緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2018/11/13

草盆栽 No,39

草盆栽




*草盆栽・山野草の定義

草盆栽は、一見、普通の園芸の寄せ植えと、似ているものもあります。

しかし、山野草を採集、または購入したものを自然の生育の環境を考えながら、管理して小ぶりに仕立てたものを盆に植える点が大きく異なってます。

*草盆栽に使われる植物を総称して、一般には「山野草」といいます。

厳密には、高山地帯から低山、丘陸地帯などに自生する草本類を「山草」、その他の平地や荒地、沼沢、湿地、砂礫(されき・砂や小石)地などに自生するものを「野草」と呼んで区別しています。

*住み分けを考えた寄せ植えにする

草物は、一種類を単独で植えるケースもありますが、メインの盆樹(盆栽にする木)の足下に下草として用いたり、数種類を寄せ植えにして、自然の景観を再現する場合が一般的です。

寄せ植えをするときの注意点は、庭の混植と同様、種類ごとの性質を考えることです。

特に小さな鉢の中に数種類の違った植物を植えるわけですから、本来の住み分けをよく理解する必要があります。

そのため、寄せ植えは短期間楽しんで、また単独の鉢に戻して培養するのが一般的です。

たとえば、正月用に松竹梅と山野草の寄せ植えを作り、松が取れたら元の鉢に戻す、というようにすれば、多少無理のある組み合わせでも、楽しむことが出来るのです。

松柏盆栽は、洋風の空間にはなかなかマッチしませんが、草ものは、種類をうまく選べば、洋風の空間にも容易にマッチさせることができます。

また、鉢植えで親しまれている、ガジュマルやドラセナなどの観葉植物も、伸びるたびに切り詰めて小ぶりの樹形を保つようにすれば、盆栽風に仕立てることができます。

元々が亜熱帯産のものが多いので、洋風に合うのはもちろん、和風の空間でもエキゾチックな魅力を醸し出します。

園芸趣味の究極

草盆栽は松柏盆栽のような迫力や雑木の花ものや、実ものの盆栽のような艶やかさはありません。

しかし、すぐれた草盆栽のたたずまいには、洗練された軽妙な酒脱(しゃだつ・さっぱりしていること)さがあり、園芸趣味の究極は「草と石」とも言われています。

小さいながらも、石やさまざまな植物を組み合わせて、自然が持つ姿を演出するということが、草盆栽の究極の目的と言えるでしょう。









2018/11/12

もしもの時の盆栽の管理 No,38

数日間、家を空ける時の管理


旅行などで家を数日間留守にする場合は、水分不足にならないような対策を施すことが大切です。

盆栽の鉢数が少ない時は、たらいやバット(長方形の平皿のようになった容器)などに水を張り、中にブロックを置きます。

その上に布を敷いてから盆栽の鉢を乗せます。

布が吸い上げた水分を鉢底の根から補えるので、これで4~5日は水切れすることはありません。




◉鉢数が多い場合は、バットの数を増やして対応することもできますが、最近では自動灌水器が手頃な価格で市販されていますので、これをうまく利用するとよいでしょう。



梅雨期の水の管理
梅雨期は、水やりを控えた方がよさそうに思えますが、小枝が密生し、よく葉が繁ったものは、小雨ぐらいでは十分な水分の補給になりません。

また、枝張りの広いものも、雨水が鉢の外に流れてしまうので注意が必要です。

◆鉢の表土ではなく、鉢穴から覗いて中が乾いていたら水やりが必要です。

長雨が続く場合は、水分過多になりますから、鉢を傾けて鉢中に水が溜まらないようにします。


冬の管理の注意点
盆栽の冬場の管理で最も注意しなければならないのは、乾燥です。

防寒の意識は、大抵の人が強く持っていますが、湿度が下がる冬は、鉢植えの盆栽にとっては乾燥が大敵になります。

常緑樹は水分が不足すると葉が萎れてくるのですぐに分かりますが、落葉樹の場合はちょっと見ただけでは分からないので特に注意が必要です。

★鉢の表土に常に気をつけて、乾いたら水やりをすることが大事です。

水やりは原則として、暖かい午前中に与えるようにします。


台風時の対策
台風が来るときは、強風で鉢が落ちて割れたり、枝が折れないように注意が必要です。

危険な時間帯は、強風の当たらない室内に取り込んで置くのが最も安全です。

鉢数が多い、室内が狭いなどの理由で、戸外で台風を迎える場合は、鉢をひもで棚に縛って固定したり、一箇所に集めて置くなどの対策が必要です。

一番樹高の高いものを忠信に置き、終盤に背の低い鉢を並べると倒れにくくなります。

鉢を寄せることで強風による転倒の恐れが少なくなります。







木酢液について No,37

木酢液って何?

