緑のお医者の徒然植物記

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2022/09/28

肥料成分の配合と性質 No,618

 肥料の三大要素

要素の種類によって植物に及ぼす効果は異なり、肥料の性質は三大要素のチッ素、リン酸、カリの配合比と量で決まります。


葉茎の育ちを良くしたい場合は、チッ素成分の多い肥料を与え、花をたくさん咲かせ実のなりを良くしたいのであれば、リン酸成分の多い肥料を与えます。


肥料の性質を知って、目的に応じて使い分けることが大切です。

化成肥料には「8-8-8」や「5-8-4」などの数字が記載されていますが、これはそれぞれの肥料に含まれる「チッ素、リン酸、カリ」の順番で表記しているもので「8-8-8」の場合は、肥料全体を100gとした時に、チッ素8g、リン酸8g、カリ8gが含まれることを表しています。

また、数字が大きければ、同じ重さの肥料を与えても施用量は異なります。

必要以上に肥料を与えると植物が軟弱に育ち、病害虫が発生して枯れたり、肥料やけを起こし、成長が悪くなることもあります。


しかし、養分が不足した場合、生育は衰えますが急に枯れることはありません。

施肥する時は、肥料の表記をよく確認して与え過ぎない事が大切です。



①マグネシウムはリン酸の吸収や光合成を助ける。

②カルシウムは植物の組織を作る。
不足すると新芽が枯れて成長が遅れる。

③チッ素は葉肥(はごえ)とも呼ばれ、植物の体、特に葉や枝を大きく成長させる要素で、足りなくなると葉が黄色っぽくなる。


④リン酸は、花肥](はなごえ)実肥(みごえ)とも呼ばれ、開花や結実、根の成長を促します。

不足すると花つきが悪くなったり、開花や結実が遅れたりする。

⑤カリは根肥(ねごえ)とも呼ばれ、根や茎を強くし、各部の成長を良好にする。

足りなくなると葉の中心は暗緑色、先端や縁は黄色っぽくなるなど、病気にもなりやすく成長が遅れます。


化学肥料

チッ素肥料(N)


✪硫酸アンモニア(速効性)
アルカリ性の肥料、石灰、草木灰などと混ぜて使用しない。
日数をおく。

✪硝酸アンモニア(速効性)
他の肥料と混用しない。
貯蔵中は火気に注意する。

✪尿素(ウレア、やや速攻)
大豆かすと混用しない。

✪石灰窒素(速効性)
カルシウムを含む
アンモニア系の肥料と混用しない。

✪IBチッ素(暖効性)
化学的に暖効性を持たせた肥料

✪大豆かす(有機質肥料、暖効性)
N:P:K=6:1:1程度
チッ素肥料として使用


リン酸肥料(P)

✫過リン酸石灰(速効性)
腐葉土や堆肥と混ぜて使用すると良い
石灰を含む肥料とは混用しない

✫骨粉(有機質肥料、緩効性)
リン酸肥料として利用
肉が混ざったものはチッ素含む


カリ肥料(K)

❉塩化カリウム(速効性)
吸湿性が強いので密封保存する

❉硫酸カリウム
肥効が長持ちする
ただし、施肥量の多い場合は一度に与えず分肥する

❉有機質肥料
魚かす(速効性)
魚肉にチッ素を含み骨にリン酸を含む
草木灰を混ぜると良い

❉乾燥牛糞(緩効性)
チッ素は鶏ふんの三分の一程度


石灰肥料

消石灰(水酸化カルシウム)
生石灰(酸化カルシウム)
炭酸石灰(炭酸カルシウム)

石灰肥料は、カルシウムの補給よりも土壌の中和を目的として使用される。

チッ素肥料などの肥効を減少させることがあるので、肥用には注意が必要となる。

炭酸苦土石灰(炭酸マグネシウム)

苦土石灰は土をアルカリ性に傾ける効果があるので、苦土石灰をうまく使えば植物はとても育ちやすくなります。

苦土=マグネシウム、石灰=カルシウム、「ドロマイト」と呼ばれる岩石を使いやすいように、粉状、粒状にした肥料で、炭酸カルシウムと酸化マグネシウムが主成分