緑のお医者の徒然植物記

Translate

緑のお医者の徒然植物記

検索結果

2021/01/18

コーヒーの木 No,346

 コーヒーの木  アカネ科

英語名=コーヒートゥリー
原産地=アフリカ大陸、エチオピア

コーヒーの発祥、起源

コーヒーの発祥には2つの伝説が有名で、いるずれも13世紀頃と言われ、エチオピアとイエメンとされる。

✿エチオピアの山羊飼いの少年「カルディ」は、いつものように山羊たちを連れて山を散歩していると、山羊たちが赤い実を食べ始めました。

すると、赤い実を食べた山羊たちは興奮状態に陥り、楽しそうに飛び跳ねました。

それを見て驚いたカルディは、自分でも赤い実を食べてみました。

すると全身に力がみなぎり楽しい気分になりました。

カルディはそのことを僧侶に話したことから、コーヒーはイスラム僧侶の眠気覚ましの薬として広まり、酒が禁止されているイスラム教徒たちの嗜好品として、コーヒーハウスで飲まれるようになったという。

✿イエメンでは、イスラムの僧侶オマーンがその地域の王様(有力者)の娘に恋心を持ったことで、王様に町から追放されました。

その後山中で空腹に耐えられなくなったオマーンは、きれいな小鳥たちが赤い実を、素晴らしい鳴き声でつついているのを見て、自分も食べてみたり、フープにしたりして飲んでみました。

すると力がみなぎり、とても元気になったので追放された町に実を持ち帰り、病人に与え病気を治して王様に赦されたという。

エチオピアもイエメンも共に発祥の地を譲りませんが、最近ではエチオピアで発見されたと言うのが通説とされる。

しかし、2つの有名な伝説より400年も前の文献が発見されたことで状況は変わることとなる。

文字によるコーヒーの記録は、西暦900年頃でアラビア人の医師、「ラーゼス」によるものが最初と言われています。

ラーゼスはコーヒーの薬理効果を認めていて、実際に野生のコーヒーの種子(バン)の黄褐色の煮出し汁(カム)を「バンカム」と名付け、患者に飲ませていたそうです。

すでに2つの伝説より早くコーヒーは発見されていたのです。

17世紀後半になると「カフェ」はヨーロッパで男性が集まる社交場と発展しますが、その後一般市民の中にも身近なものとして浸透していきました。


日本で最初にカフェができたのは、1911年銀座にオープンした「カフェー・プランタン」が最初とされ、同時期にフランスのカフェを意識した「カフェー・パウリスタ」もオープンしました。


日本では暖地から亜熱帯にかけて植栽できます。

最低気温が5℃前後以下になる所では、冬の寒さが避けられる鉢植えでの栽培がよいでしょう。

✪果実

チェリービーンズと呼ばれるサクランボに似た豆、果実は液果で中に2つの種子があります。

この種子がコーヒー豆として利用されています。

樹高は8㍍前後になる常緑小高木で幹は直径10cm程に生育します。

葉は対生で長楕円形、葉の長さは8cm前後、幅4cm前後で、表面は濃い緑色で光沢があり全縁である。

雌雄同株で花は5枚の白い花弁があり、かすかな芳香を放ちます。


◉主な種類

原産地のものは、学名のアラビカあるいはアラビア·コーヒーと呼ばれ飲料としてのコーヒーの大部分を占めています。

このコーヒーは産地によりあるいは品種改良により、多くの通俗名として知られている。

主なものは、原産地付近で生産される「モカ」生産が多い「ブラジル」や「コロンビア」高級品として知られるジャワ島の「ブルーマウンテン」などがあります。

類似種として、同じアフリカ原産のロブスタ·リベリアなどがありますが、コーヒーとしての味はアラビア種の方が勝るとされています。




✪生育、環境

低温に気をつけます。

目安として5℃以下にならないような場所での管理が必要です。

日当たりの良い場所に適し土壌は特に選びません。

✿せん定

花は当年枝の葉腋に3〜7個ずつつきます。

花や果実を楽しむには新しい枝を切り詰め過ぎないことが大切です。

✭殖やし方
挿し木、取り木で殖やします。









2021/01/16

コノハナザクラ(木の花桜)稀少種桜 No,345

 コノハナザクラ(木の花桜)

コノハナザクラとは、日本に自生
する基本野生種ヤマザクラの変種
花は、八重咲きで一つの花に花びらが20枚以上あり、一つの花に雌しべが2本あるものがあり、花が終わると柄の先に2つずつ並ぶように実がつく桜である。

野生種のヤマザクラの八重咲きは
珍しい、自然環境の中で変異した
変種桜である。

三重県東員町には野生のものがあり、トウインヤエヤマザクラの名
で天然記念物に指定され、毎年珍しい花を咲かせてきたが、衰弱が進み推定樹齢80年の桜樹は枯れてしまいました。

