緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2023/11/08

ツバキの葉に斑点が発生 No,673

 ツバキの葉に発生する灰そ病

ツバキの葉や果実、若い枝などに斑点が発生

斑点は葉の縁の方からできています。

形は円形か崩れた円形で、最初のうち淡い緑色の斑点で、しばらくすると斑点の色は赤褐色に変わり、更に褐色になり、最後には周囲が褐色で中心部が灰色の斑点に変化し、古い病斑の上に黒い微粒子ができます。

これは灰そ病です。




病原菌は子のう菌の一種で、黒い微粒子は病原菌の分生胞子及び、子のう殻(胞子を作る容器)です。

雨が降ったあとや湿度が高いときに、この黒い粒から鮭肉色(けいにくしょく)の粘液(胞子粘塊=ほうしねんかい)を出します。

梅雨の6月から七月、秋の長雨が続く9月から10月頃に多発します。

この病気の特徴は、樹勢が強いと発病しないで菌は樹幹内に潜伏し、樹勢が弱まったり、日焼けを受けたりすると発病し、病斑を作ることです。

感染経路は、降雨後などに鮭肉色の粘液が虫、風、雨滴などに運ばれ感染します。


治療、防除

発生の多い6月から7月、9月から10月には月に1回〜2回の割合で、ダイセン、マンネブダイセン、ベンレートなどを散布

病気になった部分は切り除いて焼却処分

その後、トップジンМ水和剤1000倍液を1週間おきに数回散布する。

風通しが悪いと病気になりやすいので、せん定して風通しを良くします。

樹勢を弱めると発病するので、寒害、日焼けなどに気をつけ、樹勢を強く保つようにします。

✿ツバキ関連ブログ
椿油と五島うどんのルーツNo,413
ヤブツバキNo,280









2023/11/04

コーヒーの効能 No,672

 コーヒーの効能

コーヒーはアカネ科コーヒー属に属する植物の総称で、主に栽培種を指します。

アラビア種の原産地はエチオピア南西部の高地で、多数の野生種がアフリカ大陸西部から中部、そしてマダガスカル島と周辺諸島にかけて分布しています。

野生のまま放置しておくと10m程度まで生長する。





❉コーヒー100mlに含まれる栄養成分

水分        99.5g
タンパク質       0.2g
脂質          0.1g
カルシウム       0.1g
リン         4㎎
ナトリウム     2.0㎎
カリウム      55㎎ 
ビタミンB2    0.01㎎
ナイアシン     0.3㎎


✪疲労回復

コーヒーに含まれるカフェインは、神経や筋肉を刺激する作用があるので、肉体の疲労を回復される効果があります。

✪コレステロールを下げる働き

コーヒーに含まれるニコチン酸(タバコのニコチンとは別物)は、毎日適量を摂ることでコレステロール値を下げる効果があります。

ニコチン酸の効果によって、心筋梗塞などの心臓病を防ぐ働きがあると言われています。

コレステロールとは、人間の体に存在する脂質の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸を作る材料となっています。

コレステロールは肝臓で作られ、血液(血管)によって全身に運ばれます。

余分なコレステロールは血液で肝臓に戻ってきます。

コレステロールは、脳や肝臓、神経組織などに多く含まれており、生命維持に欠かせない重要な物質である。


✪善玉コレステロールの増加

コーヒーを飲み続けると、善玉コレステロールの高密度リポタンパクが次第に増加します。

リポタンパク(質)とは、血液中において水に不溶な脂質を、吸収部位や合成部位から利用部位へ、運搬するための複合粒子です。


✪ぜん息の発作を抑えます。

ぜん息の発作は、自律神経の一種である副交感神経が緊張している時に、起こりやすいと言われていますが、コーヒーに含まれるカフェインにより、もう一つの自律神経である交感神経を、興奮させる作用があることが知られています。

