緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2024/10/17

土壌中の生物① No,731

 土壌生物の種類(1)

土壌中の微生物は細菌、放線菌、糸状菌、原生動物の4種類に大別されます。

①細菌

単細胞(0.4~2.0μm=マイクロメートル)
あるいは細胞の連鎖状

細菌は単細胞で、硬い細胞壁を有する原核生物であり、二分裂で増殖する。

細菌とウイルスの大きな違いは増殖の仕方です。

細菌は二分裂で増える病原性を示す細菌で、早いもので数十分、遅いものでは何時間もかかって一つの細菌が2つに増えます。

通常の土壌細菌は球状、桿状、らせん状を成しています。

桿状(かんじょう)とは、細胞や細菌のような形をしているさまを示す表現です。

細菌は、ペプチドグリカンとテイコ酸を主要な細胞壁成分とするか、少量のペプチドグリカンとリボ多糖、リボタンパクを細胞壁成分とするかによって、グラム陽性細菌とグラム陰性細菌に大別されます。

ペプチドグリカンとは、原核生物の細胞壁を構成する成分で、糖ペプチドからなる高分子の化合物の一種です。


原核生物は、核や他の膜結合細胞小器官を持たない単細胞生物です。

細菌は、動物でも植物でも菌類でもない生物たちの総称です。

テイコ酸とは

タイコ酸とも言われ、グリセロールリン酸または、リビトールリン酸とホスホジエステル結合を介して結合した、炭水化物との細菌を培養して生産される細菌共重合体です。

リポ多糖とは

糖と脂質が結合した構造をしている、水と油の両方に溶けるマヨネーズなどの両親媒性(分子)の物質です。

グラム陰性菌の細胞壁を構成する糖脂質の成分で、内毒素(エンドトキシン)とも呼ばれます。


グラム陽性細菌とは

グラム染色と呼ばれる化学的処理の適用後に、細菌が何色に染色されるかに基づくもので、紺青色あるいは紫色に染色される細菌の総称です。

グラム染色とは

細菌を青色と赤色に染め分ける染色方法で、細菌の同定や感染症の起因菌の推定などに使用されます。

主として細菌類を色素によって染色する方法の一つで、細菌を分類する基準の一つ。

グラム染色は、デンマークの学者のハンス·グラムが1884年に考案しました。

紫色に染まるのをグラム陽性菌とし、染まらないものをグラム陰性菌と分類します。


グラム陰性細菌とは

グラム染色により、赤色あるいは桃色に染色される細菌の総称で、グラム陰性細菌の中には有用な菌も病原性の菌も含まれます。


肥沃な表土には、土壌1㌘当たり数10億の細菌が生息する。

肥沃(ひよく)とは、土地が肥えて作物が良くできること、またその様子のことで、肥饒(ひじょう)とも言う。


細菌は、動植物の遺体や腐植物質など、有機物の分解を行うとともに、窒素固定や脱窒作用など農業上重要な作用を営むグループを含む。

脱窒(だっちつ)は、細菌などのバクテリアの働きによって行われる他、農業環境や下水処理において行われる。

農業環境では、茶畑や畜産などから排出される硝酸性窒素を含んだ水が、水田や沼、沢地などを通過する際に脱窒され、窒素濃度が低下します。

下水処理では、下水中のアンモニアが硝酸に変化した後に、脱窒によって硝酸が窒素ガスに変化し、大気中に放出されていきます。

自然界では森林土壌、河川の低泥(ていどろ=ヘドロ)や付着物層、湖の底層水や低泥、ヨシ群生地帯などで脱窒が起こりやすい。


藍藻(らんそう)類も細菌の一種であり、光合成能力とともに窒素固定能力を有し、水田土壌の肥沃度増進に役立っています。

更に細菌は、窒素、イオウ、鉄、マンガンなど無機元素の酸化、還元反応に関与し、土壌の物質循環の重要な担い手となっています。


微生物は一般に様々な極限環境下に生育できるが、特に細菌はその能力に優れ、あら
ゆる土壌中でも広く活動しています。

水田に水を張っている湛水(たんすい)期の水田土壌など、酸素を含まない(嫌気=けんき状態)では、細菌が主な物質環境の担い手となっています。


細菌と複合病

線虫と病原微生物との相互関係により、個別的な感染よりも被害の増大や、抑制が認められる線虫関連病害を複合病という。


細菌との混合感染による被害は、ネコブセンチュウが関与している場合が多く、ナス科の青枯病は、サツマイモネコブセンチュウやキタネコブセンチュウと混合感染して被害が大きくなる。

