気に使用する。

3,GFモストップジンRスプレー

草花、観葉植物のアブラムシ、ハダニ退治に使用する。

4,GFワイドヒッター顆粒水和剤

野菜のべと病、疫病に使用する。
予防と治療

5,STサプロール乳剤

黒星病、うどん粉病、バラ栽培などに使用する。

6,トップジンMペースト

せん定時の切り口癒合促進に使用する。
(切り口保護剤)

7,パンチョTF顆粒水和剤

野菜のうどん粉病に使用する。

8,ベニカXスプレー

虫、病気に使用する。

9,ベニカXネクストスプレー

世界初の5種類の成分を配合した、殺虫殺菌スプレー剤。

10,ベニカX乳剤

虫、病気に使用する。

11,ベニカグリーンVスプレー

野菜の収穫前日まで使える殺菌剤
(トマト、キュウリ、ナス、イチゴ)

12,ベニカベジフルVスプレー1000ml

野菜と果樹の害虫の発生を長く抑える。
病気の予防と治療に使用する。

13,マイローズ殺菌スプレー

バラのうどん粉病と黒星病(黒点病)に使用する。予防と治療。

14,モスピラン、トップジンMスプレー

野菜、花の虫、病気に使用する。


15,兼商モレスタン水和剤

庭木、花のうどん粉病に使用する。

16,家庭園芸用トップジンMゾル

花と野菜の病気に使用する。






2021/05/22

スギ花粉症対策による無花粉スギについて No,473

 花粉の出ない無花粉スギ

スギ花粉症は昭和38年(1963年)日光市で初めて報告され、全国的に増加しました。

平成25年には国民の4分の1は花粉症といわれ
ました。

花粉症の増加の原因は、食生活の欧米化や抗菌ブームで日本人の身体の免疫力や抵抗力が弱まっているからという説もありますが、自然環境の変化も大きな要因のようである。


どこから飛んでくるスギ花粉

スギは風媒花(ふうばいか)といって、花粉を風で飛ばして受粉するので、スギなどがほとんどない市街地でも花粉が飛んでいきます。

スギ花粉は非常に小さくてとても軽く、200km以上飛んでいくこともあります。


つまり、スギ林の花粉が遠く離れた市街地まで信じられない距離を飛んできているのです。


スギは木材としても優れ、生長も速いことから戦後の昭和20〜40年代に建築木材資源確保のため、全国各地に植樹されました。

その結果、国の総森林面積の18%以上を占めるようになりました。

その面積の分だけ、これまで自生していた自然樹林を伐採した事でもある。

人間の為だけに自然を壊したという事に尽きると思う。

その中で、安価な外国産木材が輸入され、国産木材の利用が激減し、伐採して活用されることも植栽地が手入れされることもなく、どんどん生長したスギは花粉をつけるまで大きく育って行った事で、スギの花粉が大量に風に乗って市街地に運ばれその結果、花粉症になる人が増える事に繋がったのです。


その後、花粉症は大きな社会問題になりました。

東京都では対策本部を設置し、花粉の少ない森づくりを推進していますが、一度に伐採してしまうには人材や資金が不足している事や、土壌を保持していたスギの根が無くなることで、土砂崩れが起こる危険度が増す可能性があり、簡単に解決できる問題ではありません。


花粉の出ないスギを作る研究開発

1992年に富山県農林水産総合技術センター森林研究所で、✣雄性不稔の無花粉スギが見つかりました。

✣雄性不稔(ゆうせいふねん)とは、雄性器官に異常があり、正常に花粉形成ができない性質の植物のこと。

この無花粉スギを見つけられる確率は5千本に一本と言われています。

見つかったスギをもとに無花粉スギの品種開発が進んでいきます。

2004年には、神奈川県自然環境保全センターでも無花粉スギが見つかり、苗生生産を進めて2008年から出荷を開始し、年間千本ほど生産して各地へ供給し、2019年には約1212万本に増加させており、全スギ苗木生産量に占める割合は約5割となっている。

2032年までに全スギ苗木生産量に占める割合を約7割とする事を目指しています。

福井県総合グリーンセンターの林業試験部でも、無花粉スギの開発が発表され、2023年には千本程の苗木を生産できる見込みであるとしている。

また、2029年度までに2万5千本分の苗が生産できるよう、種子を供給する計画である。

無花粉スギは福井県を含め計11県で開発され、この内3県で苗木を出荷している。



「花粉が少ないスギ苗木の生産量等の推移」


各地で少花粉、無花粉のスギ品種開発が進み、今までの花粉が出るスギを伐採して代わりに少花粉、無花粉のスギを植樹して少しずつ置き換えている。

伐採されたこれまでの花粉スギは木材として活用されている。

土砂崩れの危険がある為、一度に切って植え直すことができないので置き換えは少しずつ行うことしかできない。

根を張るまでに土砂崩れが起きることもありうる。

大都市周辺のスギ林の全てが少花粉、無花粉品種に置き換わるにはまだまだ先の事だろう。

林業の人手不足も深刻な状況である。

林業従事者の減少、高齢化などにより手入れが十分に行われていないスギ林も多くある。


公益社団法人、国土緑化推進機構では「緑の募金」を募っています。


「緑の募金」とは、身近な地域や国内外の森づくりなど、様々な「森づくり、人づくり」活動の活性化に活かされます。


✣寄付先=公益社団法人国土緑化推進機構

寄付の方法=街頭、コンビニエンスストアなどの募金箱、振込用紙、インターネット、直接持参、協賛商品の購入

〒102-0093
東京都千代田区平河町2-7-4
砂防会館別館(B棟5階)

