緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2019/01/31

庭木、花木 2月から3月庭の管理 No,118

★庭木、花木

サルスベリの剪定
花木の類の多くは、花が咲き終わったすぐ後に剪定をしますが、サルスベリは落葉期に行います。

サルスベリの花は、春から新しく伸びた枝の先端に花芽を作り、そのまま夏に開花します。

放っておいても自然に樹形を整えますが、苗が小さいうちから樹形や枝振りを考えながら不要な枝を切っていきます。

庭が広ければ、湾曲しながら横に広がる自然樹形になるように剪定します。

できるだけ前年に伸びた枝の付け根近くの太い位置で切ると、よい枝が出てよい花を咲かせます。

幹で切っても芽が出るので、花つきが悪くなったら幹の太い位置で切って更新します。

これを毎年繰り返すと切り口がこぶ状になるので、その時は周りの枝を残してコブを切り捨てます。

同時に、ひこばえや胴吹き、細い枝など不要枝も切ります。


     「サルスベリの冬季剪定」


①ひこばえは地際で切る。
②胴吹きは切る。
③徒長枝は付け根から間引き切る。
④前年に伸びた枝を付け根から切る。
⑤前年に伸びた枝の半分くらいで切る。

植え付け、植え替え

落葉広葉樹は移植や植え付けの適期です。

ウメ、サクラ類の苗木のほとんどは、根鉢がない状態で売られています。

植え付ける時は、水鉢を作って十分に水を注ぎ、根と土をよく密着させます。(水ぎめ)

★落葉樹や常緑針葉樹などの大きな木は、来年の移植に備えて根回しをします。

立春を過ぎると、マツ類など常緑針葉樹も移植ができるように、根鉢をつけます。


水やり、肥料

2月になると大気とともに土壌も乾燥しがちです。

特に花が咲き始めた花木は、乾燥が続くとよく咲きません。

庭植えでも鉢植えでも、日中の暖かい時間帯に水をやります。

寒肥は2月上旬頃までに施します。

立春を過ぎて開花を始めたり、花芽が膨らんだ花木には、緩効性肥料を施します。


挿し木、接ぎ木

2月中旬から3月上旬にかけては、アジサイ、ウツギ類、モクレン、ユキヤナギ、レンギョウ、イブキ類、スギ、ナンテンなどの落葉性樹木が挿し木の適期です。

また、3月はウメ、サクラ、サンザシ、ハナミズキ、ライラックなどの落葉樹の接ぎ木が行えます。







2019/01/29

家庭果樹2月から3月の管理 No,117

家庭果樹の管理


2月はほとんどの落葉果樹が休眠期なので、剪定の適した時期です。

具体的には、イチジク、カキ、🥝キウイ、🌰クリ、ザクロ、ジューンベリー、ナシ、ナツメ、🍇ブドウ、🍎リンゴ、キイチゴ類、グミ、スグリ、ブルーベリー、ユスラウメなどです。

