ブルーベリー ツツジ科
別名=ヌマスグリ
ブルーベリーは、日本に自生しているクロマメノキやナツハゼなどと同属の低木果樹で、葉の紅葉や花も美しい樹です。
クロマメノキは食べられる果実を黒豆に例えた名であるが、長野県ではアサマブドウと呼び、ジャムなどに加工された土産物になっている。
ナツハゼは黒く熟し、食べられる。
果実をブンブクチャガマと呼び、よく熟すとザラッとした舌触りはあるがブドウのような味がする。
ブルーベリーは、果実の加工品が主にアメリカから輸入されるようになってから、一般にも知られるようになった。
日本でも長野県や東北地方などの一部で国産品も栽培されるようになり、今では栽培可能地で栽培されることが増えている。
庭植えは、生育が早いと2年で開花結実しますが、確実に収穫できるのは4年、5年目からです。
樹高1.5m程で100〜200果、鉢植えは3年目で開花結実し、5号〜6号鉢で20〜30果が収穫の目安とされます。
栽培適地
耐寒性の強いハイブッシュ系は、東北地方や長野県など、夏期も涼しい場所に適しています。
ラビットアイ系は、関東地方以西で庭植えが可能とされる。
耐寒性があるので半日陰でも育ちますが、西日の当たる場所は避けます。
ツツジの仲間で酸性土を好み、通気性の良い砂質土か火山灰土が適しています。
水はけ、通気性の悪い粘質土などの重い土質の場合、栽培が上手くできません。
一般の庭では、ピートモスを土壌改良剤として用いて、多めに土壌にすき込むと生育が良好になります。
鉢植えは、赤玉土4、鹿沼土3、ピートモス3の酸性の強い混合土に植え、西日を避け、風通しの良い場所に置きます。
主なハイブッシュ系品種
✪ブルークロップは乾燥に強く香り、果肉も良く大粒で甘みがある。
✪ノースランドは食感が良く果肉はジューシーでバランスが良い。
✪アーリーブルーは美しい早生品種で樹勢が強く直立性で、果皮は明るい青色で樹木も丈夫。
✪ブルージェイは房なりで果実も大きく、収穫量の多い品種。
主なラビットアイ系品種
✬タイタンはラビットアイ系ではNo.1の大きさ特大サイズで、ジョージア大学が育種した品種。
✬クライマックスはラビットアイ系の早生種。
中粒で日持ちも良い収穫が簡単な品種。
✬プレミアは大粒で甘くて食感も良く美味しい。
欠点は受粉が難しく収穫量が少なめであること。
✬ベッキーブルーは早生種で樹勢がやや弱い。
✬ハーモニーは甘さ控えめでブルーベリー本来の自然の味と風味が味わえる。
その他にもいくつかの系統の品種がある。
庭植えの株仕立てにする場合
①一年目の落葉期に、ピートモスを多めに土壌にすき込み、土壌を改良しておく。
②二年目の生育期に出来るだけせん定しない。
花芽をつけた弱い枝は切り取ります。
③2年目の落葉期は、弱い枝や混み合う枝は元から間引きせん定を行う。
④三年目の落葉期は混み合う新梢を間引きせん定する。
⑤四年目以降は、根際から出たシュートは先端で切り詰めておくと、翌年短果枝が発生し4本ほどの主枝の株になる。
弱小枝や混み枝などは切り取ります。
鉢植えの株仕立てにする場合
①一年目の落葉期に、抜き出した苗生は、根を少し崩して土ごと植える。
赤玉土4、鹿沼土3、ピートモス3の混合土
5〜6号鉢に植える。
②二年目の落葉期に、混み合っている枝は間引きせん定する。
③三年目の落葉期は、主枝が若いうちは株から発生する新梢は元から切り取る。
④四年目以降は、花芽のついた枝は2年から3年で株元から出てくる新梢に更新する。
着果習性
花芽は新梢の先端部に数個つきます。
葉芽からは翌年新梢が発生し、同じように花芽を持ちます。
収穫後は自然に枯れてしまう。
肥料
庭植えは毎年1月から2月頃、株周りに配合肥料200gと多めのピートモスを撒き、浅く土壌にすき込んでおきます。
鉢植えは毎年3月頃、玉肥を3〜4個置肥します。
果実の管理
ハイブッシュ系は、自分の花粉で結実しますが、ラビットアイ系は自家不結実性であるため、他品種の花粉で受粉させる必要があります。
2〜3品種を植えて人工受粉をすると、ハイブッシュ系もラビットアイ系も、大果になり成熟も早くなります。
開花後5日ぐらいは受粉可能なので、他品種と交互受粉すると効果的です。
ブルーベリーの効能
ブルーベリーの果実に含まれるアントシアニンが、目にやさしい事はよく知られていますが、この効能は、イギリス空軍の一人のパイロットの言葉がきっかけとなり、見つかったと言われています。
第二次世界大戦中に、夜間の空中戦や明け方の薄明かりの中での攻撃の際に、いつも大きな戦果をあげたとされるパイロットは、その理由を聞かれて『ブルーベリージャムをつけたパンを食べてから戦闘に飛び立つと、薄明かりの中でも物がはっきり見えるからです』と答えたそうです。
この話をヒントに戦後のフランスやイタリアで、ブルーベリージャムに含まれるどの成分が、視力を良くするのかを調べるための研究が始められました。
その結果、ブルーベリーに含まれる赤紫色の色素であるアントシアニンが、視力を高めるのに効果を持つことが明らかになったのです。
その後の研究で、ブルーベリーに含まれるアントシアニンには、人間の目の網膜にあるロドプシンという物質の合成を、活発にする働きがあることがわかりました。
このロドプシンに光が当たると人は、物が見えると感じます。
しかし、目を使っていると徐々に分解されて無くなっていきます。
アントシアニンがロドプシンの合成を活発にすることから、ブルーベリーのアントシアニンは、目をよく使う人の視力の維持や回復に役に立つことがわかります。
また、ブルーベリーのアントシアニンについて、2012年7月に国立研究開発法人、国立長寿医療研究センターの研究者から「骨粗鬆症の予防に効く」という発表がなされました。
この事はマウスによる研究結果で得られている事である。
このように、ブルーベリーのアントシアニンの効果が分かってきましたが、アントシアニンは多くの植物の葉っぱや花、実にも含まれています。
ではどうして、ブルーベリーのアントシアニンだけが『目に良い』と言われるのでしょうか。
それは、アントシアニンというのは総称であり、アントシアニンには色々な種類があるからです。
アントシアニンには、デルフィニジン、シアニジン、ペツニジン、ペオニジン、マルビシンなどの種類があり、それぞれが色々な効能を持ち、効能の強さも種によって異なります。
アントシアニンを含むと言われる花や野菜、果物にこれらが1種類だけ含まれていることは無く、いくつかが組み合わさって含まれています。
更に、組合わさるときにはそれぞれの比率が違ってきます。
ですから、アントシアニンを含むと言っても花や野菜、果物ごとにアントシアニンの種類やその組み合わせと比率が異なるのです。
『ブルーベリーのアントシアニン』と限定される理由は、ブルーベリーに含まれるアントシアニンの種類、その組み合わせ、その比率が相まって効果がもたらされるからです。
ブルーベリーは北アメリカ原産やヨーロッパ原産などの品種がありますが、品種によっても含まれるアントシアニンの種類、組み合わせ、比率は違っています。
その事から、品種によって効果も違うというような事が言われることもあるのです
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