緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2019/06/19

フェイジョアの挿し木(6月) No.142

フェイジョアの挿し木


今年の春から伸びて生長がとまった柔らかい新梢を使った「緑枝ざし」にします。

さし穂は15センチ前後に切り取ってから調整します。

下葉を付け根から切り、上部の葉で大きな葉は、半分に切ります。

2センチほど斜めに切り戻し、一時間から二時間くらい水揚げしてから、さし床にさします。


用土は赤玉土5、腐葉土3、川砂2の混合土を用いるとよいでしょう。

さし穂の間隔は4~5センチにとり、深さは2センチ位にします。

さし穂をさし終えたら、針金で支柱を作り、ビニールで覆い密閉にします。

◉フェイジョアに限らず、キウイなど、緑枝ざしにする場合は密閉ざしにすると、中の湿度が高くなり、葉からの蒸散が抑えられるため、さし穂の発根率がよくなります。



2019/06/18

アジサイの花が咲き終わったら(花後せん定をするには?) No.141

アジサイの花後せん定


アジサイの花芽は、10月頃に充実した枝先に分化し始め、翌年の3月ころまでに完成します。

8月以降に枝を切り詰めると充実した枝が伸びずに、花芽がつかなくなるので、花が終わり次第すぐにせん定します。

今年開花して弱った枝は付け根から切るか、枝分かれしている部分で切り戻します。



細枝や古枝も付け根から切って間引きます。

全体の枝数を調整しましょう。

枝数はお互いの葉先が触れあう程度にし、込み合わないように保つことポイントになります。

✣関連ブログ
アジサイ No,152





2019/06/17

花壇の花が咲き終わったら No.140

咲き終わった花壇の花後

そのままにしておくと見苦しいのはもちろんですが、雨に濡れると灰色カビ病などの病原菌が発生しやすくなります。

また、結実させてしまうと、養分をとられて次の花が咲きにくくなります。

株が早く枯れる原因にもなります。

花が終わったものから順次、花柄摘みを行いましょう。

花柄摘みのポイントは、柔らかく腐りやすい花弁とともに、種子が出来る子房の部分も一緒に取り除くことです。

パンジーなどのように茎の先端に花が咲くものは、茎の付け根から切り取ります。

ストックやキンギョソウ(スナップドラゴン)などのように、一本の茎から穂状にいくつも花がつくものは、終った順に個々の花の付け根から取り除きます。






キウイの新梢の誘引はどうすればいいの? No.139

キウイの新梢の誘引


新梢が30~40センチの長さになったら、重なり合わないように棚に誘引し、長過ぎる場合は摘心します。

まっすぐ伸びている枝は、付け根から2節くらいの、やや固くなりかかっている部分でかるくねじると誘引しやすくなります。

★参考ブログ
キウイ No.75
キウイのせん定 No,162
キウイフルーツと美容 No,195




柿の摘蕾 No.138

柿の摘蕾


柿のつぼみを放置しておくと、果実が大きくなりません。

枝が伸びてつぼみが大豆粒程度の大きさになったら、開花する前に間引く必要があります。

品種にもよりますが、一般に枝の中央付近の充実した大きなつぼみを残し、その他のつぼみは指先で押すようにして摘み取ります。

生育の悪い枝のつぼみはすべてとり、その他の枝はつぼみの数に応じて摘み取ります。

樹木全体でつぼみの数を三分の一程度まで減らすようにします。

◉柿の摘果

ヘタが大きく傷のない幼果がよい果実になります。




ヘタが小さいもの、果実の形が悪いもの、傷のあるもの、病気や害虫の被害があるものなどを摘果します。

この時期(6月~7月)は生理落果といって自然に果実が落ちる物があるので、極端に摘果し過ぎないように注意します。

残す果実の数の目安は、短めの枝で一枝に2~3果、長めの枝では3~4果です。

※参考ブログ
カキにまつわるエトセトラ 
No.54






ビワ 枇杷 No.137