また、フェイジョア、グァバなどの常緑果樹も適しています。

★鉢植えを新しく仕立てる作業も3月までが適しています。

見栄えをよくするために、花芽のつき方を考えながら自由にデザインして剪定します。

◆あんどん仕立ては、ツル性果樹に、ほうき仕立ては、枝が細く枝数が多い種類に用いる。

スタンダード仕立ては、洋風の玄関などに適しています。

ツル性の種類では、トレリスなどを使って面白いアレンジができます。

◉イチジクの杯状仕立て

2月から3月はイチジクの剪定時期です。

杯状仕立ては、自然に近い形状で樹勢か強く、収穫量が多いということと、風害、凍害にも強いという長所があります。

主枝は3本にし、60センチほどの長さにきります。

★植え付け一年目は枝先を下ろすように斜めに誘引し、主枝を広げていきます。

★二年目には、1メートルほどの長さに主枝を知り返し、数多く分枝するようにします。

★三年目に全体の形を見ながら、よい杯状に仕上げます。

保護

植物に寒風があたって、枝葉の温度が外の気温より低くなると寒害を受けます。

屋外なら、鉢ごと土に埋めると鉢土が乾燥しにくく、冷たくならないので根が保護されます。

◉ウメの人工受粉

ウメの受粉も2月から3月に行われます。

ウメには同じ品種の花粉では受粉しにくい「白加賀」「豊後」などの品種と、花粉が豊富で自家受粉する「鶯宿」「藤五郎」などがあります。


★花粉を持たないか少ない、または自家受粉しない品種は、他の品種と混植するようにします。

複数植えることができない場合は、鉢植えなどで他品種を栽培し、人工受粉します。


          (ウメの人工受粉)
他の品種の花を直接つけて、雌しべに花粉をつける。

花弁を取り除き、雄しべだけにして受粉するとやりやすい。

◉花粉の多くついた花をとり、短い枝についた花のメシベにオシベの花粉を直接つけます。

ひとつの花で約10個の花に受粉できます。

また、アンズ、モモ、スモモ、花ウメの花粉でも授精できます。







2019/01/28

クリスマスローズ(全般) No,116

クリスマスローズ(キンポウゲ科)

地中海沿岸から中部ヨーロッパが原産。

クリスマスの頃に咲くことから名付けられた名前ですが、日本に出回っているもののほとんどは、同属のレンテンローズと呼ばれる種類とその交配種で、2月から3月に開花します。

欧米では、クリスマスローズと言えばヘレボルス·ニゲルという種類をさしますが、日本ではこの両種を区別せずクリスマスローズと呼んでいます。

寒さに強く雪を持ち上げて咲くことから、別名「雪起こし」と呼ばれています。


(1月28日撮影、新芽が出始めている状態)

◆半日陰で風通しのよい場所を好み、高温多湿が苦手で、夏場は直射日光と西日を避けます。


◉本来の花弁は小さな蜜腺に退化していて、直径五センチから六センチの五枚のがく片が、花弁状になったものを花と呼んでいます。

花色は基本的な色や中間色だけでなく、それらが入り混じったものなど、ひとつとして同じものがありません。

花の少ない冬場に開花する、和風にも洋風にも合う花です。

◆古代ギリシア時代には狂気を直す霊薬として用いられるなど、クリスマスローズはその黒い根に魔力があると信じられていました。

俗説によれば、アダムとイブが楽園を追われた時、持ち出したのがこの花だとされ、以来この花は「楽園の思い出」の象徴とする美意識も生まれ、その後文学にも表現されました。


                   (花芽がつき始めた状態)


◉生育管理
植え付けは、9月頃が適しています。

植え穴には、有機質の腐葉土やピートモス、完熟堆肥などをすき込み、化学肥料を施しておきます。

植え穴はなるべく深く耕し、水はけの悪い場所では高植えにするなどして湿気を防ぎます。

夏の高温多湿が苦手なので、冬は日があたり、夏は木漏れ日になる東向きの落葉樹の下が、植え付けに適した場所です。

★コンテナ栽培の場合は、やや大きめのコンテナにし、北向きの軒下などに置くのがよいでしょう。

開花中は、冷たい北風が当たらない日当たりのよい場所で管理。

水やりは、表土が乾いたらたっぷりやるのが基本です。

株が大きくなると花つきが悪くなるので、3年から4年毎に植え替えをして株を更新させます。

★鉢植えの場合、根詰まりしてきたら、一回り大きな鉢に植え替えます。

夏場の植え替えは株が弱るので避けましょう。

◆庭植えの場合、数年経って生育が悪くなった時に、掘り上げて株分けを行います。

◉肥料
鉢植えの場合、液肥を11月から3月の間、月に一回水やり時に与えます。

地植えの場合、10月に緩効性肥料を置き肥します。

◉剪定
花が咲き終わったら、夏場の風通しをよくするために、弱った枝や枯れた枝を切り取ります。

種ができ養分が摂られると、生育に影響するので種ができる前に花柄を取っておきます。

◉殖やし方
株分けは9月下旬から10月中旬に、小さい株を分けたり、細かく分けすぎると花つきが悪くなるので、大株を使用して大きく分けるようにします。

一株に3から4芽つけて分けるとその後の生育がよくなります。

植え付けの時に、根が地上に出ていると枯れてしまうので注意する。

花が終わった後の5月から6月に採取した種をそのまま取りまきにするか、通気性のよい袋に入れ、乾燥しないように土中に埋めるなどして保存。保存した場合は、9月から10月にまきます。