桃の根頭がんしゅ病は、シャワネコブセンチュウと混合感染して被害が大きくなる。

トマトのかいよう病は、サツマイモネコブセンチュウと混合感染して被害が大きくなる。


センチュウ防除

播種、定植前にネマトリンエース粒剤
ラグビーMC粒剤、ネマキック粒剤などを散布する。

米ぬかを土に混ぜる。

同じ科の野菜を近くに植えない。

他の場所で使った土や、消毒していない道具を持ち込み使用しない。

対抗植物を植える

マメ科のクロタラリアやコブトリソウ
イネ科のギニアグラスやソルゴー
キク科のマリーゴールドを植える。










2024/10/15

アサイー No,730

 アサイー ヤシ科

アサイーはブラジルのアマゾンが原産のヤシ科植物

アサイーベリーなどと表記されることもあるが、植物学的にはブルーベリーや、その他のベリーとは近縁ではありません。


アマゾン地帯の河岸や河岸の平野部、水べりに生育している。

アサイーはアマゾンの先住民の間で、15世紀の大航海時代以前から食べられていて、「アマゾンの宝石」とも呼ばれています。

和名はニボンモドキ、ワカバキャベツヤシ

大きく生長すると25㍍もの高さになり、2㍍ほどの大きな葉を生やし、ほうき状の房にブルーベリーよりひと回り大きい黒紫色の実をつけます。


     「アサイーの果実」


ポリフェノールが豊富に含まれ、更に鉄分も豊富であるため、貧血予防にも効果的とされます。

ビタミンEや食物繊維、カルシウム、マグネシウムなど栄養素も含まれています。

栄養価が高いブラジルのスーパーフルーツ


特に抗酸化作用が高く、アンチエイジングや花粉症予防、メタボ予防に効果が期待できるとされています。


植え付け

アサイーは寒さに弱いので、3月頃から10月までに植え付けます。


植え付けてから4年ほどで安定的に実をつけますが、果実の約95%が硬い種で食べられる果肉はわずか5%程しかありません。

収穫時期は8月末頃から12月


甘味、酸味もあまり強くなく、ポリフェノール特有のわずかな渋みと風味がする。

アサイボールとして楽しむのが一般的です。

アサイボールとは、アサイーと言う果実と豆乳で作ったスムージーに、グラノーラやフルーツなどをトッピングするブラジルのスイーツです。


ブラジル(リオデジャネイロ)発祥のアサイボールは、ハワイのカフェやレストランで提供されるようになった、特にセレブたちがこぞって食べ始めたことで人気となった事をきっかけに、世界的に注目されたと言われています。


更にその知名度を上げ、日本でもハワイアンレストランを中心に広まりました。










2024/10/12

クラッスラ·ポルツラケア No,729

 クラッスラ·ポルツラケア

ベンケイソウ科

クラッスラ·ポルツラケアは通常、「金のなる木」と言われている正式名であり、園芸名では「カゲツ」とも呼ばれます。

和名は、「フチベニベンケイ」であるがあまり使われない名である。

また、英語では「マネーツリー·ダラープラント」などといい、葉が硬貨に似ていることが名前の由来とされている。


縁起物でもあり、丸い葉を持つことから金運効果が期待できる植物とも言われています。


    「せん定した枝挿し」


リビングや寝室、玄関などに置き、財運を司る方位の西、金の気を持つ北西などに飾ると良いとされています。

金のなる木に花が咲くと不吉になるという言い伝えがあります。

これは、花を咲かせたまま放置すると、やがて種をつけて元の株は枯れてしまうためで、枯れることを連想させるために不吉と言われるようになりました。


葉がポトポト落ちる

根腐れや根詰まりが原因で葉が落ちる場合は、なるべく早めに植え替えを行います。

根腐れしていると葉がブニョブニョしてきます。

根詰まりしていると、水やりの際の吸い込み(水はけ)が悪い状態になります。

植え替えを行う時は、できるだけ古い土を落として腐った根は取り除くことです。


水やり

冬の間は休眠期に入るので、ほとんど水やりを必要としません。

気温が15度以下になったら徐々に水やりの回数を減らしていき、気温10度以下では完全に水を与えない方が、耐寒性はむしろ上がって丈夫に育ちます。


春が近くなって暖かくなり始める頃に、だんだん水やりの回数を増やしていきます。


伸びすぎた株、せん定

大きくなり過ぎた株は、4月〜10月に好みの位置で切り戻します。

切り取った枝は、風通しの良い日陰で切り口を乾燥させて、挿し穂として使うことができます。


3月、6月、9月〜10月は軽めのせん定なら大丈夫ですが、生育が活発な4月〜5月、7月〜8月は、樹液が流れ出て木がダメージを受けてしまうので、せん定そのものを避ける必要があります。


