緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2024/06/03

じゃがいも栽培 No,691

 じゃがいも

ナス科ナス属多年草植物
別名=馬鈴薯

南アメリカのアンデス山脈原産

世界中で栽培されている。

地下茎が肥大し、芋の一種として食用される。

デンプンが多く蓄えられることから、デンプン原料としても需要があります。

保存ができる野菜として扱われるが、主食にもなり得る重要な食物です。

また、ビタミンCやカリウムなどの豊富な栄養を含む特徴があります。

芋から発芽した芽や光に当たって緑色になった皮などに、有害物質を含む毒性がある。

じゃがいもの歴史は、紀元前三千年頃に南米ペルーからチリにかけての地域で栽培が始まったとされています。

涼しい気候に適していることや、収穫量が多く、栄養価も高いということから、インカ文明につながるいくつかの文明の食生活を支えていた。

日本へは17世紀の初頭にインドネシアのジャカルタから渡来したとされ、ジャカルタから来たいも=ジャガタライモがなまって「ジャガイモ」になったと言われています。

長崎物語の歌詞の中にジャガタラお春と言う一節がある。

意味も分らず、幼少期によく口ずさんだものだ。

赤い花なら曼珠紗華(まんじゅしゃげ)

阿蘭陀(オランダ)屋敷に雨が降る🎶

濡れて泣いてるじゃがたらお春

未練な出船の

あゝ鐘がなる

ララ鐘がなる

??意味不明じゃ〜がたらお春?

その後、江戸時代に起きた飢饉のたびに、飢えを凌ぐための作物として広がったとされる。


「4月27日撮影」

早い地域では3月中に植え付けるところもありますが、植え付けは4月はじめにしました。

気温が低い状態が続いたので、植え付け後マルチを張りました。


     「5月8日撮影」


植え付け時期によっては、地温の安定などのため、マルチ栽培

花が咲き始める頃までマルチの状態で育てます。


     「6月3日撮影」


花も咲き始めたのでマルチを外して土寄せ作業

マルチのままだと高温多湿によって、じゃがいもが腐敗してしまう。

土寄せするのは地下茎がじゃがいもになるようにするために重要な作業。

土寄せをしないと、本来じゃがいもになるはずの地下茎が新たな芽として地上に伸びてくる。

また、じゃがいもの露出を避けるために必要です。

今の状態では、早ければ6月末までに収穫できるかと思います。




じゃがいもの収穫日数は一般に早生品種は長く、男爵いもで90〜100日ほど、メークインなどは60日程度と品種によってかなり違う。

花が咲き終わって葉が黄ばみ、茎がダラリとしてきたら収穫の目安。

植え付けから3〜4ヶ月で収穫

収穫の時期になったらまず、株元から離れた場所を優しく丁寧に掘って芋の状態を確認するための、試し掘りで生育状況を確認します。

芋がまだ小さいと言う場合は、そのまま埋め戻してしばらく待ってから収穫します。


     「7月5日収穫」

ある日突然株が萎れて倒れる!
❉要注意害虫
ネキリムシによる被害

ネキリムシは昼間、株元の土中に潜んで夜間になると活動し、若い株元の茎を食害する。

かじられた株はやがて萎れて倒れてしまう。



「株元が食害されたジャガイモの茎」


ネキリムシが成長するとジャガイモを食害し、ジャガイモの中に穿孔することもあるので、厄介な害虫である。

植え付け前に薬剤を混ぜておくことが予防になる。

被害が見られる場合は、作物の株元にまくだけで有効成分を摂食させて殺虫する薬剤を使用する。

薬剤として、ネキリベイト、ネキリエースK、デナポン、アクセルベイトなどがある。


発生期は4月〜6月、9月〜11月頃

寒さにも強い害虫とされる。








2024/05/11

春の花だより(2) No,690

 花々

ハクチョウゲ(白丁花)



アマリリス



ハコネウツギ(箱根空木)



キリシマツツジ










春の花だより(1) No,689

 花々


アンネのバラ






✪義兄、形見のバラ




     「アンネのバラ」







2024/04/23

杉の大杉 No,688

日本の杉

日本の杉はヒノキ科スギ亜科スギ属に分類される常緑針葉樹

学名を「クリプトメリア ヤポニカ」といいますが、直訳すると「隠された日本の宝」と言う意味です。

杉は、日本のみに生育している固有種とされる。

秋田、富山、三重、京都、奈良、高知の6府県で県木に指定されています。

杉の大杉

日本一の大杉として有名な「杉の大杉」は神話の時代に、須佐之男命(すさのおのみこと)により植えられたと伝えられている、推定樹齢三千年の巨木です。

1924年に国の天然記念物に指定され、その後1952年(昭和27年)に国の特別天然記念物に指定されました。




❉所在地
高知県長岡郡大豊町杉794
八坂神社境内

美空ひばりと大杉

9歳だった当時(1947年4月)の美空ひばりは、公園旅行中に交通事故に遭って大豊町で療養していました。

その時、八坂神社へ参拝した美空ひばりさんは「日本一の歌手にしてください」と願いをかけたところ、日本一の歌手になれたという逸話は有名で、その事から「出世杉」の異名もある。

