緑のお医者の徒然植物記

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2021/05/28

スイートピー No,479

 スイートピー マメ科ツル性植物

別名=ジャコウレンリソウ、ジャコウエンドウ
英名で香り良いえんどう豆の意味
花言葉=優しい思い出

原産地=地中海沿岸

もともと地中海沿岸の雑草だったのだから、イギリス、エドワード王朝の花とも言われる花である。

ツル性で2㍍ほどまで伸びる。
鉢植えでも地植えでもつるを伸ばして楽しむことができる。

夏咲き種と春咲き種があり、夏咲きは6月、春咲きは4月から5月が開花期です。

花は蝶形花で赤、ピンク、紫、白など豊富にあり香りがします。

ツルを活かしてフェンスなどの近くに植えると、ツルがどんどん巻き付いて広がります。

プランターでも支柱を立てると良いでしょう。
また、草丈が30cmほどの改良種もある。




生育環境

日当たりの良い場所を好みます。

土壌は中性が適し、酸性の土には苦土石灰で中和する必要があります。

水はけのよい弱アルカリ性の土が適しています。
発芽した数が多い時は2、3本づつ残して間引きます。

真冬はワラなどで霜よけをします。

支柱を3月頃に立て、ツルヒゲが巻き付くようにします。

肥料、施肥

元肥として、堆肥に有機肥料と骨粉、カリウムを加え土とよく混ぜます。

根がデリケートなので、苗が小さいうちにチッ素分の少ない元肥を与えて植え付けます。

追肥として3月に化成肥料を与えます。

生育中は月に1〜2回液肥を与え、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、特に初夏の開花期には多めに与えるようにします。

殖やし方

種まき
スイートピーは直まきで育てます。

播種は10月下旬から11月に行います。
種は一晩水につけておき吸水して、膨らむものと吸水しないものがあるので、吸水して膨らんだものだけを蒔くようにする。

病気

葉が下から黄変し、枯死する萎(い)ちょう病が発生する。

土壌伝染性の病気で、葉や茎が翌年の発生源になります。

被害株はすぐに取り除いて処分します。

病気が発生した場所での翌年の栽培は避けましょう。

害虫

アブラムシ、ヨトウムシ、ハモグリバエ、タネバエが発生します。

①アブラムシは薬剤に弱いので、薬剤を散布して駆除します。

殆どの殺虫剤が効きます。

②ヨトウムシは昼間には土中に隠れていて、夜になると地上に出て葉を食害します。

夜になると被害を起こすことから「夜盗虫」と呼ばれる。

若齢幼虫のうちは、昼間も葉の裏にいて土の中に隠れるのは成長してからです。

いくつかの種類がいますが、特に野菜類の害虫として知られている。

若齢幼虫には薬剤がよく効くので、オルトラン、DDVPなどを散布します。

幼虫が大きくなってしまうと薬剤は効きにくくなります。

しかし、被害に気付くのは幼虫が大きくなってからのことが多いので、株元を探して捕殺します。

雑草地で育ち、被害をもたらす場合があるので、近くに雑草地がある時は雑草を除去することが予防に繋がります。


③ハモグリバエは小さな幼虫が葉に潜り込み、葉の中を食害しながら移動します。

そのため、葉には蛇行状や円形の白い跡ができます。
この様子から「絵描き虫」とも呼ばれます。

主に4月頃発生し、10月頃まで被害が続きます。

発生初期であれば葉の中に幼虫がいるのでそのまま捕殺しますが、大きくなると薬剤はあまり効果がありません。

アセフェート、エルサン、ディプテレックスなどを散布すると多少効果があります。

4月に成虫が葉に卵を産み付ける前に予防殺虫剤を散布しておきます。

④タネバエは幼虫ウジムシがタネや幼植物の茎に食入します。

枯れた苗の茎の中にはウジムシがいます。

この虫の被害の場合は、いつまでも芽が出ないタネを掘り返すとウジムシが見つかります。

成虫は3月から5月と9月から10月に多く発生し、タネの近くの地面に卵を産み付けます。

被害が出てからでは遅過ぎて、適当な駆除方法がありません。

成虫であるハエは堆肥や鶏糞などを好んで集まるので、有機肥料の使い過ぎに注意しましょう。

特に大粒のタネは被害が多いので用心です。

スイートピーの香り

日本でのスイートピーの切り花栽培は大正時代(神奈川県)に始まって以来、今日まで全国各地に広がりました。

品種改良も盛んに行われ花色、花型も豊富です。

原種系のスイートピーには芳香成分がバランスよく含まれていて、全体を通して質の高い香りを持っていることが分かっています。

マメ科の特徴である蝶のような花の形と、ジャコウに似た強めの甘い良い香りがすることから、ジャコウエンドウなどの別名がある。

スイートピーを原料とした香水など商品化されたものも多い。






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