緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/01/31

庭木、花木 2月から3月庭の管理 No,118

★庭木、花木

サルスベリの剪定
花木の類の多くは、花が咲き終わったすぐ後に剪定をしますが、サルスベリは落葉期に行います。

サルスベリの花は、春から新しく伸びた枝の先端に花芽を作り、そのまま夏に開花します。

放っておいても自然に樹形を整えますが、苗が小さいうちから樹形や枝振りを考えながら不要な枝を切っていきます。

庭が広ければ、湾曲しながら横に広がる自然樹形になるように剪定します。

できるだけ前年に伸びた枝の付け根近くの太い位置で切ると、よい枝が出てよい花を咲かせます。

幹で切っても芽が出るので、花つきが悪くなったら幹の太い位置で切って更新します。

これを毎年繰り返すと切り口がこぶ状になるので、その時は周りの枝を残してコブを切り捨てます。

同時に、ひこばえや胴吹き、細い枝など不要枝も切ります。


     「サルスベリの冬季剪定」


①ひこばえは地際で切る。
②胴吹きは切る。
③徒長枝は付け根から間引き切る。
④前年に伸びた枝を付け根から切る。
⑤前年に伸びた枝の半分くらいで切る。

植え付け、植え替え

落葉広葉樹は移植や植え付けの適期です。

ウメ、サクラ類の苗木のほとんどは、根鉢がない状態で売られています。

植え付ける時は、水鉢を作って十分に水を注ぎ、根と土をよく密着させます。(水ぎめ)

★落葉樹や常緑針葉樹などの大きな木は、来年の移植に備えて根回しをします。

立春を過ぎると、マツ類など常緑針葉樹も移植ができるように、根鉢をつけます。


水やり、肥料

2月になると大気とともに土壌も乾燥しがちです。

特に花が咲き始めた花木は、乾燥が続くとよく咲きません。

庭植えでも鉢植えでも、日中の暖かい時間帯に水をやります。

寒肥は2月上旬頃までに施します。

立春を過ぎて開花を始めたり、花芽が膨らんだ花木には、緩効性肥料を施します。


挿し木、接ぎ木

2月中旬から3月上旬にかけては、アジサイ、ウツギ類、モクレン、ユキヤナギ、レンギョウ、イブキ類、スギ、ナンテンなどの落葉性樹木が挿し木の適期です。

また、3月はウメ、サクラ、サンザシ、ハナミズキ、ライラックなどの落葉樹の接ぎ木が行えます。







2019/01/29

家庭果樹2月から3月の管理 No,117

家庭果樹の管理


2月はほとんどの落葉果樹が休眠期なので、剪定の適した時期です。

具体的には、イチジク、カキ、🥝キウイ、🌰クリ、ザクロ、ジューンベリー、ナシ、ナツメ、🍇ブドウ、🍎リンゴ、キイチゴ類、グミ、スグリ、ブルーベリー、ユスラウメなどです。

また、フェイジョア、グァバなどの常緑果樹も適しています。

★鉢植えを新しく仕立てる作業も3月までが適しています。

見栄えをよくするために、花芽のつき方を考えながら自由にデザインして剪定します。

◆あんどん仕立ては、ツル性果樹に、ほうき仕立ては、枝が細く枝数が多い種類に用いる。

スタンダード仕立ては、洋風の玄関などに適しています。

ツル性の種類では、トレリスなどを使って面白いアレンジができます。

◉イチジクの杯状仕立て

2月から3月はイチジクの剪定時期です。

杯状仕立ては、自然に近い形状で樹勢か強く、収穫量が多いということと、風害、凍害にも強いという長所があります。

主枝は3本にし、60センチほどの長さにきります。

★植え付け一年目は枝先を下ろすように斜めに誘引し、主枝を広げていきます。

★二年目には、1メートルほどの長さに主枝を知り返し、数多く分枝するようにします。

★三年目に全体の形を見ながら、よい杯状に仕上げます。

保護

植物に寒風があたって、枝葉の温度が外の気温より低くなると寒害を受けます。

屋外なら、鉢ごと土に埋めると鉢土が乾燥しにくく、冷たくならないので根が保護されます。

◉ウメの人工受粉

ウメの受粉も2月から3月に行われます。

ウメには同じ品種の花粉では受粉しにくい「白加賀」「豊後」などの品種と、花粉が豊富で自家受粉する「鶯宿」「藤五郎」などがあります。


★花粉を持たないか少ない、または自家受粉しない品種は、他の品種と混植するようにします。

複数植えることができない場合は、鉢植えなどで他品種を栽培し、人工受粉します。


          (ウメの人工受粉)
他の品種の花を直接つけて、雌しべに花粉をつける。

花弁を取り除き、雄しべだけにして受粉するとやりやすい。

◉花粉の多くついた花をとり、短い枝についた花のメシベにオシベの花粉を直接つけます。

ひとつの花で約10個の花に受粉できます。

また、アンズ、モモ、スモモ、花ウメの花粉でも授精できます。







2019/01/28

クリスマスローズ(全般) No,116

クリスマスローズ(キンポウゲ科)

