緑のお医者の徒然植物記

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2018/12/12

#バラの原種のお話(1) NO.82

(1)バラの原種は北半球に自生する。

バラ属(Rosa)の野性種は南はエチオピア、北はシベリア、アラスカまで北半球の亜熱帯から寒帯にかけて広く分布しています。

もし、南半球で野性のバラを見つけたとしたら、それは誰かが持ち込んだものです。

★エチオピアの野性種は、ロサ·アビシニカ(R.abyssinica)の一種で標高2.000m以上の高地に自生しています。

乾燥地では、北米バハカリフォルニア(メキシコ領域)にロサ.ミニュティフォリア(R.minutifolia)が自生し、北米アリゾナ、テキサスにはロサ.ステラータ(R.stellata)が自生します。

         (ロサ.ステラータ.ミリフィカ)


アジア大陸の乾燥地帯には、ロサ.ペルシカ(R.persica)のような変わった野性のバラも自生しています。

                         (ロサ.ペルシカ)


◉オオタカネイバラの仲間(R.acicularis)は最も高緯度(北緯70度付近)にまで分布を広げています。

   (オオタカネイバラの仲間、ロシア産)

北から南まで、そして乾燥地から湿潤な場所まで幅広い地域にバラは自生しています。

野性種の数は、分類学者によっても異なってしまうが、約150~200種ぐらいだろうと思われています。

この種の中から、現在の主要となる栽培のバラの系統に、関わってきた野性種は7~8種類と言われています。