枝を短く切っても、新たな芽を伸ばして成長を続けることができます。


                          「A」


                                 「B」

「A.B」
せん定後、新しく伸びてきた新芽(葉)


株を増やす目的で挿し木を行うときにも、せん定は必要な作業です。

また、せん定する際には、幹から伸びた細い枝を2〜3本残しておくようにします。


せん定する位置は気にせずバッサリ切ることができますが、1回に切ってよいのは草丈の三分の一程度です。


置く場所

4月〜11月までは、屋外の風通しが良く明るい軒下に置きます。

梅雨から夏は直射日光が当たると葉焼けを起こし、葉が枯れて(黒く縮れて乾燥)落下するので注意が必要です。


11月以降は、日当たりの良い室内に移動し、5℃以上に保てる場所に置きます。

室内よりも屋外の方が元気に育ちますが、梅雨や秋の長雨に当たらない場所が適しています。

また、水はけの良い土に植え替えると元気に育ちます。


肥料

春から夏の生育期には固形肥料を株元に置くか、液体肥料(ハイポネックス1000倍液)を月に2回程度水やり代わりに与えます。

固形肥料は室内に移動する時には取り除くと良い

冬は休眠期となるため、一般的に植物に肥料は与えません。

しかし、室内の暖かい場所で育てている観葉植物の場合は、濃度を薄めた液肥を2週間に1回程度与えます。

与え過ぎは禁物で、また植え替え直後の追肥は2週間程避けるようにします。


また、すべての観葉植物が肥料を必要とするわけではありません。

基本的に冬の休眠期に肥料を与えると、肥料焼けを起こして枯れてしまうので注意が必要です。









2024/10/11

ふくむらさき芋の栽培② No,728

 ふくむらさき

紫芋

収穫予定日まで10日余り、少しだけつる葉を残した状態にするため、つる切りを行いました。


    「9月28日ツル切り」

植え付けから5ヵ月余り、試験的行ってみたいと思います。

さつまいもの生育状態が変化するとは思いませんが、収穫する一週間前につるを切ってしまうことで、さつまいもの甘みを増すことができると言われています。

全てを切らずに少しだけ残して、収穫の数日前にもう一度、最後は残さずに切ってみようと思います。


日光があまり当たらない場所のさつまいもの生育がどうなるのか?

つるを切っても意味がないのかと言うことです。

       「8月20日」

植え付けから3ヵ月後のさつまいもの肥大状態

    「試し掘り8月20日」


       「10月3日」

すべてのツルを切って1週間後に収穫予定です。

同時にマルチも外して収穫までそのままの状態。


仮収穫(10月7日)


      「ふくむらさき」

この品種の生長はかなり遅い

日照が少ない場所では、ほとんど肥大しないのではないかと思う。

前回の試し掘りから40日経過している状態でも、ほとんど肥大していない。


さつまいもが肥大するのは7月〜10月とされ、肥大期間には日照が多く乾燥気味になったほうが、デンプンがよく蓄積され美味しい芋になります。

植え付け後、120〜140日程度、品種によっては160日程度が収穫の目安とされています。

また、株間が広ければさつまいもは大きく育ち、狭ければ小さく育つとされています。


肥料が多いと葉ばかり茂る「つるボケ」になり、芋が出来ない状態になります。









2024/10/04

ナスの主な病気 No,727

 主に家庭菜園で起きるナスの病気

ナスが萎れて枯れる病気

半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)
発生時期(6月〜9月)