種まき後は、乾燥しないように週1から2回水をやります。

初芽は翌春に出ますが、開花には3年ほどかかります。


関連ブログ
クリスマスローズ No,21







2019/01/27

2月から3月の観葉植物の管理 No,115

◉観葉植物


日光が不足する場所に置いていた観葉植物は徒長を防ぐため、明るい場所の物と交代して移動させます。

できるだけ暖かさを保つように心がけながら、換気も暖かい日を選んで行います。

3月になると、よく晴れた日の閉めきった室内は温度がかなり上昇し、日陰に置いてあった株を急に日のよく当たる場所に移動させると、強い日差しの日には葉やけを起こすこともあります。

窓を開けて換気し、室温を管理します。

朝夕は寒さが厳しいので防寒対策もまだ必要です。



◉水やり、肥料

この時期にあまり冷たい水を与えると葉枯れを起こすことがあります。

暖かい日の午前中に室温程度に温めた水を与えます。

与えるタイミングは、鉢土の表面が乾いてからさらに数日たった頃です。

鉢底から流れるまでたっぷりと与えます。

受け皿に溜まった水は、根腐れの原因になるのでその都度捨てます。

暖房をしている室内では葉水をあたえます。


◆植物が生育を停止している時期には、基本的に肥料は必要ありません。


寒さに強くこの時期から生育を始める種類のものに限り、リン酸とカリ分が多めの液肥を薄めにして施します。

◉仕立て直し

休眠期でも暖かい室内では新芽が伸び始めたり、株が間伸びしてしまうことがあります。

切り戻して切った枝は挿し木もできます。

また、低温性の植物の根が伸び始める前の時期は、株分け等の作業が発生します。

3月下旬から植え替えができる植物はアイビー、アスパラガス、オリヅルランなどです。

サボテン🌵の仕立て直し

徒長してコケシ状に先端部が肥大してしまったサボテンを整形したいという場合は、空気が乾燥していて成長期に入る前が適しています。

◆コケシ状になった先端部をナイフで切り、切り離した方の下部を斜めにはぎ取ります。

半月から1ヶ月間切り口を乾かした後植え付けます。

元のサボテンの切り口からは、2ヶ月から3ヶ月後に子が出ます。

そのまま育てるとよい形の群生株になります。

また、できた子を外して挿し木もをし、株を殖やすこともできます。


        「サボテンの仕立て直し」





2019/01/26

2月から3月の鉢植えの管理 No,114

鉢植え、鉢花の管理


◆一年で一番寒い季節。

シクラメンやプリムラ、ベゴニアなどは、窓辺で日光に当てて、花を元気に保ちます。



室内では暖房の高温を避けます。

風のない日中は、戸外に出して日光に十分当てると徒長を防ぎます。

花の終わったウメの鉢植えはざっと整枝して軒下に出し、外気に慣らします。

3月に入ると三寒四温の言葉通り日によっての寒暖の差が激しいので、暖かい日には戸外で春の日を浴びせ、寒風の夜や霜が降りる日などは、室内に入れるようにします。

水やり、肥料

冬の室内では暖房で鉢物もよく乾燥します。

午前10時から11時頃の暖かい時間帯に戸外に出し、鉢底からあふれるくらい水を与え、午後2時頃には再び室内に入れるようにします。

戸外に置いている鉢物の盆栽や菊なども乾燥しているので、土が白く乾いてきたら日中に水を十分与えます。

基本的に真冬のうちの肥料は控えます。

3月に入ったら徐々に水やりの回数を増やし、薄い液体肥料を与えていきます。

◉植え付け、植え替え
2月はサクラソウなどの宿根草や落葉性の樹木鉢など、芽が伸びてしまう前に植え替えをすべき物があります。

3月は四季咲き性のクロウエアやランタナ、ノボタン、シャコバサボテン、カランコエなどが植え替え適期です。






2019/01/24

早春の植樹管理  No,113

早春植樹管理


一年の最低気温を記録する2月は、一般の植物はまだ休眠期の状態といえます。

そのため、落葉樹を中心に多くの樹種で剪定、整姿が行えます。

特に長年放置して大きくなりすぎた樹木を切り込んで作り直したり、移植するのに適した時期です。

ただし、秋から冬にきちんと管理してきた庭は、改めて手を加える必要はありません。

◉すでに春に向けて地下では新芽を出すための準備が始まっていて、根の活動は盛んになっています。

春に向けて
個々の樹種によって、最適な時期は異なりますがこの季節はすべての植物にとって苗木の植え付けや移植に適しています。

毎年の気候により多少の前後がありますが、一般に2月下旬頃から次第に暖かくなり、土壌の水分も増え温度も上昇していくので、移植の条件が整う。

★2月から3月に他の花に先駆けて咲くロウバイやウメなどは、花が終わり次第、花後剪定を行います。

植え付け、植え替え

◉通常、植え付け、植え替えは根鉢のしっかりしたものを選びますが、この時期は、永年放置して根が荒れてしまって太くなりすぎたもの、掘り起こすと土が落ちてしまい根鉢が取れないような樹木でも、活着しやすい時期です。

