ナス(茄子)
ナス(なすび)はインド東部が原産地とされ、有史以前(人類が文明を持って生活を始める前の時代)から栽培されていたと考えられています。
ナスの収穫時期は6月から10月頃までと長く、実のサイズや花が咲いてから経過した日数によって収穫期も異なる。
一般的なナスであれば、10〜15㌢ほどで収穫され、長ナスは35〜40㌢ほどが収穫の目安とされています。
おおむね、花が咲いてから2週間から25日程度で収穫できるとされ、日当たりの良い場所、日当たりが少ない場所では収穫日数も違ってくる。
植え付け後の水やりは重要、乾燥を防ぐために、朝と夕方ともに一回与える場合もある。
乾燥させないようにするためや葉裏に泥水が跳ね返るのを防ぐため、雑草対策にもマルチングは必要です。
✿定植から十日目
朝、700倍液肥
✿一番果(花)
「7月17日一番果」
植え付け後15日で株の高さは約28㌢、葉幅約16㌢まで成長。
一番果、三番果、たくさん着果した際は、若採りして株の負担を減らす。
そうすることで、その後の生育や着果が良くなり、長く収穫もできる。
また、一番果が約2㌢になれば早めに摘果する。
一番果はナスに1番最初に咲く花(一番花)
で、そこについた実を一番果と呼びます。
株によって開花の早いものと遅いものがあるが、地力や栄養の度合いや、日照量が影響していると思われる。
この一番果は日数が経過しても肥大しにくい。
そのため、肥大しない果実を摘果しないと、二番果以降の収穫が遅れることになる。
早めに一番果を摘果することで収穫の遅れを防ぐことができます。
場合によっては二番、三番果まで摘果することもある。
一番果は小さいものにしかならないと割り切って摘果します。
また、水不足で株全体、実も大きくなれないことがあります。
水不足はよくありません。
とは言え、過湿になることは厳禁です。
適度な水分を保ち、水不足による急激な水分補給による、実割れなどを防ぐためにも水分管理は大切です。
また、次から次に枝を伸ばして花をつけるので、定期的な追肥が必要です。
植え付け後、3週間頃から最初の追肥を行い、その後二週間に一回、化成肥料を与えることが基本的とされています。
✿基本的な追肥例として
1株当たり株元に化成肥料を約20〜30g追肥し、その後は株元から離れた場所に同量の化成肥料を土に混ぜ合わせて、株元へ土寄せします。
個体差がある場合は株の生長に合わせて与える。
また、水代わりに液肥を与えるなど、その時々で追肥
二番果、三番果も植え付け後15日頃には着きはじめる。
植え付け後20日で株の高さも40〜45㌢、葉の幅も約20㌢に生長。
◉ナスに発生する害虫
アブラムシ類、アザミウマ類、ヨトウムシ類、コナジラミ類、テントウムシ類など
特に注意するのがアブラムシで、アブラムシの防除が遅れると、ナスの成長を妨げるだけでなく、病気をもたらす原因となります。
アブラムシの排泄物は糖分を含んでいるため、糖分を餌にするスス病の原因菌が発生する。
季節ごとに植物を移り住む習性があるため、モザイク病などの原因ウイルスを持ち込むことになります。
活発に活動する時期が、ナスの成長期や収穫時期と重なるので注意が必要です。
✿ナスのモザイク病
モザイク病のナスは、株全体が生育不良となり、果実がつかない場合がもあります。
ウイルスが原因で発症する病害で、病葉は黄斑モザイク症状が発生し、光合成を妨げるので、生育不良を引き起こす。
果実が硬くなったり、デコボコができたりします。
モザイク症の発病後は、農薬による防除ができないので、事前の対策が重要となります。
多種類のアブラムシがウイルスを媒介するので、アブラムシ類全般の防除が大切です。
アブラムシ類はキラキラとした光が苦手で、シルバーポリなどを使用したマルチ栽培に飛来抑制効果があるとされている。
また、定植後間もない頃に、寒冷紗などを被せてアブラムシ類を寄せ付けない対策も有効とされます。
その他農薬などの使用。
通常、絵描き虫とも呼ばれるハモグリガの潜入痕跡は、果実に影響は及ぼさないとされる。
見栄えが悪かったり、被害が蔓延することで、葉を取り除いてしまうが、葉がなくなりすぎても株に影響するので、指で摘んで圧殺し葉を残す必要もある。