この大杉はそれぞれ南大杉、北大杉と呼ばれる二株の杉からなっていて、ニ株が根元で合着していることから、別名夫婦杉とも呼ばれています。

八坂神社へ訪れた時には、三千年に及ぶ太古からの歴史の鼓動を、聴いてみてはいかがだろうか。

❉杉の関連プログ
阿弥陀杉(あみだすぎ)No,350
スギNo,450
羽黒山の爺杉No,532
尾八重の一本杉No,564
巨樹の村の八村杉No,567








2024/04/20

ナガミヒナゲシ No.687

 ナガミヒナゲシ

ケシ科 一年草又は越年生植物

越年生植物(えつねんせいしょくぶつ)とは

一年生植物のうち、秋に初芽して冬を越し、翌春に開花、結実して枯死する草本植物のことで、大麦、ダイコン、アブラナなどが知られる。

見た目はかわいい花と思える様なナガミヒナゲシですが、他の植物に悪影響を与える植物でもある。

ナガミヒナゲシには「アルカロイド性」の有害物質が含まれていて、害虫や動物から実を守るための植物毒を持っています。

そのため、素手で茎を触ったり、折ったりするとかぶれてしまいます。

葉っぱがヨモギに似ているため、間違って触ってしまう危険性があるので注意が必要です。

繁殖力が強く、他の植物の成長を妨げる成分(アレロパシー)を放出するので、生態系に影響を及ぼす植物とされます。


     「ナガミヒナゲシ」

原産地は地中海地方、沿岸地域の外来種で1961年にはじめて東京都世田谷区で確認されました。

ケシ科の植物と言えば「ヒナゲシ」が知られています。

見た目はヒナゲシによく似ていますが、花や実の大きさが異なります。

ヒナゲシよりも花が小さめで、実が細長い形状をしているのが特徴です。


    「ナガミヒナゲシの花」

     「ヒナゲシの花」

花後は実を付けて種を蓄え、種子は風や車のタイヤに付着するなどして運ばれ、生息範囲を拡大していく。

開花後の未熟な種にも発芽能力があるとされ、結実から5年を経たものでも発芽することができる。

種がこぼれ落ちるのは梅雨期の6月頃

雨で濡れたタイヤや靴底に種が付着し、道路沿いのあちこちに落下し、やがて成長し群生することになる。


❉アルカロイド

アルカロイドは植物中に存在し、窒素を含む塩基性化合物、天然由来の有機化合物の総称、ニコチンやコカイン、カフェインなどのことで、人畜に顕彰な薬理作用を持つものが多い。

一部のアルカロイドには中性や弱酸性を示すものもある。

アルカロイドは炭素、水素、窒素の他、酸素や硫黄、その他稀に塩素、臭素、リンと言った元素を含む。


❉アレロパシー

植物が分泌する化学物質により、他の植物や虫に作用を与える効果のことで、化学物質に頼らない害虫除去や雑草の抑制をするなど、様々な場面で注目されています。

アレロパシーは、オーストリアの植物学者「ハンス•モーリッシュ」によって1937年に提唱された。

日本では、アレロパシーは「他感作用」とも呼ばれる。

この作用の効果は、良い影響、悪い影響のどちらの場合もあります。

ひとつの種類のアレロパシーのみでは効果が弱くても、他の種類の植物のアレロパシーと合わせることにより、効果が発揮される場合もあります。

同じような意味で「フィトンチッド」がありますが、現在ではアレロパシーの方が一般的とされる。

フィトンチッドはロシアの植物、微生物学者の「B.P.トーキン博士」によって、アレロパシーと言う言葉とほぼ同時期に造られたとされる。

フィトン(植物が)チッド(殺す)と言う語源はゾッとする言葉だが、人間にとっては多くの恵みを与えてくれる「森林の精気」と言えるだろう。








2024/04/15

金のなる木 No,686

 カネノナルキ

ベンケイソウ科クラッスラ属
多肉植物
原産地=南アフリカ南西部


正式名は『クラッスラ•ポルツラケア』といい、フチベニベンケイ(縁紅弁慶)と言う和名や花月(かげつ)と言う別名もある。

属名のクラッスラはギリシャ語で「厚い」と言う意味で、厚みのある丸い葉が特徴となっている。



クラッスラ•ポルツラケアが日本に伝わったのは、昭和初期の頃とされ、当時、栽培業者が若葉の枝先に5円硬貨の穴を通してそのまま成長させた姿が、お金がなっているように見えた事から『金のなる木』と呼ばれるようになり、縁起物とされ人気となった。

乾燥や低温などの厳しい環境に適応し、世界中に分布するベンケイソウ科に属する丈夫な植物であるが、高温多湿には弱い。

カネノナルキは「一攫千金、富、幸運を招く、不老長寿」と言う意味を持っています。

小さな株によく花をつける系統と、大株にならないと咲きにくい系統があります。

❄さし木
挿し穂は切り口を乾かしてからさし木する。




さし木後は約1ヶ月水は与えず、しばらくそのまま半日陰で育てます。

花が咲かない原因

①日照不足
②断水
③せん定
④品種と株の大きさ

1年を通して日照時間の確保と、夏場の水やりを控えめにする事が重要です。

この環境下の場合には、葉がシワシワになってしまいますが、花芽に栄養を回し、開花に備えることが出来ます。

水を与えすぎると葉がぷりぷりとみずみずしくなりますが、葉ばかり成長してしまいます。

葉が落ちる原因

根腐れや根詰まりが原因で葉が落ちる場合は、早めに植え替えを行います。

根腐れを起こしていると茎がブニョブニョしてくる。

根詰まりしていると水やりの際、水の吸い込みが悪くなったりするので、状況を見極める必要があります。

根腐れした場合は、出来るだけ古い土を落とします。

腐った根は取り除いてから植え替えを行います。

植え替え後は風通しの良い半日陰の場所に置き、しばらく水は与えずに新芽が確認できたら水やりを与えます。

また、植え替え後の肥料も必要ありません。


   「せん定後植え替えの新芽」


植え替えは3月〜6月/9月から10月の2年から3年に1回を目安に行います。

土の配合例として、赤玉土小粒3割、軽石または日向土(微粒)3割、腐葉土4割