植え付け、植え替えは「水ぎめ法」によって行います。

植え穴を深めに掘り、底に掘り起こした柔らかい土を埋め戻して根鉢を置き、高さを調整します。

◆この時、完熟堆肥や腐葉土などの熟成した有機肥料を混ぜると、土壌改良にもなり効果的です。





◉木がまっすぐ立っているかを少し遠目から見て確認し、必要なら微調整します。

いわゆる樹木の「立て入れ」を決めるわけです。

確認は必ず直角2方向から行うようにしましょう。

立て入れが決まったら、根の周りを軽く踏みならすか、スコップで叩いて動かないように安定させます。

土が軟らかいので、強く踏むと足が入ってしまいます。

倒れない程度に軽く押さえるのがコツです。

★ツツジやサツキ類など根が細かい樹種は、踏み固めずに、軽く土をかぶせる程度にした方がよいでしょう。

さらに水をあげた方がよい場合は、中に水が溜まるように水鉢をきっておくのもよいでしょう。

水鉢に溜まった水は、10分から20分ほどで引くので、再び足でしっかり押さえます。

寒肥を施す

寒肥を与えてない場合は、この時期に与えましょう。

さほど大きくない樹種は環状施肥で、大きな木は根が太く四方に張っているので、環状に溝を掘るのは困難です。

すでに活動している根を傷つけないよう注意しながら、根の間を幹元付近から張り出した枝の下あたりまで、放射状に掘って施肥します。

★化成肥料は、多用すると土壌に悪影響を及ぼすのでなるべく避け、有機肥料を用いるようにします。








2019/01/22

ウメ(梅)  No,112

梅(ウメ)

松竹梅、梅に鶯(ウグイス)などの言葉があるように、日本人の心に深く関わり、古来より愛されてきた樹種

◉ウメは中国中部原産の落葉樹で、サクラと同じバラ科に属しますが、果実の形や葉腋につく芽の数などが異なり、少し違う仲間です。

最初は薬用木として非常に古い時代に伝えられ、未成熟の果実を燻製にした、烏梅(うばい)が整腸、解熱の漢方薬として用いられていました。

「ウメ」という言葉は中国語の「梅(メイ)」が転化したといわれていますが、この「烏梅、うばい」の転化だと言う説もあり、万葉集では、「烏梅」と書いて「うめ」と読む例もあるそうです。

◆奈良時代には「花」と言えばウメを指すほど、代表的な観賞木として親しまれました。 

果実を食用として用いるようになったのもこの頃で、平安時代初期にはすでに「梅干し」が作られていたという記録があります。

★ウメの学名は「ブルヌメ.ムメ」と言いますが、これは江戸時代に長崎に来ていたシーボルトが命名したもので、その長い歴史から渡来木でありながら、日本の木というイメージを持たれていたようです。




