緑のお医者の徒然植物記

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土曜日, 12月 08, 2018

キンカン ミカン科常緑広葉樹 NO.76

キンカン  ミカン科


キンカンは、他の柑橘類のように実を食べる事ができず、逆に皮が甘くて食べれるかわった果樹てす。

そのまま食べても美味しく味わえますが、砂糖漬けや砂糖煮にする事が多く、風邪薬にもなります。

常緑樹で、樹高が1.5メートルほどなので、庭木としても楽しめます。




〈適性〉

一般の柑橘類と同じく暖地性で、関東地方より南で栽培可能です。

植え付け場所は、日当たりがよく冬に寒風が当たらない場所が適します。

土壌は排水がよく、土層の深い所が適しています。

〈収穫〉 

7月後半に開花しますが、人工受粉の必要はありません。

実が多くついたときは9月頃に、大きな実を残して摘果します。

収穫は12月から1月に行います。

11月の末頃から実の黄色が濃くなり、甘味が増して収穫できるようになります。

〈肥料〉

収穫後の3月頃に、堆肥に油かす、鶏糞、骨粉と化成肥料を加えたものを与えます。

追肥として9月下旬に、油かす、鶏糞、骨粉と少量の化成肥料を加えたものを与えます。

〈剪定〉

剪定は3月頃に行います。

混んだ枝を整理して、内部に日がよく差すようにしてください。

◆病害虫は果樹としては、比較的少ないほうです。

特に、ソウカ病やカイヨウ病には強くほとんど発生しません。

①アゲハチョウ:幼虫が葉を食害します。見つけたら捕殺

②アブラムシ:樹液を吸汁し、植物を衰えさせる。

反射光線を嫌うので、銀色のポリエチレン製のフィルムを敷くとあまり寄ってきません。

③ハダニ:ミカンハダニが発生します。

乾燥した天候が続くとよく発生します。

殺ダニ剤(専用殺虫剤)で駆除してください。

◉ツノロウムシ

キンカンの大敵です。

被害が大きいと樹勢が衰える事もあるので、見つけ次第駆除します。

幼虫の時期なら殻がまだ出来上がっていないので、スミチオンなどを散布します。

成虫になると、薬剤は浸透しにくく効果があまりないので、捕殺します。

薬剤は、DEP剤のディプテレックスやイソキサチオン剤のカルホスが有効です。

◎キンカンの品種

①ニンポウキンカン=球形で甘味の強い品種
②ナガキンカン=長楕円形で少し甘味が劣ります。
③マメキンカン=主に観賞用として、盆栽に用いられます。

その他、マルキンカン、フクジュウキンカンなどの品種があります。