  ビワ    バラ科 常緑中高木

原産地は中国南部から中部と日本南部ですが、日本の自生種は果実が小粒で食用に適さず、現在国内で栽培されているものは、いずれも中国から渡来したビワの改良種です。

平安時代(927年)の「延喜式」にビワに関する記述が見られ、千年以上前から親しまれていたことが分かります。

ビワの名は中国名の枇杷(ビパ)の音読みで葉の形(果実とする説ある)が楽器の琵琶に似ていることに由来します。

因みに、楽器の琵琶も元来は枇杷と書いていたものが、琴と同様の弦楽器であることから後に琵琶に転じたと言われています。

ビワは初夏に熟す濃黄色に果実で知られていますが、晩秋から初冬にかけて、白から淡黄色の小さな5弁花を咲かせます。



「花芽がつき花が咲き始めた状態、11月28日撮影」



花は円錐状に100個程ついて咲き地味ですが、バラ科植物らしい味わいがあり、花はかすかな甘い芳香を放ちます。

冬に咲く花として数少ない事から茶花として利用されることもある。

本格的に日本で栽培されるようになったのは江戸時代以降で、19世紀半ばに中国から長崎に伝わった「唐ビワ」を現在の長崎市茂木町で育てたものが「茂木」と言う品種で、茂木の実生から生まれた「田中」と並んで日本のビワの代表品種になっている。

ビワは果実、種、葉ともに薬効があり、古くから民間療法や漢方医療に幅広く用いられています。

✪尚、薬効、効能についてはブログNo,55ビワの効能、No,150ビワ茶を参照してください。

日本では「ビワを植えると早死する」としてビワを嫌う地方がありますが、これはビワを薬として利用するため、病人がいる家によくビワが植えられていたことから起こった迷信である。

中国ではこの様な俗説はなく樹形、葉、花、果実それぞれが鑑賞価値の高い樹木として、親しまれています。

✪生育管理、環境

日当たりがよく、冬もできるだけ暖かい場所を好みます。

冬に開花結実するので、日陰の多い場所では幼果が凍結する事があります。

庭植えの栽培条件としては、年間平均気温15℃以上、冬の最低気温がマイナス7℃以上とされます。

「田中の品種」は耐寒性が強く日本海側では新潟県、太平洋側では岩手県まで栽培が可能とされる。

樹勢は強く通常は苗木から育てて4年〜5年で開花結実します。



❆肥料

元肥としてチッ素4、リン酸3、カリ3の割合の配合肥料を8月下旬〜9月上旬にかけて根回りにすき込み、必要に応じて2月中旬から下旬、5月下旬〜6月上旬に元肥の半分を目安に追肥します。

✭病害虫

枝や幹、根にコブができる癌腫病が発生する場合があります。

患部を剥ぎ取り、ペーストマイシン1000倍〜1500倍液などを塗ります。

◉せん定、整姿

放任すると樹高10㍍程の大木になります。

花芽は当年に伸びた枝先に付きます。

果実を収穫するには、枝先を切り詰めない事が大切です。

また、果実の数が多い時は1花序当たり数個に摘果します。

主幹の同じ高さから数本枝が伸びる(車枝)ので、下段の車枝だけを残し盃状に仕立てます。

✭殖やし方

実生は熟した果実から種を取り出し水洗いして陰干ししてから蒔きます。

なるべく大きく重い種子を蒔きます。

マイナス5℃以下にならないよう鉢を暖かい所に置いて越冬し翌春定植します。

実生は発芽率は良好ですが、果実は小粒になる傾向があります。

また、自然落果した種子が自然に発根したものを鉢植えにして育ててもよいでしょう。

        (自然落果で発芽したもの)

接ぎ木は2月下旬から3月上旬頃にマルメロ台木に接ぎます。

❆植え付け、植え替え
ミカン類、ビワなどで植え付け、植え替えが行えます。

常緑果樹は寒い時期に断根すると、低温の影響を受けやすいので暖かくなってきた4月上旬頃が適期となります。


ビワの苗木の植え付け

苗木は根鉢の根をほぐし、古い土は三分の一程度落として、植え穴は大きく(直径50~60㎝)深めに掘り(深さ50~60)土をある程度埋め戻してから、苗木を据えて盛り土して高植えにします。

こうすると、その後の生育がよくなります。