◉園芸品種は数百種に及び、主に花を観賞する花ウメと、結実、品質がよい実ウメに大別されます。

代表的なものは、ヤバイ性、コウバイ性、ブンゴ性、アンズ性に分けられ、それぞれ多くの品種がありますが、あくまでも園芸上の分類で厳密に区別されるものではありません。

◆材は、床柱、そろばんの珠、念珠、洋傘の柄、彫刻材、櫛(くし)などに利用する。

◆果実は食用、薬用そのほか、染色の媒染剤に使う。


ウメの生育管理
温暖な気候を好みますが、北海道の一部でも栽培出来るほど寒さにも強く、土質もほとんど選びません。

環境の厳しい市街地でも生育する樹勢の強い樹木です。

ただし、花つきをよくするには日陰地や湿地は避けます。




◉肥料を十分に与えることがよい花つき、実つきにつながります。

寒肥として完熟堆肥や腐葉土、鶏ふんなどを株元の周囲にすき込みます。

開花中と花後、しばらくの間は肥料はいりませんが、4月から5月にかけて化成肥料などを施します。

さらに秋口には、リン酸カリ分の多い草木灰などを少量施すと効果的です。

★丈夫な樹種ですが、病害虫も多い。


ウメの剪定

剪定にも強い樹木ですが、むやみに切ると花や実も楽しめません。

花つきをよくするには、12月下旬から1月に、太い主枝から枝分かれした側枝を3分の1程度残して切ります。

また、春に伸びた枝は切らず、夏芽や秋芽は伸ばさないようにするのがコツです。







2019/01/21

カンヒザクラ(寒緋桜) No,111

カンヒザクラ

日本で最初に花開く桜の花

◆沖縄では桜と言えばこの花を指すほど馴染み深い花です。


                                    


◉サクラと言えば、ソメイヨシノが最もポピュラーですが、これに先駆け濃緋紅色の5弁花を咲かせます。

花はやや小ぶりでソメイヨシノのように全開せず、釣り鐘状に下垂するのが特徴です。

落花も椿の花のように、花ごと落ちます。

桜の仲間の中でも、最も紅色が濃い種類のひとつで寒い時期に咲く緋色の桜ということから、寒緋桜と名付けられました。

                                ★元々はヒカンザクラ(緋寒桜)と呼んでいたようですが、ヒガンザクラ(彼岸桜)という別種と混同しやすいことから、カンヒザクラに改められたといわれています。


関東地方での開花は3月上旬から下旬にかけてですが、九州南部では旧暦の元日近くに開花するので、ガンジツザクラという別名があります。

原産地は中国南部、台湾などの暖地で、本州に野生種はありませんが、沖縄、石垣島などには広く自生しています。

沖縄の開花期はさらに早く、年末や正月に日本で最初の桜の開花としてニュースなどで紹介されるのは、沖縄のカンヒザクラです。

開花期や花の形状が一般的な桜の花と異なるため、桜の仲間だとは気づかない人も多いようです。

◎桜の仲間は多く、野生種が10種、自然交配種が20種、園芸種が300種以上と言われています。

その中で、自生種だけで6つのグループに分類されています。

ソメイヨシノなど日本の代表的な桜の多くは、ヤマザクラ群に分類されますが、カンヒザクラはカンヒザクラ群に入ります。

◉園芸種として品種改良によく使われるのはカンヒザクラ群、エドヒカンザクラ群、ヤマザクラ群、マメザクラ群などです。

カンヒザクラに近い園芸種では、カンヒザクラとヤマザクラの交配種といわれ淡紅色の花をつけるカンザクラ(寒桜)、カンザクラとシナミザクラ(支那実桜)の交配種といわれるツバキカンザクラ(椿寒桜)などが古くから栽培されています。

カンヒザクラの生育管理
耐寒性そのものは比較的強いですが、冬の寒風を嫌います。

植え穴は大きく深く掘り、完熟堆肥と腐葉土を充分すき込んでやや高植えにします。

植え付け、植え替えの時期は9月から10月の秋植えと3月から4月の春植えですが、寒くなる地方では、春植えが無難です。
  
◆肥料は寒肥として、鶏ふん、腐葉土、堆肥などを株回りにすき込みます。

★ザクラ類は病害虫が多い樹種、特に害虫ではオビカレハやアメリカシロヒトリ、カイガラムシ。

害虫は発生時に殺虫剤を定期的に散布する他、冬期に石灰硫黄合剤、マシン油乳剤などで防除。

★病気では湿気が多いとモンパ病やコウヤク病が発生しやすくなる。

モンパ病に犯された株は廃棄、クロールピクリンなどで土壌消毒を行う。

コウヤク病は、患部を削り取り石灰硫黄合剤を塗布しておきます。


剪定、整姿

桜類は切り口から雑菌が入って腐蝕しやすく、剪定には弱い傾向があります。

放任しても樹形はよく整いますが、庭木の場合、ある程度の剪定は避けられません。

必ず付け根から切り、切り口には接ぎロウ、トップジンM、カルホス、墨汁などを塗って雨水などが染み込まないように保護することが重要です。










    

