スモモ バラ科
日本や中国が原産。
現在栽培されている品種は、アメリカから逆輸入された改良品種です。
スモモの仲間には、セイヨウスモモ、いわゆるプルーンがあります。
セイヨウスモモは日本の気候に合わず、あまり栽培されていません。
甘味と酸味のバランスの取れた香りのよい実がなります。
〈適性〉
耐寒性、耐暑性が強く日本のどこでも栽培は可能ですが、晩霜(おそじも)の被害を受けやすいので、暖地性気候の地域が向いています。
土質は軟らかく、排水のよい土壌が適しています。
〈収穫〉
開花時期は、3月下旬から4月上旬で、ほとんどの品種が自家受粉しないので、人工受粉をします。
収穫時期は、品種により異なりますが6月中旬から8月頃です。
〈肥料〉
収穫後の8月から9月に、堆肥に鶏糞と油かすを混ぜ、リン酸とカリウムの多い化成肥料を加えたものを与え、肥料は株まわりに埋め込みます。
〈剪定〉
徒長枝や混んだ枝を夏に整理します。また、枝が伸びると果実が取りにくくなるので、3~4年に一度切り戻すようにしましょう。
注意する症状として
①幼果が黄変して落ちる。
原因は晩霜の被害です。
スモモは開花時期が早いため、晩霜の被害を受けやすい果樹です。
②実がつかない。
実がつかない理由として、受粉していない事が考えられます。
スモモは自家受粉しない品種が多く、別の品種と人工受粉をする必要があります。
大石早生(わせ)、ソルダム、サンタローザなどの品種間で受粉が可能です。
③枝の先が枯れる。
枝の先が枯れる原因として、根詰まりが考えられます。
スモモは軟らかく排水のよい土壌を好み、固い粘土質の土では根詰まりを起こしやすくなります。
対処法として、堆肥や腐葉土などの有機質の肥料をすき込み土壌の改良を行いましょう。
病気
◎ふくろみ病
幼果が急にふくらみ、白緑色に変色し、病状が進行すると落果します。
病気の果実は処分します。
開花前に石灰硫黄合剤を冬期に散布して予防しましょう。
害虫
◉アブラムシ、クワシロカイガラムシ、モンクロシャチホコ
★モンクロシャチホコ(フナガタケムシ)
このケムシは9月に発生し、若齢期は赤褐色で葉の裏に群れをなし葉を食べます。
老熟幼虫は五センチほどになり、紫黒色(しこくしょく)に変化し、黄白色の長毛が生えます。
発生量が少ない場合は、一匹づつ捕殺するか、群れを枝ごと処分します。
発生量が多い場合は、スミチオン、ディプテレックス、エルサンなどの薬剤を散布します。
年に一回、7月頃に成虫が発生し、その次の世代が被害を起こします。