地中海沿岸から中部ヨーロッパが原産。

クリスマスの頃に咲くことから名付けられた名前ですが、日本に出回っているもののほとんどは、同属のレンテンローズと呼ばれる種類とその交配種で、2月から3月に開花します。

欧米では、クリスマスローズと言えばヘレボルス·ニゲルという種類をさしますが、日本ではこの両種を区別せずクリスマスローズと呼んでいます。

寒さに強く雪を持ち上げて咲くことから、別名「雪起こし」と呼ばれています。


(1月28日撮影、新芽が出始めている状態)

◆半日陰で風通しのよい場所を好み、高温多湿が苦手で、夏場は直射日光と西日を避けます。


◉本来の花弁は小さな蜜腺に退化していて、直径五センチから六センチの五枚のがく片が、花弁状になったものを花と呼んでいます。

花色は基本的な色や中間色だけでなく、それらが入り混じったものなど、ひとつとして同じものがありません。

花の少ない冬場に開花する、和風にも洋風にも合う花です。

◆古代ギリシア時代には狂気を直す霊薬として用いられるなど、クリスマスローズはその黒い根に魔力があると信じられていました。

俗説によれば、アダムとイブが楽園を追われた時、持ち出したのがこの花だとされ、以来この花は「楽園の思い出」の象徴とする美意識も生まれ、その後文学にも表現されました。


                   (花芽がつき始めた状態)


◉生育管理
植え付けは、9月頃が適しています。

植え穴には、有機質の腐葉土やピートモス、完熟堆肥などをすき込み、化学肥料を施しておきます。

植え穴はなるべく深く耕し、水はけの悪い場所では高植えにするなどして湿気を防ぎます。

夏の高温多湿が苦手なので、冬は日があたり、夏は木漏れ日になる東向きの落葉樹の下が、植え付けに適した場所です。

★コンテナ栽培の場合は、やや大きめのコンテナにし、北向きの軒下などに置くのがよいでしょう。

開花中は、冷たい北風が当たらない日当たりのよい場所で管理。

水やりは、表土が乾いたらたっぷりやるのが基本です。

株が大きくなると花つきが悪くなるので、3年から4年毎に植え替えをして株を更新させます。

★鉢植えの場合、根詰まりしてきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。

夏場の植え替えは株が弱るので避けましょう。

◆庭植えの場合、数年経って生育が悪くなった時に、掘り上げて株分けを行います。

◉肥料
鉢植えの場合、液肥を11月から3月の間、月に一回水やり時に与えます。

地植えの場合、10月に緩効性肥料を置き肥します。

◉剪定
花が咲き終わったら、夏場の風通しをよくするために、弱った枝や枯れた枝を切り取ります。

種ができ養分が摂られると、生育に影響するので種ができる前に花柄を取っておきます。

◉殖やし方
株分けは9月下旬から10月中旬に、小さい株を分けたり、細かく分けすぎると花つきが悪くなるので、大株を使用して大きく分けるようにします。

一株に3から4芽つけて分けるとその後の生育がよくなります。

植え付けの時に、根が地上に出ていると枯れてしまうので注意する。

花が終わった後の5月から6月に採取した種をそのまま取りまきにするか、通気性のよい袋に入れ、乾燥しないように土中に埋めるなどして保存。保存した場合は、9月から10月にまきます。

種まき後は、乾燥しないように週1から2回水をやります。

初芽は翌春に出ますが、開花には3年ほどかかります。


関連ブログ
クリスマスローズ No,21







2019/01/27

2月から3月の観葉植物の管理 No,115

◉観葉植物


日光が不足する場所に置いていた観葉植物は徒長を防ぐため、明るい場所の物と交代して移動させます。

できるだけ暖かさを保つように心がけながら、換気も暖かい日を選んで行います。

3月になると、よく晴れた日の閉めきった室内は温度がかなり上昇し、日陰に置いてあった株を急に日のよく当たる場所に移動させると、強い日差しの日には葉やけを起こすこともあります。