カビの一種である、バーティシリウム·ダーリエと言う糸状菌が引き起こす病害で、ナスやピーマン、ブドウなど様々な作物に被害をもたらします。

ナスにとって極めて重大な病害です。

感染が拡大すると株全体が枯死して、収穫できない場合もあります。

✼症状として
下葉の片側だけに葉脈で区切られた周縁の不鮮明な淡黄色の斑点が現れ、葉の片側だけが黄化して萎れてしまう。

日中に葉の縁側が、上方に軽く巻き上がる症状が現れます。


✼対策として
育苗には無病土壌を用いる。

前作に発病した場合は、太陽熱処理や土壌くん蒸剤による土壌消毒を行う。

土を消毒する対策をしてから育てることが大切で、すでに発病した株は直ちに抜き取ります。

また、抵抗性台木で病害虫に強い、接ぎ木苗を使うと病気にかかりにくい。


青枯れ病
発生時期(6月〜9月)
病原細菌が土壌中に生存し、根の傷口や地上部から侵入して、株全体が萎れて枯死してしまう。

✼症状として
一部の葉が水分を失って青い葉のまま萎れてしまう。

2〜3日間は日中は萎れた状態になり、夜間や曇雨天の日には回復しますが、その後回復しなくなり、やがて株全体が萎れて枯死してしまう。




ナスの実を触るとブヨブヨと柔らかい。

ナス科の青枯病は、サツマイモネコブセンチュウやキタネコブセンチュウと細菌が混合感染して被害が大きくなる。

根にコブができ、根の組織が壊されて養分や水分を吸収しにくくなり、やがて枯死してしまう。

土質によっても被害程度が異なり、粘土質土壌よりも砂質土壌や火山灰土壌などの排水の良い土壌で、ネコブセンチュウの被害が大きい。


✼対策として
太陽熱利用による土壌消毒や、土壌くん蒸剤などによる土壌消毒を行う。

発病した株は直ちに抜き取ります。

また、せん定や収穫でのハサミによる発病株から、健全株への伝染を防ぐためにハサミの消毒を行います。


  「次亜塩素酸ソーダによる消毒」

また、ナスと一緒に生姜(ショウガ)を植えると、病気を予防してくれる効果があると言われています。

ネコブセンチュウの防除対策として

播種、定植前に土壌にネマトリンエース粒剤、ラグビーMC粒剤、ネマキック粒剤などを散布する。

米ぬかを土に混ぜる。
同じ科の野菜を近くに植えない。
他の場所で使った土や道具を、消毒しないまま使用しない。

マメ科のクロタラリアやコブトリソウ
イネ科のギニアグラスやソルゴー
キク科のマリーゴールドなどの対抗植物を植える。


苗立枯病
発生時期(4月〜5月)
高温性病原菌が原因で、高温期の育苗時に発生する危険性があります。

初芽してすぐや、定植したての苗が倒れて枯れてしまいます。

発病した苗はすぐに抜き取りましょう。

ナス科の野菜は連作障害を起こしやすく、毎年同じ場所で栽培することができません。

同じナス科の野菜を植えたあとには、違う野菜を植えるなど、連作しないように注意が必要です。


ナスの葉が黒くなる原因?
黒枯病や褐斑細菌病などが考えられます。

黒枯病はハウス栽培で多発し、病原菌は土壌表面やハウス資材などに残留して伝染源となります。

下位の病葉や株元の落葉をできるだけ取り除きます。

病気の早期発見につとめ、ダコニール1000倍液を活用して、発生初期の予防をする。


ナスの葉の中に黒い葉がある。

ナスの実と同じ色の葉は、健全に育っている証拠とされます。

マグネシウムが不足するとこの色が薄くなります。





ナスの生長点付近の葉が紫色(ナス色)になっているは、アントシアニンの色で、肥料がよく効いていたり、低温に遭遇した時に生成されます。

また、肥料が効きすぎると花が生長点から遠ざかるので、肥料が効いていることが分かります。


マルチ栽培のデメリット

土が覆われるため、土の状態が確認しにくいので、土が乾いてからの水やりのタイミングが分かりにくくなります。

水やりの時にマルチを外す必要があるので面倒。

地温が上がり過ぎると、高温障害が出る可能性がある。

長年マルチ栽培を続けた土壌は、有機物の分解が進んでいる。

そのため、マルチングの際に堆肥をたくさん混ぜ込んでおく必要があります。

水やりが多いと湿気がたまり、害虫にとって快適な環境になってしまう。

また、バークチップやウッドチップなどのマルチング材を使用している場合、かえって害虫が発生する恐れがあります。


ナスの病気はマルチ栽培で発生しやすいと言える。

特に、日当たりの悪い場所でのマルチ栽培は、土壌中環境などを悪化させ、病気が発生しやすいと言えます。

