バラ 6月の手入れ
6月は梅雨入りの時期です。
地域によっては5月中に梅雨入りする所もあるでしょう。
咲き終えたバラも多くなって淋しくなりますが、品種によっては花を咲かせ始める種もあります。
⑴咲き柄摘み
咲いた分だけ咲き柄を摘みますがヒップ(果実)をつけると、四季咲きのバラは途端に生育が鈍り、花をつけなくなるのでこまめに摘み取りましょう。
一季咲きのつるバラの場合は、逆にヒップをつけさせて茂り過ぎや伸びを抑制します。
⑵シュートの処理
開花が終わる頃にはシュートの発生が本格化してきます。
株元から伸びた若枝を「ベルサルシュート」枝の途中から伸びた若枝を「サイドシュート」と呼びます。
シュートを見つけたらピンチ(芯止め)します。
ピンチ後に出た枝につく花は咲かせても構いません。
つるバラのシュートは太過ぎると誘引がしにくくなるので、1㍍くらいの所でピンチし、そこから2本に枝分かれさせると扱いやすくなります。
また、かなり伸びたら支柱やフェンスに数本ずつ軽く結束します。
成長期のバラは根からどんどん養分や水を吸い上げ、枝先へと送っていきます。
花柄摘みをする事で、養分や水分の行き場を求めて伸びてくるのがシュートです。
シュートは株を大きくし、花数を増やすためには大切な枝ですが、養分や水分がシュートに集中するため、他の枝の生育を抑えてしまいます。
その結果、芽吹きや樹形が乱れて枯れてしまう場合もあるので、株全体のバランスを考え、花後の切り戻しは少し深めに樹形が整う様にせん定することが重要です。
そうする事で、すべての枝の勢いも平均化されて養分が行き渡り、日光も全体に当たるようになり、花芽も多くつき樹形も良くなります。
シュラブのシュートはホウキ状に咲かせても良いでしょう。
シュラブはブッシュとクライマーの中間的なもので、やや高性になるものや半つる性になるものです。
花が終わったら、下の枝2本を残して、上を切り取ります。
⑶病害虫の防除
うどん粉病の発生が盛んになり、黒星病(黒点病)も出始めます。
早い所ではすでに病気が発生しています。
黒星病(黒点病)
見つけ次第サプロールなどEBI剤を散布して広がるのを阻止します。
病気発生時期に複数の殺菌剤、できれば3種類以上を取り揃えて、症状の発生前から計画的に散布します。
地面に近い下葉の辺りから発生する事が多いが、つるバラなどでは高い部分でも発生が見られる。
雨の跳ね返りで、土中のカビの仲間の胞子がつくことで発生する。
株元にマルチングすることで予防すると効果的です。
主な薬剤はトップジンMゾル、サプロール、ダコニールなど
その他に、バラのうどん粉病と黒星病の予防と治療に、マイローズ殺菌スプレーやバラの害虫と病気に使用するベニカXファインエアゾールなどもある。
また、ハダニの発生が日増しに激しくなるので、定期散布に殺ダニ剤を追加して常用します。
雨が多い時期での薬剤散布は悩むところです。
この時期は雨の合間に散布することが多くなりますが、散布した薬液が乾いていれば雨が降っても大丈夫です。
雨の後でも葉面が乾けば散布しても大丈夫です。
雨で伝播する黒点病には雨の前後の散布は効果的です。
下旬頃にはカミキリムシが飛来して産卵を始めるので、モスピランなどのネオニコチノイド系かスプラサイドなどの、成虫に効果のある殺虫剤に切り替えます。
⑷新苗の植え付け
植え付けはできるだけ上旬には終えるようにしましょう。
4月に植えた新苗はかなり育ってきているので、鉢裏から白根が見えたら鉢を2サイズ大きなものに替えます。
⑸施肥
花後のお礼肥(追肥)として、化成肥料を一株当たり50g程度与えることもありますが、必ず与えなければならないものではありません。
樹勢を見ながら与えるとよいでしょう。
鉢植えのものには、これまで通り置き肥と液肥を続けます。
⑹水やり
この時期、鉢植えは株が茂っているので雨が降っても、葉を伝わって外に流れてしまい鉢の中に水が入りません。
雨が降ったとしても油断していると、晴れてからぐったりしているのを見て、慌てて水やりをする事になります。
雨が降った日でもその日だけ水やりは、お休み程度に考えましょう。
⑺除草
雑草もどんどん増えていくので早めに除草します。
病害虫の防除のためにも株元をきれいにしましょう。
⑻梅雨明け後
梅雨が明けたら夏に負けない栽培法に切り替えます。
寄植え鉢や2重鉢、庭植えの場合は周囲の植栽を工夫して夏バテから守りましょう。
多肥性の植物が近くにある場合、バラの肥料を横取りされる場合もあるので注意しましょう。