木酢液とは炭焼きの時に出る副産物で、原料は木材であり安全であると考えられる。

木酢液には色々な効果があると言われ、園芸では殺虫や殺菌に使われる事が多いようです。

✿木酢液の効能

  1. 木酢液を薄めて作物に散布すると、葉の活力が高まります。
  2. 葉面散布でダニなどの害虫や各種の病気が少なくなる。
  3. 木酢液と農薬を混ぜて使用すると、農薬の効果が上がる。
  4. 土に撒くと濃度が高い状態ではセンチュウ土壌病気を減らし、土の中で濃度が薄くなくなると有用な微生物を増やす。
  5. 土に撒くと根の発育がよくなる。
  6. 堆肥作りに使うと発酵がよくなる。

家畜の糞尿に混ぜると臭いが消え、それを堆肥にすれば良質になる。

✪木酢液にはどういう

成分が含まれる?

木酢液には、木材に含まれるリグニンやセルロースという成分が熱分解してできた物質が含まれている。

リグニンはフェノール性物質が結合してできています。

フェノールは石炭酸ともいい強い殺菌作用を持ち、医薬用外劇物に指定されています。

フェノール性物質の一つで、木酢液に含まれているクレゾールは殺菌用にも使われています。

◉木酢液の主成分は化学物質

炭焼きによって木材から木炭、木ガス、木酢液、木タール、ピッチなどが生成します。

木酢液の約80〜90%は水分で他が各種の成分となっている。

木酢液に含まれる化学物質は大きく分けると、酢酸などの酸類有機物の約50%、メタノールなどの
アルコール類15%、クレゾールなどのフェノール類15%、アセトンなどの中性物質10%が含まれています。

その他に有害なホルムアルデヒド
ベンズピレン、粗悪なものには発がん物質のタールも含まれることがあります。

このような化学物質が含まれていれば、どれも殺菌力、殺虫力、害虫を寄せ付けない効果のあるものばかりで、効果があって当然と言えます。


使用目的によっては危険な木酢

原料の樹種が不明のものは要注意。

かつて木炭の製品は樹種ごとに区別され、安全な雑木以外の不明の炭化物は、木炭として取り扱われなかったが、木酢液においてはそれ以上に、原料とする樹種を明らかにする必要がある。

クス、アセビその他、人畜に有害、または有害の恐れのある樹木が存在するからです。

外国で採取された木酢液の中には樹種ごとに、安全性をチェックすることも重要な条件です。

南米に、かつて矢毒として使用していた猛毒のクラーレを含む樹木が多数あり、地域ごとに毒物を含む樹種も異なっていた。


良い木酢液の見分け方

1、木酢液を少量、ガラス容器に移してみて、混雑物があったり濁ったり、汚れて見えるものは不良品です。

良品は色彩が黄褐色ないし赤褐色で、しかも透明であることが必要、澄んだビールまたは赤ワインのような色調である。

2、臭いに不快臭がなく木酢液独特の香りがある、また食酢のような「ツーン」とした刺激臭の著しい物は、水酢酸などを混入してPHを調整した調整品であることが疑われます。

3、PHは3前後であること、高温採取したものほど強酸性の傾向が
あります。

4、比重は液温15℃で1,014前後(黒灰釜=ナラ)である。
高温過ぎる温度で採取したものは高い数字となる。

ただし、針葉樹では1,030前後となるほか、樹種、釜の種類によってもかなり異なる。

5、薬品を使って見分ける方法もある。

調査する木酢液一ccを100倍液としフェノールフタレイン液を一滴落とし、そこに苛性ソーダ2㌫液(または0,1NaoH液)を1滴ずつ落としていくと、それまでの白色が急に赤色となる点がある(中和点)この中和点が濁らず透明で、当初の木酢液希釈液の臭いのままで、異質臭がなければ合格です。


