マタタビ マタタビ科
木天蓼 日本、中国、朝鮮半島に分布
アイヌ語の「マタタムブ」が語源とする牧野富太郎植物学者節が最も有力とされる他、旅に病んだ人がマタタビの実を食べて元気になり、「また旅」を続けられたからという薬効説がある。
アイヌ語のマタタムブとはマタは冬、タムブは亀の甲と言う意味
日本の山野に自生しているツル性落葉植物で、よく分枝して絡みつくものがないとヤブ状に茂ることもあります。
雄花しか咲かない雄株と、果実のつく両性花の株がある。
両性花と雌花は五弁花を1個つけ、雄花は1〜3個つけるので花をよく見れば雄雌の識別ができます。
梅の花に似ていることから「ナツウメ」とも呼ばれます。
花が咲く頃に枝の上部の葉が白くなるのが特徴で、花が終わると緑色に戻る習性があります。
花は葉の陰に隠れるように下向きに咲き、直径2㌢ほどで良い香りがする。
花が咲く頃に葉が白からピンクに変わるものは、「ミヤママタタビ」と言う別種で、花も小さく猫も喜ばない。
果実は秋に黄色く熟し、果肉には独特の辛味と芳香があり、塩漬けや果実酒などに利用されます。
マタタビの効能
漢方薬に利用される果実は、子房にマタタビアブラムシが産卵し、異常発達して虫コブ状に変形したものを熱湯に入れて殺虫し、日干しして粉末にしたものです。
漢方薬は冷え症、利尿、強心、神経痛、鎮痛剤などに利用されている。
猫が「マタタビ反応」を示すのは、マタタビに含まれる「マタタビラクトン」「アクチニジン」「β-フェニルエチルアルコール」という成分が猫の上顎(うわあご)にある器官を通ることで、酔っ払ったかのような状態にするからです。
植え付け場所
耐寒性が強く日陰でも丈夫に育つ、全国で庭植えができます。
やや湿り気のある土壌が適しています。
鉢植えは赤玉土5、川砂3、腐葉土2の混合土に植え、春と秋は屋外で日に当て、夏は風通しの良い場所を選んで置きます。
冬も水やりを注意すれば屋外で越冬できます。
肥料
2月頃に根の回りを掘って堆肥を100〜200g程度埋め込みます。
鉢植えは3月に玉肥を株回りに置き肥します。
せん定
庭植えは支柱仕立て、棚仕立てなどにしますが、発育が早く放置しておくと近くの木にツルを絡ませてしまうので、ツルの先端を切り詰めるようにします。
新梢も30㌢ぐらい切り詰め、花芽のつく短枝を発生させます。
鉢植えはあんどん仕立てが一般的に好まれています。
あんどんは鉢高の2.5〜3倍の高さに仕立て、あんどんの上部から果実が吊り下がるように育てるとよいでしょう。
病虫害
病虫害はほとんどありませんが、猫に荒らされて枯死することが少なくありません。