肥料の三大要素
要素の種類によって植物に及ぼす効果は異なり、肥料の性質は三大要素のチッ素、リン酸、カリの配合比と量で決まります。
葉茎の育ちを良くしたい場合は、チッ素成分の多い肥料を与え、花をたくさん咲かせ実のなりを良くしたいのであれば、リン酸成分の多い肥料を与えます。
肥料の性質を知って、目的に応じて使い分けることが大切です。
化成肥料には「8-8-8」や「5-8-4」などの数字が記載されていますが、これはそれぞれの肥料に含まれる「チッ素、リン酸、カリ」の順番で表記しているもので「8-8-8」の場合は、肥料全体を100gとした時に、チッ素8g、リン酸8g、カリ8gが含まれることを表しています。
また、数字が大きければ、同じ重さの肥料を与えても施用量は異なります。
必要以上に肥料を与えると植物が軟弱に育ち、病害虫が発生して枯れたり、肥料やけを起こし、成長が悪くなることもあります。
しかし、養分が不足した場合、生育は衰えますが急に枯れることはありません。
施肥する時は、肥料の表記をよく確認して与え過ぎない事が大切です。
①マグネシウムはリン酸の吸収や光合成を助ける。
②カルシウムは植物の組織を作る。
不足すると新芽が枯れて成長が遅れる。
③チッ素は葉肥(はごえ)とも呼ばれ、植物の体、特に葉や枝を大きく成長させる要素で、足りなくなると葉が黄色っぽくなる。
④リン酸は、花肥](はなごえ)実肥(みごえ)とも呼ばれ、開花や結実、根の成長を促します。
不足すると花つきが悪くなったり、開花や結実が遅れたりする。
⑤カリは根肥(ねごえ)とも呼ばれ、根や茎を強くし、各部の成長を良好にする。
足りなくなると葉の中心は暗緑色、先端や縁は黄色っぽくなるなど、病気にもなりやすく成長が遅れます。
化学肥料
チッ素肥料(N)
✪硫酸アンモニア(速効性)
アルカリ性の肥料、石灰、草木灰などと混ぜて使用しない。
日数をおく。
✪硝酸アンモニア(速効性)
他の肥料と混用しない。
貯蔵中は火気に注意する。
✪尿素(ウレア、やや速攻)
大豆かすと混用しない。
✪石灰窒素(速効性)
カルシウムを含む
アンモニア系の肥料と混用しない。
✪IBチッ素(暖効性)
化学的に暖効性を持たせた肥料
✪大豆かす(有機質肥料、暖効性)
N:P:K=6:1:1程度
チッ素肥料として使用
リン酸肥料(P)
✫過リン酸石灰(速効性)
腐葉土や堆肥と混ぜて使用すると良い
石灰を含む肥料とは混用しない
✫骨粉(有機質肥料、緩効性)
リン酸肥料として利用
肉が混ざったものはチッ素含む
カリ肥料(K)
❉塩化カリウム(速効性)
吸湿性が強いので密封保存する
❉硫酸カリウム
肥効が長持ちする
ただし、施肥量の多い場合は一度に与えず分肥する
❉有機質肥料
魚かす(速効性)
魚肉にチッ素を含み骨にリン酸を含む
草木灰を混ぜると良い
❉乾燥牛糞(緩効性)
チッ素は鶏ふんの三分の一程度
石灰肥料
消石灰(水酸化カルシウム)
生石灰(酸化カルシウム)
炭酸石灰(炭酸カルシウム)
石灰肥料は、カルシウムの補給よりも土壌の中和を目的として使用される。
チッ素肥料などの肥効を減少させることがあるので、肥用には注意が必要となる。
炭酸苦土石灰(炭酸マグネシウム)
苦土石灰は土をアルカリ性に傾ける効果があるので、苦土石灰をうまく使えば植物はとても育ちやすくなります。
苦土=マグネシウム、石灰=カルシウム、「ドロマイト」と呼ばれる岩石を使いやすいように、粉状、粒状にした肥料で、炭酸カルシウムと酸化マグネシウムが主成分
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