2019/01/04

グァバ茶の効能(民間茶薬効) No,110

グァバ茶

タンニンが豊富な熱帯産
①タンニンが70%も発ガン物質を抑制

グァバは、日本のザクロ(石榴)に似ていたので蕃石榴(ばんじろう)という愛称で呼ばれるようになりました。

熱帯アメリカが原産地でインカ人によって栽培され、果実が常食されていました。

1000年ほど昔、すでに中国に渡来、宗(960~1279年)の書物「東波雑記=とうはざっき)にはじめて記載されています。

もともとが熱帯果実なので、沖縄、ハワイ、グアムなどにも伝播していったのです。




◉グァバ茶の成分分析では、タンニンがずば抜けて多いことに着目したい。

タンニンとは渋味成分でタンニンには変異原性や発ガン性の抑制作用があります。

◉変異原性
生物の遺伝情報(DNAあるいは染色体)に変化を引き起こす作用を有する物質または、物理的作用(放射線、紫外線、環境汚染物質)などをいう。

★グァバ茶を飲むと、独特の爽やかな後味がするのは精油を含むからです。

ハッカ、シソ油などに含まれ、緑茶、ウーロン茶には抽出されない成分です。

また、グァバ茶はカフェインをまったく含まないので、子どもでも安心して飲むことが出来ます。

◆タンニンを豊富に含む薬草として

◉ゲンノショウコ(現の証拠)

日本各地の山野に広く分布する多年草で、夏から秋に小さな五弁の花をつける。

フウロソウ科の生薬のひとつ。

ゲンノショウコは古来「医者いらず」とも呼ばれ、腹痛から下痢、便秘などの民間薬として知られる。


                        (ゲンノショウコ)



★同様に、グァバ茶も下痢などの卓効(たっこう=薬などの優れたききめ)が古来知られている。

ビタミンB1,B2、ビタミンC、カルシウムその他有用ミネラルも多く含まれます。


発ガン物質の抑制はタンニンの力

南洋の薬茶として、グァバ茶の卓効はまずこの主成分タンニンの薬理作用によります。

古来より、伝染病で下痢が大発生したときにこのグァバの葉で、治したという記録が多く残されています。

激しい下痢と腹痛がピタッと治まった。

ブラジルでは、グァバを「ゴァバ」と呼び、下痢止めに使っている。

グァバ葉のタンニンに殺菌作用があり、菌でただれた腸壁などの組織を端役修復します。

だから腸炎などに奏効(そうこう=ききめがあらわれること)するのです。

◉利尿作用が血中コレステロールを下げる。

タンニンは利尿作用があります。

よって、グァバ茶には肥満血中コレステロールを下げる働きもあります。










2019/01/03

ウーロン茶の効能(民間茶薬効) No,109

ウーロン茶

緑茶、紅茶の兄弟分


今ではよく知られるウーロン茶は、よく飲まれている茶である。

ウーロン茶というと、何かウーロンと言う植物があって、それから作られている、そんなお茶だと思われている人も中にはいるのかもしれません。

なんと、原料は緑茶と同じ茶葉です。

紅茶は緑茶を完全発酵させたものであるが、ウーロン茶はその発酵を中程度で止めたもので、いわゆる半発酵茶なので、よってウーロン茶は緑茶や紅茶の兄弟分と言うことなのです。

成分的には、緑茶のようなビタミンCはほとんど含まれていません。
カフェイン、カテキンはほぼ緑茶と同じです。

茶特有のタンニンの解毒作用が発酵で弱められているので、緑茶よりも胃にやさしいと言えます。

鉄観音茶はウーロン茶の別名で、かつて一世を風靡した歌手、ピンクレディーが鉄観音茶で痩せたとインタビューで答えた事から、爆発的に売れる事になった。


その後、厚生省の研究班が痩せる効果はないと結論付けましたが、それでも人気は落ちることなく、その後も各社が様々なタイプのウーロン茶を発表しています。


各国の臨床試験で減量効果を確認


ウーロン茶には、これまで言われているような効能、よく言われる脂肪を分解するという効能は本当なのか?

