ウジカンダ マメ科(絶滅危惧種)
マメ科のツル植物で大型のツルになり、大きな紫の花を房状につける。
イルカンダの別名もある。
イルカンダは沖縄、奄美、徳之島、沖永良部島の森に自生する生命力の強い植物で、チョコレート色の硬い種を森から川、そして海を漂いながら海辺に漂着する。
海流散布で子孫を広げる植物であるとされるが、海水での浮遊能力はなく、疑問が残る。
花は周りのハゼノキなどに巻き付いて成長し、ブドウの房のように連なった花を咲かせる。
2月中旬から5月の連休頃までに花を咲かせ、およそ20~40㎝の種さやをぶら下げるが、結実することは珍しいとされる。
海流散布について
海を渡る植物
このような植物は、汎熱帯海流散布植物と呼ばれ、種子を海流によって運ばせることで、赤道付近を中心に地球を一周するほどの分布域を獲得した植物の総称である。
地球表面の約70%を覆っている海は、多くの陸上植物にとって分布拡大の妨げとなっている。
しかし、逆にその海を利用して信じられないほど広域分布を得た植物が、汎熱帯海流散布植物である。
代表的なものは、ヒルガオ科のグンバイヒルガオやマメ科のナガミハマナタマメ、アオイ科のオオハマボウの3種である。
いずれの分布域は、年平均の海水温が20度以上の地域と、おおむね一致している。
また、暖流と寒流の流れが分布地域に大きく影響していると考えられ、暖流の流れ込むアフリカ大陸や南米大陸の東海岸では、南回帰線以南にも生育している。
しかし、寒流の流れ込む西海岸では南回帰線以南には生育していないなどの影響がある。
グンバイヒルガオの種子は、種子の表面に短い毛が一面に生えていて、水をはじくのに役立っていると考えられ、種子は少なくとも3ヶ月以上は生きたまま海水に浮かんでいる事ができると考えられ、海流をうまく利用することで、広大な分布域を得ていったと思われる。
しかし、どのような経路でどのくらいの時間をかけて世界中に分布域を拡大して行ったかは、解明されていない。