この株から取り木した幼木が芽吹き、第2世が大切に育てられている。

この桜は分類学上、コノハナザクラと同種の特徴を持っている。


      (元気だった頃の枯死した桜樹)

三重県いなべ市員弁町にも一本ある、コノハナザクラは4番目に発見が確認された桜で、個人の敷地内にある。

その他、コノハナザクラは京都府亀岡市にも一本存在している。

コノハナザクラはヤマザクラより
少し遅れて4月下旬頃に咲き始める。

花はやや下向きにぶら下がるような姿で咲く。

ヤマザクラ系には、いくつかの品種がある。

ソメイヨシノの遺伝子を調べる
過程で、エドヒガンとオオシマザクラの交配で作られた、ミカドヨシノヤマザクラよりも葉や花が大きいオオヤマザクラ、北海道に多く自生するエゾヤマザクラなどがある。



ベニヤマザクラは、ヤマザクラに
比べて花の色が濃いことからこの名がある。







2021/01/15

ケンロクエンキクザクラ No,344

 ケンロクエンキクザクラ

兼六園菊桜

石川県金沢市にある兼六園は、岡山県にある後楽園、茨城県にある水戸偕楽園と共に、日本三名園の一つとして知られている庭園です。

1985年3月20日に国の特別名勝の
指定を受けている。

ケンロクエンキクザクラは菊咲きの桜で、名前にあるキクは花弁が100〜200枚を超すような品種を意味し、このケンロクエンキクザクラの場合は花弁が300枚を超えることが特徴である。


         (ケンロクエンキクザクラ)

野生種の場合サクラ類は、花弁が5枚であることが普通であるため、このサクラは花弁がとても多い品種と言えます。

その他、菊咲きの品種として

✪新潟県加茂市で発見されたカモノアケボノ(加茂の曙)

✪香川県高松市鬼無に由来する
キナシチゴザクラ(鬼無稚児桜)

✪日本に4本しかないと言う
稀少種桜のコノハナザクラ(木の花桜)三重県員弁郡、京都府亀岡市などが主として知られているが、品種の数としては10数種と余り多くありません。


樹高は3㍍程で、サクラ類としては余り大木ではありません。

園芸品種の場合、原種に比べて小さくなる傾向がありますが、このサクラの場合もそれに当てはまるのかも知れません。

開花期は4月下旬から5月頃


✿兼六園
石川県金沢市兼六町1

もとは加賀百万石大名である前田家の庭園。

長い歳月をかけて形造られ、江戸時代末期に現在の形になったと言われている。

兼六園の名前の由来は

1’宏大=こうだい、ひろく大きいこと

2’幽邃=ゆうすい、景色などが奥深くて物静かなこと

3’人力=じりょく、人の力、それで動くもの

4’蒼古、枯=そうこ、古めかしい中に深い趣きのあるさま

5’水泉=すいせん、湧き出る泉、池や滝など

6’眺望=ちょうぼう、広く遠くまで見晴らすこと

以上の六勝を兼ねる庭と言う意味で江戸時代中期の大名、老中松平定信(1759〜1829)によって命名されたと言われている。

昭和44年に枯死した初代の桜は、
日本に一本しかなかった。

天然記念物として有名であった。

現在の桜はその2代目である。






2021/01/05

2月、バラ🌹の手入れ No,343

 2月バラの手入れ

バラは上旬までは、完全に休眠していますが、中旬を過ぎると芽が
膨らみ始めます。

1’大苗の定植

2月いっぱいは適期です。

2月末に植えても、12月に植えたものと咲く時期は変わりません。

2’移植

まだ移植の適期ですが、掘り上げた時のダメージが回復するのに時間がかかります。


3’鉢植えの土替え、鉢植え

2月いっぱいは適期です。

大苗の鉢植えは、鉢に合わせて根を切り詰める。

鉢に植えたら幹を軽く地面に叩きつけるようにしながら、上下に揺すって土を落ち着かせる。

4’施肥

冬の元肥は上旬までに済ませます。

もし遅れたら、元肥にコーランなどの発酵促進剤を混ぜれば、発酵が早まり、遅れを取り戻すことができます。

5’せん定、誘引

2月いっぱいは適期です。

特につるバラは放置すると手がつけられなくなるので、必ず全部の枝幹のシュロ縄を外して誘引をやり直します。

6’病害虫の防除

石灰硫黄合剤の濃厚液7〜8倍を
散布して越冬病害虫を一掃します。

散布時期はせん定が済んで枝幹を
整理したあとがよいでしょう。

風のない時を選んで丁寧に散布します。

これをやるやらないでは病害虫の発生率が大きく違ってきます。

7’水やり

庭植えの株にはまったく不要です。

鉢植えも、よほど雨が降らない日が続かない限り与える必要はない。

8’繁殖

2月上旬までは接ぎ木の適期です。

それにより遅くなる場合は、上旬に穂木(接ぎ枝)を取り湿らせた状態で、冷蔵庫に入れておけば、3月下旬まで接ぐことができます。




2021/01/01

新年あけましておめでとうございます!