☏0120-110-381/03-3262-8457
FAX=03-3264-3974

http://www.green.or.jp/bokin/


✻後書き
現在進行系で進められているスギ花粉飛散での、無花粉スギの開発であるが、全国各地のスギ林の置き換えが全く問題がないと言う事にはなりません。

土砂崩れ、山崩れなどの問題がないような平野部での無花粉スギへの変更はよいとしても、山間地での置き換えは問題があると思います。

この問題に反対をしている人々も多いのではないだろうか!

単に、木材資源の確保のためや花粉症対策と言う問題の上では置き換えする事が良いとなるでしょう。

しかし、生きているのは人間だけではありません。
自然界に生きる動物たちや野生植物は無視されたと思います。

人里に熊などが出没するようになったのは、そもそも人間が動物たちの生活環境を壊した事が原因であるのだと思います。

もともと自生していた自然樹林を伐採し、動物たちの食生活を壊し、奪ってしまったのは紛れもない、人間ではないだろうか!

スギを植樹し自然を壊したのは人間、それが事実ではないだろうか!

本来ならもとの自然に戻して行くことが、一番のはずでなければならないのです。

この問題はとても重要で深く考える必要があります。

その中で、自然を守る運動、活動など重要である事は云うまでもありません。










2021/05/21

知っておきたい肥料の知識 ⑶ No,472

 元肥に適する肥料の種類と使い方


有機質肥料とは

動植物由来の有機質肥料は、油かす、骨粉、発酵鶏糞などがあります。


油かすとは

植物の種子や米ぬかから油を搾った後の「かす」の総称です。

主に菜種油かすが最もよく使われています。

油かすの多くはおよそチッ素5.6%、リン酸2
%、カリ1%程度含み、古くから肥料として利用されてきました。

また、肥料としての働きだけでなく、土壌の硬さや耕しやすさ、水はけや保水の程度、土の重さ、空気の通り易さ(物理性)などを改善したり、土壌微生物を増やす効果もあります。


骨粉とは

牛や豚などの動物の骨を砕いて加圧、高温蒸製した蒸製骨粉や、ゼラチン質を取り除いた脱膠(だっこう)骨粉などで、リン酸を多く含み肥料の効き方は、緩効的で残効も長く優れたリン酸肥料として使われてきたが、2000年初頭にBSE問題が発生してからは、流通量が激減し高価になったためあまり使われなくなった。

BSE問題とは、BSEプリオンと呼ばれる病原体に牛が感染し死亡する病気の一つ。

脱膠骨粉はリン酸を30%以上含んでいて、チッ素は1〜2%しか含んでいない。


発酵鶏糞とは

牛糞や豚糞に比べて、チッ素もリン酸もカリも多く含み、肥料の効果も高い有機質肥料です。

遅くまで肥料切れせず、石灰、苦土、微量要素などを含みます。

堆肥には養分供給の効果もありますが、それ以上に土中生物のバランスを整え、土壌を柔らかくし、地力の維持と保水性の良い土壌へと改良する効果があります。

元肥を施す際に一緒に入れると効果的です。

有機質肥料は使い方によって養分供給効果に大きな差が出ます。

土中に深く入れるほど、有機質の分解はゆっくりになり、土壌の表面か表面近くに有機質を使用すると、分解が早く現れ効果は短めになります。

そのため、有機質肥料を元肥として使用する場合は、土壌全体に混合するか、深い場所に埋め、追肥として用いる場合は土壌の表面に使います。


緩効性肥料とは

効果がゆっくり穏やかに長続きするように、水に溶けにくい成分を用いたり、肥料の粒をコーティングして少しずつ溶け出すように調整された化学肥料で「IB肥料」「CDU肥料」「被覆肥料」などとも表記されています。


肥料の効果がすぐに現れないため、緩効性肥料に速効性の肥料を加えた緩効性複合肥料も製造されている。

大粒、中粒、小粒に分かれている種類の肥料もありますが、肥料の粒が小さいほど効果が早く持続期間は短くなり、粒が大きいほど緩効性になり効果が長続きします。


緩効性肥料は、生育期間の長い植物の栽培に適します。

生育に必要な量を元肥に全量施し、追肥なしで栽培することも可能になります。