ウーロン茶による肥満患者の臨床試験で、肥満者に毎日5杯~6杯のウーロン茶を飲ませて、血中コレステロールの変化の測定をしたところ、ウーロン茶を飲用して3ヶ月後には、コレステロール値が改善され、また血圧も下がったのです。

フランス、中国などでも冠状動脈硬化を予防していることが明らかになりました。

製品によって効果にばらつきがある


日本ではじめての動物実験を行ったのが、和洋女子大学で結論は、使用したウーロン茶(鉄観音茶)では、コレステロールや中性脂肪の抑制効果がみられたということです。

学生を被験者として行った実験でも同じ効果を確認できた。

ところが、他のメーカーや、製造時期の違うウーロン茶では、その効果は全く見られなかったといいます。

緑茶と同じく、高級品から低級品まで様々で品質にばらつきがある。

ウーロン茶には脂肪を溶かす成分が入っているから?油っこい物にも合うといわれます。

現に油っこい中国料理のあとにウーロン茶はサッパリします。

この脂肪分解成分と言われるのがサポニンですが、含有量は緑茶の半分程度です。

それでも中国料理にウーロン茶が好まれるのは、特有の芳香成分のためだそうです。

何杯もウーロン茶を飲めば、効果としてサポニンの摂取量が増え、脂肪分解も進むということでしょう。

中国でガン抑制効果を確認


マウスに発ガン性物質を与え、腫瘍の発生を調べたら、ウーロン茶を与えないグループは90%に発ガンがみられ、ウーロン茶を与えたグループの発ガン率は58%でした。

ウーロン茶にガン抑制効果が確認されました。

緑茶をはるかにしのぐ虫歯予防効果


緑茶で口をゆすぐと虫歯予防になるとよく言われます。

しかし、ウーロン茶は、それをはるかにしのぐ防止効果がある。


一、二級茶葉の高級品を選ぶ


本場中国のウーロン茶茶葉は、一級から六級まで品質区分があり、中でも一級、二級茶葉は高級品で、葉の大きさ、色、味わいのどごしなど格段に優れています。

◆ウーロン茶を選ぶ目安として一、二級茶かどうかが重要になります。

①武夷岩茶(ぶいがんちゃ)ウーロン茶の王者と賞される。        

②安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)湯を注ぐとランの芳香がたち、七回目でも香りが失せないという逸品。

③水仙(すいせん)湯色は黄色く澄みます。

④烏竜=香気が高く、味わいにまるみがあります。

日本ではこの辺の区別が案外いい加減です。

よいお茶を飲んでこそ効果も出ると言うことでしょう。










2019/01/02

梅は食うとも種食うな中に天神寝てござる No,108

梅は食うとも種食うな中に天神寝てござる。


天神様こと菅原道真が生前、梅をこよなく愛していたことから生じたことわざです。   

ちなみに、梅の種のことを核または「仁」と呼びますが、これを天神の「ジン」にかけているのでしょう。

実際に、生梅の種に何らかの毒があることは昔から知られており、むやみに食べて体を壊さぬように戒めているとも考えられます。

よく「梅の種をかむと字を忘れる」とも言われたますが、確かな根拠がありません。

◆未熟な梅の種に含まれている毒ですが、近年ではアミグダリンという化学物質として一般に知られています。


これは梅だけでなくアンズなどの種子にも含まれている物質で、一種の青酸化合物です。


そのままでは無毒ですが、体内に入り胃酸によって分解されることで毒性を示します。

実際にはその毒性は弱く、よほど多量に摂取しない限り生命に危険は及びません。

むしろ最近ではこのアミグダリンはビタミンB17として、適量の摂取により健康維持に寄与する成分とされています。

劇薬でも少量ならば薬として作用するのと同じ理屈でしょう。









2019/01/01

植物の秘めた効能を見直す時代 No,107-1

植物の秘めた効能


植物には、薬草としてのあらゆる効果がある。
治療薬が、開発され薬剤が多くなった現代社会の中では、多くの植物、薬草の能力がいつしか忘れ去られている、そんな気がします。

今一度、植物の能力が見直される時代が訪れる事を願いたいものである。

日々の予防が大切です。







門松は冥途の旅の一里塚(ことわざ) No,107

門松は冥途の旅の一里塚


本来、たいへん目出度い物とされる門松だが、それを立てる度にひとつひとつ年を取るわけで、これを死に近づく一里塚と考えると複雑な気持ちになる、という年輩者の心情を表現した狂歌。

とんち話しで有名な一休禅師作と考えられている名句である。

このあとに「めでたくもありめでたくもなし」と続きますが、この一節は寄席の大喜利でもよくお題に上ります。