本年もよろしくお願い致します🙏


世界中の皆さんへ
幸多き年であります様に…



2021年1月1日

2020/12/30

ダチュラ (エンジェルス·トランペット)の冬越しNo,342

 ダチュラ

エンジェルス·トランペット

✿コンパクにして冬越し
熱帯原産のため、耐寒性は余り強くありません。

霜が当たると枝先から枯れてきます。

特に寒い地域では、地際まで枯れ込んでしまい、翌年に枝葉が出てきても花の咲くのが遅くなったり、開花しなかったり、最悪の場合は枯れてしまいます。

その為、寒さが厳しくなる前に、
コンパクトにせん定する必要があります。

✪暖地では枝葉を切っただけで冬越し


霜があまり降りることがない暖かい地域では、枝葉を切っただけで冬越しできます。

太い幹を地面から50〜100cmの高さで切り残して、細い枝葉は根元で切り落とします。

春になって気温が高くなってくる頃には、幹からたくさんの新芽が伸びてきます。

寒冷地ではせん定して残した枝を保護(防寒)しないと枝から新芽が出ない、最悪残した幹が枯れてしまう。




✿せん定時には必ず手袋を着用し、切り口から出る樹液には触らない。




◉保温材を使って冬越し

軽い霜が時々降りる程度の、0℃以下になる日が余りない地域では、寒冷紗で霜よけをするだけで冬越しできます。

0℃以下になって霜が度々降りる寒さが厳しい地域では、太い幹を50〜100cm程残して切り戻し、発泡スチロール等の保温材を利用して防寒します。

霜の心配がない5月中旬頃に保温材の囲いを外します。


❆掘り上げて冬越し

北海道のように寒さがとても厳しい地域では、外に植えたままでは株全体が枯れてしまいます。


株を掘り上げて鉢に植え付け冬越しをします。


枝葉の混み合った部分を切り戻し鉢のサイズ(直径)程度に掘り上げます。

鉢上げした後は、十分に水を与え暖かくなり過ぎない玄関等に置いて管理します。

霜の心配がない5月中旬頃になったら、再び庭に植え付けます。

✪鉢植えの冬越し

寒さの厳しくない地域では混み合った枝を切り戻し、寒冷紗を巻いて軒下等に置いて管理します。

寒さの厳しい地域では、室内に取り込みます。

❆挿し木の準備
冬越しのため、せん定した親株の
冬越しに失敗した場合のために、
切り戻した枝を20〜30cmに切り
水を入れた容器に水差しして室内に置いて管理します。

水が減ったらその都度足します。


                         (12月30日水に浸ける)

水差しをしていた枝から春には、たくさんの根が出ている状態になります。



3ヶ月後白い根が出てきた状態ですが、2月頃に取り出して挿し床に挿した方が根の発育が早い。


✻4月頃に、5〜6号の鉢に根を傷めないように注意しながら植え付けます。


                                 (4月3日)
 

せん定後から、水に浸けておいたものを2月に挿し床に挿したものは葉も大きく、根の生育も早い。

春になると、ポット苗や開花株など様々なサイズのものが出回ります。

大きく育てたい人は庭植えにし、
大きくしたくない場合は、鉢植えにして楽しみます。

日光に当てないと徒長したり、花がつかないことがあるので、真夏以外は日差しをたっぷり当てて育てます。

真夏は暑さをやわらげるため遮光を行う必要もあります。

✪北国での主な管理、作業

❆北海道地方
10月中旬が切り戻す適期です。

太い枝を3〜4本残して切り戻し、水やりを控えて休眠状態で冬越しさせます。

生育期に入る前の4月頃になるべく、大きな鉢(直径30cm以上)に植え替えます。

春から秋の生育期には戸外に出して管理します。


❆東北地方
開花期は7月から9月です。
開花中は水切れに注意し、追肥を施します。

花が終わってしばらくした10月に地際から30cm程を残して切り戻します。

その後、室内に取り込み5℃以上で管理します。

冬の間は鉢土が乾かない程度に水やりをします。


❆南国での主な管理、作業

❆九州地方
11月中旬頃までは戸外で、満開を迎える時期です。

その花が終わった11月下旬が、切り戻す適期です。

切り戻したあと、鉢植えの株は日当りの良い軒下や室内へ移動します。

庭植えの場合は、11月下旬に切り戻して、冬越しの準備を行います。

✻関連ブログ
ダチュラ(エンゼルストランペット)
No,264


★昨年年末にせん定した樹がたくさんの花を咲かせていました。


       「2021年9月8日撮影」