緑のお医者の徒然植物記

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2022/08/11

世界最古の栽培果樹イチジク No,587

 世界最古の栽培された果樹はイチジク

2006年にイスラエルのヨルダン渓谷の遺跡(1万1000〜1万1400年前)からクワ科の植物の果実が発掘された。


     「ペトラ遺跡のイチジクの木」


クワ科の原産地はアラビア半島南部または、西南アジアとされ、イスラエルをはじめ地中海岸地方に広く栽培された。

クワ科の落葉樹、「無花果」と書くのは花が見当たらないまま果実ができたことに由来する。

無花果とはイチジクのことで、別名トウガキ(唐柿)ナンバンガキ(南蛮柿)ホウライガキ(蓬莱柿)ともいう。

日本には江戸時代に中国から渡来したとする説と、ポルトガルから長崎へ伝わったとする説がある。

長崎県五島列島にはクワ科の巨木が多く存在する。

栽培が普及したのは大正時代になってから、蓬莱柿の名で栽培され、現在もホウライガキの品種として残る。


発掘された果実をハーバード大学の研究チームが分析し、一万一千年以上も前に栽培されていたものであるとの結果を発表しました。

そのため、栽培果樹として世界最古のものであると言われています。

旧約聖書の✪創世記で、最初の人間とされるアダムと妻であるイブが裸の身体を隠したのは、この植物の葉っぱとされています。

✪創世記=神が最初の世界を作ること、世界の始まり

なぜこの植物が栽培されていたものだったと、どうして分かったかと言うと、それは発掘されたこの植物の果実が種子を作らない性質だったからです。


種子がないと自然に殖えることができません。

果実を食べるためには、その木を人間が挿し木などの方法で殖やさなければならず、そこで栽培されていたと考えざるを得ないことになります。

よってこの地で、イチジクが世界最古の栽培果樹とされたのです。


        「イチジクの果実」


クワ科の植物には約40属1000種以上あり、特に熱帯と亜熱帯に多く分布する。

日本で有名なクワ科植物は、沖縄のひんぷんガジュマル、五島列島奈良尾のアコウなどの巨樹が有名である。

ちなみに奈良尾のアコウは子どもの頃、樹下をくぐり抜けた事が何度かある場所であり、今ではパワースポットとしても知られている。


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