これによって副交感神経の働きを抑え、ぜん息の発作を起こりにくくします。

副交感神経とは、自律神経の一種で、臓器や器官などの働きを抑制する神経系です。

主に休息している時に優位に働く自律神経で、血圧を下げたり心拍数を低下させたりするなどの役割を持っています。


✪脂肪を分解します。

コーヒーを飲むと、血液中の脂肪酸が分解されますが、この脂肪酸の元が皮下脂肪などです。

ただし、この分解する働きは砂糖やクリームを混ぜると多少低下するようです。

皮下脂肪はジワジワと増え、減らしにくいのが特徴です。

✿体脂肪率による肥満度
軽度肥満
男性は20%以上
女性は30%以上

中等度肥満
男性は25%以上
女性は35%以上

重度肥満
男性は30%以上
女性は40%以上


✪消化を促進します

カフェインが脳の「迷走神経」を刺激して、胃酸の分泌を盛んにして消化を助けます。

迷走神経とは、感覚神経、運動神経のひとつで、嚥下(えんげ)運動や声帯の運動、耳介(じかい)後方の感覚などに関係する神経で、体内で多数に枝分かれして複雑な経路をとり、胸腔内から腹腔内にまで広く分布している。

耳介とは、皮膚と軟骨からできた頭部の両側に突き出した器官(耳)のこと


✪精神のリラックス効果

コーヒーの香りを嗅ぐと脳から出るα波が増加し、気持ちを落ち着かせる効果があることが分かっています。

ただし、最も精神安定効果があるのは、1日2杯から3杯が適量のようです。

✪コーヒーがなぜがんの予防になるの?

大多数の研究結果として、コーヒー及びお茶の通常範囲の摂取では、いかなる部位でもガンとの優位な関連はないことを示しているとなっている。

これは、1997年に世界がん研究基金発表によるものです。

国立がんセンターの調査、研究によると、肝臓がんと子宮体がんの予防に効果が期待できるとされ、肝臓がんを抑える効果はほぼ確実とされ、子宮体がんは抑える効果は可能性ありと判定されています。

脂肪は酸素と結びついて酸化します。

これによってできた物質が、DNAを刺激して細胞の突然変異が起こり、老化やがんの原因になると言われています。

コーヒーに含まれるクロロゲン酸という物質は、体の中の炎症を抑え、酸化するのを抑える働きがあるとされる。

DNAは生物の遺伝情報(ゲノム)を担う物質で、日本語ではデオキシリボ核酸であるが、DNAと呼ばれることが多い。

ポリフェノールの一種のクロロゲン酸は、コーヒー生豆に多く含まれ、この成分は抗酸化作用のほか、脂肪の蓄積を抑える効果などが知られています。

また、糖尿病や肥満の予防のためのサプリメント等に利用されています。

✪カフェインの作用には注意が必要

飲みすぎると現れる症状

何度もトイレに行きたくなる=利尿作用

不眠症になる=覚醒作用

胃もたれ、吐き気、肌荒れ=胃酸分泌

頭痛、疲労=血圧上昇


✪コーヒーに関連するブログ
コーヒーの木 No,346








2023/11/03

ビロウヤシ No,671

 ビロウヤシ 檳榔、蒲葵

ヤシ科ビロウ属 別名=セイタカビロウ

ビロウヤシはインドネシアなどの熱帯アジアが原産地のヤシ科の常緑樹です。




日本では四国の南部から南に分布し、島や海岸付近の山に生える。

四国、九州では3m程で、大きく育ったものでも5m程だが、亜熱帯では幹は直立して高さ15m程になるが、原産地では30m程の高さまで生長する。


種子は嗜好品(しこうひん)として、噛みタバコに似た使われ方をされ、ビンロウジという場合は通常この種子を指すが、発がん性が指摘されている事から「死の実」とも呼ばれる。

日本への伝来は奈良時代とされ、当時は高級な漢方、薬や染料の材料として使用されたが、庶民まで伝わることはなかったようだ。

寒さに強く、多くの地域で屋外でも越冬可能

成長は非常にゆっくりで、関東では年々数センチくらいです。


直射日光には若干弱い傾向があり、夏に葉焼けすることもあります。

九州地方では街路樹などに利用され、その他に扇や笠に利用する。










カラスザンショウ No,670

 カラスザンショウ (烏山椒)