窓を開けて換気し、室温を管理します。

朝夕は寒さが厳しいので防寒対策もまだ必要です。



◉水やり、肥料

この時期にあまり冷たい水を与えると葉枯れを起こすことがあります。

暖かい日の午前中に室温程度に温めた水を与えます。

与えるタイミングは、鉢土の表面が乾いてからさらに数日たった頃です。

鉢底から流れるまでたっぷりと与えます。

受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるのでその都度捨てます。

暖房をしている室内では葉水をあたえます。


◆植物が生育を停止している時期には、基本的に肥料は必要ありません。


寒さに強くこの時期から生育を始める種類のものに限り、リン酸とカリ分が多めの液肥を薄めにして施します。

◉仕立て直し

休眠期でも暖かい室内では新芽が伸び始めたり、株が間伸びしてしまうことがあります。

切り戻して切った枝は挿し木もできます。

また、低温性の植物の根が伸び始める前の時期は、株分け等の作業が発生します。

3月下旬から植え替えができる植物はアイビー、アスパラガス、オリヅルランなどです。

サボテン🌵の仕立て直し

徒長してコケシ状に先端部が肥大してしまったサボテンを整形したいという場合は、空気が乾燥していて成長期に入る前が適しています。

◆コケシ状になった先端部をナイフで切り、切り離した方の下部を斜めにはぎ取ります。

半月から1ヶ月間切り口を乾かした後植え付けます。

元のサボテンの切り口からは、2ヶ月から3ヶ月後に子が出ます。

そのまま育てるとよい形の群生株になります。

また、できた子を外して挿し木もをし、株を殖やすこともできます。


        「サボテンの仕立て直し」





2019/01/26

2月から3月の鉢植えの管理 No,114

鉢植え、鉢花の管理


◆一年で一番寒い季節。

シクラメンやプリムラ、ベゴニアなどは、窓辺で日光に当てて、花を元気に保ちます。



室内では暖房の高温を避けます。

風のない日中は、戸外に出して日光に十分当てると徒長を防ぎます。

花の終わったウメの鉢植えはざっと整枝して軒下に出し、外気に慣らします。

3月に入ると三寒四温の言葉通り日によっての寒暖の差が激しいので、暖かい日には戸外で春の日を浴びせ、寒風の夜や霜が降りる日などは、室内に入れるようにします。

水やり、肥料

冬の室内では暖房で鉢物もよく乾燥します。

午前10時から11時頃の暖かい時間帯に戸外に出し、鉢底からあふれるくらい水を与え、午後2時頃には再び室内に入れるようにします。

戸外に置いている鉢物の盆栽や菊なども乾燥しているので、土が白く乾いてきたら日中に水を十分与えます。

基本的に真冬のうちの肥料は控えます。

3月に入ったら徐々に水やりの回数を増やし、薄い液体肥料を与えていきます。

◉植え付け、植え替え
2月はサクラソウなどの宿根草や落葉性の樹木鉢など、芽が伸びてしまう前に植え替えをすべき物があります。

3月は四季咲き性のクロウエアやランタナ、ノボタン、シャコバサボテン、カランコエなどが植え替え適期です。






2019/01/24

早春の植樹管理  No,113

早春植樹管理


一年の最低気温を記録する2月は、一般の植物はまだ休眠期の状態といえます。

そのため、落葉樹を中心に多くの樹種で剪定、整姿が行えます。

特に長年放置して大きくなりすぎた樹木を切り込んで作り直したり、移植するのに適した時期です。

ただし、秋から冬にきちんと管理してきた庭は、改めて手を加える必要はありません。

◉すでに春に向けて地下では新芽を出すための準備が始まっていて、根の活動は盛んになっています。

春に向けて
個々の樹種によって、最適な時期は異なりますがこの季節はすべての植物にとって苗木の植え付けや移植に適しています。

毎年の気候により多少の前後がありますが、一般に2月下旬頃から次第に暖かくなり、土壌の水分も増え温度も上昇していくので、移植の条件が整う。

★2月から3月に他の花に先駆けて咲くロウバイやウメなどは、花が終わり次第、花後剪定を行います。

植え付け、植え替え

◉通常、植え付け、植え替えは根鉢のしっかりしたものを選びますが、この時期は、永年放置して根が荒れてしまって太くなりすぎたもの、掘り起こすと土が落ちてしまい根鉢が取れないような樹木でも、活着しやすい時期です。

植え付け、植え替えは「水ぎめ法」によって行います。

植え穴を深めに掘り、底に掘り起こした柔らかい土を埋め戻して根鉢を置き、高さを調整します。

◆この時、完熟堆肥や腐葉土などの熟成した有機肥料を混ぜると、土壌改良にもなり効果的です。





◉木がまっすぐ立っているかを少し遠目から見て確認し、必要なら微調整します。

いわゆる樹木の「立て入れ」を決めるわけです。

確認は必ず直角2方向から行うようにしましょう。

立て入れが決まったら、根の周りを軽く踏みならすか、スコップで叩いて動かないように安定させます。

土が軟らかいので、強く踏むと足が入ってしまいます。

倒れない程度に軽く押さえるのがコツです。

★ツツジやサツキ類など根が細かい樹種は、踏み固めずに、軽く土をかぶせる程度にした方がよいでしょう。

さらに水をあげた方がよい場合は、中に水が溜まるように水鉢をきっておくのもよいでしょう。

水鉢に溜まった水は、10分から20分ほどで引くので、再び足でしっかり押さえます。

寒肥を施す

寒肥を与えてない場合は、この時期に与えましょう。

さほど大きくない樹種は環状施肥で、大きな木は根が太く四方に張っているので、環状に溝を掘るのは困難です。

すでに活動している根を傷つけないよう注意しながら、根の間を幹元付近から張り出した枝の下あたりまで、放射状に掘って施肥します。

★化成肥料は、多用すると土壌に悪影響を及ぼすのでなるべく避け、有機肥料を用いるようにします。