木酢液の品質を左右する条件三要素

*樹種
ナラ類、ブナ類、カシ類は良い原木として定評。

同じ広葉樹でもクヌギはわずかに成分濃度が薄い。

マツ、スギ、ヒノキ、カラマツ、タケも農作物用には、広葉樹に次いでよく利用される。

これらの中ではマツの成分濃度がやや高い。

✪天然物は安全では無い❗

木酢液を否定するものではありませんが、使用方法や濃度(500〜1000倍液)などに注意を払って使用する必要があります。

木酢液にはかなり有害なものが
多く含まれていること、その安全性が全く実証されていない事に留意すべきです。

毒性などのデータとしてある農薬とは大きな違いがあります。

ただ安易に自然物、天然物は
安全な物と考えないで欲しいと言うことです。



2018/11/11

柿の実が落果する。 No,36

柿の実が落果する原因

ヘタムシの可能性

落下した果実をそのままにしておくと、翌年さらに大発生する恐れがあります。

これらの果実は収穫の時に、一箇所に集めて焼却処分するか、土中深く埋めてしまいましょう。

★枝に残ったヘタも感染源になりますので、残らず取って同様に処分します。

また、被害のあった木は10月上旬頃に、主幹に古縄や新聞紙などを巻いて、この中にヘタムシなどの害虫を誘い込むバンド誘殺を行う。

古縄は12月に取り外して焼却処分します。

さらに、粗皮削りを行ってください。柿は年月が経つと幹や
太枝の皮が盛り上がったり亀裂が生じたりします。

そのすき間に、害虫が卵を産み付けます。

そこで、数年に一回晩秋~冬にかけてでこぼこの皮を鎌などで、削り取る粗皮削りを行う。

削った皮の中に、害虫の卵などがあるので、そのまま焼却処分する。


❄炭素病

主に果実や枝と葉に発生し、伝染する。

注意が必要な厄介な病気です。

果実では濃紫色ないし、黒褐色の病斑を生じ、病斑の拡大に連れて肥大が阻止され、種子が発熟せずに黒褐変空洞化します。

病原菌は糸状菌の一種であり、各種の草本、木本植物に寄生して被害を及ぼす多犯病原菌です。

病原菌は病患部形成される子嚢(のう)殻や分生子層の状態で越冬して伝染源となる。


降雨時、空中飛散、雨のひまつに混じって飛散、昆虫の体に付着して運ばれて伝播を行う。


25℃前後の温度条件の多湿環境下で多発しやすい。
9月から11月

伝染源となる病果などは早期に摘除します。

落果した病果や葉も集めて処分することが重要です。


✪薬剤防除

梅雨期や秋雨期など、降雨前後を重点にジネブ剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤、トリフルミゾール剤などを用い、月に1回〜2回降雨が続く場合には適宜回数を増やして散布し、まん延防止に努めます。









腐葉土を作る No,35

腐葉土に適した落ち葉


針葉樹は樹脂が多く、腐敗の進行が遅いため一般にはあまり腐葉土に使われる事はありません。

比較的早く腐敗し、腐葉土としてよく使用されるのはナラ、クヌギ、ケヤキ、クリなどの落葉性の広葉樹です。

初めて、腐葉土を作る場合は、これらの樹種を用いるとよいでしょう。


◉カシ類、シイ類などの常緑性の広葉樹も良質の腐葉土になりますが、腐食、発酵が進んで完熟するまでに時間がかかります。

腐葉土の作り方

1,腐葉土にする葉は一箇所に集め、十分に水をかけてよく踏みつけて水を染み込ませます。

次に、腐食、発酵を促進させるために油粕や鶏ふん米ぬか野菜くずなどを振り撒き、よくかき混ぜます。

★便利な発酵剤も市販されていますが、全部手作りと言うのもよいでしょう。

○そのまま積み上げて置いても良いのですが、雨に当たると熟成された養分が流れてしまうので、底面と側面に通気孔を開けたポリバケツに落ち葉を入れます。

落ち葉は軽く踏んでかさを少なくして更に入れます。

バケツの上部は、15%~20%程度の空間が出来るようにしてふたをします。

発酵を促進するために、通気性が重要なので2ヶ月に1回ぐらいの割合で、ふたを開け、中の落葉をかき回します。

腐葉土は、腐食途中のものを使うと寝腐れなどの原因になる場合があるので、完全に腐食させてから使うようにしましょう。

条件にもよりますが、晩秋から冬にかけて発酵させ始めた落ち葉が完熟するまで、少なくても半年以上かかります。

晩春の植え付けシーズンに使えないこともありませんが、慌てずゆっくり時間をかけて、完熟を待ち一年後の秋の植え付けシーズンから使うのが無難です。

2,落ち葉を入れたポリバケツを土中に埋めて、腐食、発酵させる方法もあります。

この場合は、通気性をよくするために、ポリバケツのフタではなく、ワラやムシロなど通気性のあるものを被せ、風などで飛ばないように、隅に重しの石を乗せます。

表面が乾燥しないように、時折ワラなどのフタの上から、米の磨ぎ汁や水をかけ、十分に発酵を促します。

完熟するまでは、半年かかります。







ポインセチアの下葉が落葉する。 No,34

ポインセチア

葉の黄変、落葉の原因はいくつか考えられます。

✣水分過多

ポインセチアは本来多くの水分を好む植物ですが、水不足で乾燥した場合は葉が内側に巻いて、元に戻らなくなり落葉します。

黄色くなって落葉するのは、反対に水分過多の場合です。

水を過剰に与えすぎて、根腐れを起こしている可能性があります。


低温障害


最近は耐寒性の高い品種が多くなり、室内で低温障害が起こるケースは少なくなっています。

しかし、夜間に急に冷え込み、室温が5℃以下になることがあると、低温障害で葉が変色、落葉する危険性があります。

本来は10℃程度の温度を保ちたい植物です。


肥料不足、日照不足

肥料が不足した場合も葉色が悪くなりやがて下葉が黄色くなります。

ただし、肥料不足が原因の場合、葉色の変化は徐々に起こり、急激に落葉することはまれです。

また、日照が不足しても同様の症状が現れます。

室内の温度不足

冬の暖房などで、室内の温度が下がっていると、鉢土は十分水分を含んでいても、地上部の葉から蒸散する水分を補いきれない場合があります。

必要に応じて、霧吹きなどで葉水をかけてやりましょう。

温度不足の時に水分が多すぎると葉に、影響が出ます。もう一度、室内の環境をチェックしましょう。

◆関連ブログ
ポインセチア No.47