バンジロウ フトモモ科
別名=グアバ 熱帯性常緑樹
原産地=カリブ海諸島を含む熱帯アメリカ
日本では沖縄、小笠原、九州南部まで露地栽培ができるが、それ以外の地域では冬期の寒さを考え温室栽培が必要です。
果実は生食のほか、ジュースとしても有名で、ジャムなどにも加工されています。
また、樹皮は薬用、葉は茶の代用にされます。
開花は気温など条件が整えば周年開花します。
花には芳香があります。
果実は栽培品種によって大きさはまちまちで、果実の重さにも幅があります。
生育環境
冬の最低気温が5〜6℃以上で、実の付き方は前年枝から出た新梢の基部の、2〜5節の葉の元に花芽がつき実がなります。
花は5月から6月に咲き、レモン型の小果が8月から10月に結実する。
熱帯や亜熱帯地方の植物なので、極端な低温を嫌います。
よって、冬期は温度管理に注意して生育する必要があります。
目安として気温が10℃以下になると、木や果実の成長が停止したり実が落果します。
また、代表品種のキミノバンジロウやテリハノバンジロウ(ストロベリーグァバ)
は、やや耐寒性が強く、一時的には5℃から7℃まで耐えることがありますが、この場合は霜に当てないようにする事が必要です。
植え付け
植え付け時期は、3月中旬から4月が良いのでこの時期に行います。
有機質を多めにすき込み、土中の温度を高めにして根の張りを良くします。
庭植えとしては、日当たりと排水の良い土質ならよく生育も早く若い枝をどんどん伸ばし、自然形が盃状に仕立てます。
せん定
植え付けて一年目の背丈は50cmぐらいで切ります。
2年目の冬には、伸びた新梢を3分の1ぐらい切り詰めます。
3年目の冬には、枝を三方に分けて盃状にし、新しい枝は柔らかいので支柱に結びます。
4年目の冬は、大体の樹形を整え、長く伸び過ぎた枝を切り詰めます。
結果母枝を多くつけるようにし、樹高は2.5㍍ぐらいで芯止めします。
バンジロウの花は主に、新梢に着果します。
この新梢を多く発生させる事が多くの花を咲かせ、実をたくさんつけさせることになります。
肥料、施肥
収穫後に有機質を主体として油かす、骨粉などにリン酸カリ分の多い肥料を少量混ぜ、株周りに穴を掘り埋め込みます。
追肥(4月)は化成肥料をばら撒くか、油かすを株元に埋め込みます。
成木の施肥量目安とし、堆肥2〜3kg、油かす1kg、骨粉300g、化成肥料200g以内とします。
殖やし方
とり木、さし木、接ぎ木のいずれかの方法で行います。
グァバの利用の仕方
グァバの実は、卵形、球形、西洋ナシ形など色々ありますが、いずれも完熟すると黄色になります。
グァバの成分にはビタミンCやペクチンが多く、生食、ジュース、ゼリーの原料として利用され、また葉はグァバ茶として利用され、高血圧患者の血糖値を低下させる効果があります。
日本では、沖縄や奄美大島を中心に在来種があり、ハワイ系統や台湾系統の品種も導入されています。
ハワイ系統の品種には、ビタミンCの含有が特に豊富ですが、酸味が強いためジュース用に加工されることが多いようです。
また台湾系の品種は、酸味が少ないので生で食べるのに向いています。
栄養豊富なフルーツですので、温度管理に注意しながら植栽しましょう。