ミカン科サンショウ属 落葉高木
別名=アコウザンショウ/イヌダラ/コメダラ/ヤマザンショウ

サンショウと違って✪アルカロイドを含むので、イヌザンショウとともにイヌザンショウ属に入れる場合がある。

✪アルカロイドとは、窒素を含む塩基性の植物成分の総称で、アルカロイドはアルカリに似た化合物と言う意味で、植物塩基ともいう。

一般に少量で動物に対して強い生理作用をもつ。
ニコチン、モルヒネ、コカイン、アコニチン、キニーネなど

カラスが種子を食べることからついた名前だという。





落葉樹としては塩分に強く、自生は太平洋岸の山地に多いが、ヒヨドリ、ムクドリ、ヤマドリ、メジロなどの野鳥が好んで種子をついばみ、カラスによって散布された種子はよく発芽し、裸地のはじめに生える先駆植物になっている。


枝には鋭いトゲがあり、大木に生長しても樹皮にはイボイボのトゲの痕跡が残る。

花期は7月から8月で花はとても小さく、直径5㍉ほどで果実は赤く、裂開すると黒い種子ができる。


他のミカン類同様、若葉はモンキアゲハやカラスアゲハなどアゲハチョウ類の幼虫に食害されるほか、蜂の蜜源植物にもなっている。








2023/11/02

ヒメユズリハ No,669

 ヒメユズリハ(姫譲葉)

ユズリハ科 別名ユズルハ

本州中南部、四国、九州及び沖縄の主に海岸部に分布し、ユズリハに似た葉が小さい木としてヒメユズリハと名付けられた。




トベラやウバメガシと共に、海岸林の重要な構成樹種である。

雌雄異株の常緑高木で樹高は10m程になる。

西日本では正月飾りとして、ダイダイやウラジロと共に鏡餅などに使われる縁起の良い木とされる。

樹皮や枝葉にはユズリハ同様、有害成分が含まれていて除虫に使われる。

葉や幹が小さく成長が遅いため、一度せん定をした後は次のせん定までの期間を、あける必要があります。

幹や太枝からの萌芽があまり期待できないので、太枝などのせん定は避けた方が無難です。

せん定の時期は花を付けた後の6月頃と、実が落ちた後の12月頃が適しています。

せん定作業は多くても年2回行う程度で十分です。

乾燥に弱く、粘土質でやや湿り気のある土壌が適し、水はけの良い場所では育ちにくいため、堆肥や腐葉土を混ぜ込んだ水持ちの良い土で育てます。

耐寒性があり、日当たりの悪い場所でも植えることができますが、1日中日の当たらない場所では間延びした枝ぶりになってしまうので、植え付け場所は十分に選ぶ必要があります。


エゾユズリハ

北海道及び近畿地方以北の本州、日本海岸内陸部に分布する常緑低木で樹高は1〜3m、雪が多い寒地に適した樹種です。

この他、葉が黄白色の斑が入る園芸品種のフイリユズリハや沖縄、台湾に分布するシマユズリハ、奄美大島に自生するアマミユズリハなどがあります。









シャシャンボ No,668

 シャシャンボ 

ツツジ科スノキ属 別名=ナガバシャシャンボ、シャセンボ




四国、九州、沖縄に分布する
(小小ん坊、南燭)

果実が小さいのでこの名がある。

晩秋に熟す実は昔から食用とされ、「サシブ=烏草樹」という古名で親しまれていました。

粒は小さいが甘酸っぱくて美味しい。

低山の林に生え、3m程の高さになる。

花は上部の葉の付け根から伸びた花茎に、びっしりと下向きにつく。

花期は5月から7月、花には軟毛が密生し、先端部分がわずかに開く。

果実は直径が5㍉ほどで粉白を帯びる。

樹勢が強いためブルーベリーの台木に使われる。