生育環境に応じて、マルチ栽培は適用する必要がある。









2024/10/03

腐植物質の機能 No,726

 腐植物質

腐植とは、有機物が土壌中で微生物の作用により、徐々に分解してできた黒褐色のもので、植物の肥料として優れています。

腐植土は腐葉土と同様に扱う文献も有るが、腐植土は主に土壌を指し、腐葉土は主に林床で腐熟した落葉落枝や落葉堆肥を指します。

堆肥とは、廃物を微生物に分解させて作った肥料のこと

腐植物質は、土壌生態系の中で多くの役割を果たしています。


その機能は土壌の化学性、物理性、生物性の全てに関わることが知られています。


それは①植物養分供給能、②植物養分保持能、③植物生育促進能、④団粒形成能などです。


腐植物質は、農耕地土壌にとって不可欠の機能を持つことから、特に有機物の分解、消耗の激しい畑土壌においては、堆肥などの有機資材を投入することが「土づくり」の基本とされています。

なお、家畜ふん堆肥やバーク堆肥などが用いられる傾向があるが、家畜ふん堆肥では塩濃度の高まりに注意する必要があります。

バーク堆肥などの木質系堆肥では、植物生育に有害な成分を除くため、十分に熟成したものを使うことが重要です。

①植物の養分供給能とは

1'
植物は水に溶けた無機物を養分として吸収する。

2'
植物の生育に必須な栄養素は17種類あり、チッ素(N)、リン(P)、カリ(K)の三大要素が特に重要である。

カリウム(Ca)、酸素(O)、水素(H)
炭素(C)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)
鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)
亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)
塩素(Cl)、ニッケル(Ni)


3'
植物は、根の細胞のイオン濃度を利用して、水や養分を吸収する。

4'
養分が不足すると根から有機酸を放出して、通常は吸収できない養分を溶かして吸収する植物もある。

5'
植物は光合成によって炭水化物などの有機物を合成する。

6'
植物の茎の内部には、根から吸収した水分、養分を運ぶ導管と、葉で作られた炭水化物などの養分を運ぶ師管が形成されている。

7'
作物の場合は、チッ素、リン、カリウムが不足しやすいため、肥料として与えられる。

8'
植物の生育に応じて必要な養分を追加で与えることを追肥といい、速効性のある液体肥料や化成肥料が利用される。


植物の養分保持能とは

植物によるタンパク質や脂質の蓄積が、一番見られるのは「種子」の場合です。

植物は葉以外の場所の細胞にも、葉緑体に相当する細胞内小器官を持っており、色素体と総称されます。

デンプンの蓄積は植物が順調に生育しているときにも見られ、葉緑体にデンプンが存在するほか、根にはデンプンの蓄積に特化した色素体が存在している。

植物が順調に生育している場合は、タンパク質や脂質を機能しない状態で、多量に蓄積することはありません。

デンプンは分子が大きいので、色素体を包んでいる膜を通り抜けることができません。

従って、分解も色素体の中で起こり、分解されてできた「糖」を色素体から細胞質に出して「ショ糖」の形に変換した後、必要な場所に送ります。

「ショ糖」とは、スクロール、サッカロースとも言われる砂糖の主成分とする甘味物質のこと。


葉緑体は、光合成以外にも脂質の合成やチッ素の代謝に重要な働きをしていますが、葉緑体が存在しない葉以外の細胞にも何らかの色素体は存在するので、冬に葉を落とした植物が生育できなくなるということはありません。


植物の生育促進能とは

植物生育促進能とは、植物の生育を促進する効果を持つ微生物や薬剤などを指します。

植物の生育を促進する微生物は「PGPM」と呼ばれます。

(Plant Growth Promoting Microorganism)

植物ホルモンを生成する微生物も含まれますが、植物ホルモンを大量に出す微生物は、植物の成長を妨げる可能性があります。


団粒形成能とは

微生物資材が、土壌に与える団粒形成の程度を評価する指標です。

微生物濃度が高まると、多糖類やウロン酸などの代謝産物が多く生産されるため、団粒構造が発達し、土壌の物理性が最善されます。

腐植物質も粘土と複合体を形成していることから、団粒形成の役に立っています。