緑のお医者の徒然植物記

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緑のお医者の徒然植物記

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2023/06/09

暑さに弱い代表的樹種 No,640

 暑さに弱い樹種

◉シラカバ(カバノキ科)
夏の暑さと乾燥に弱い、四国、九州以南の高温地域での露地植えは適さない。

「シラカンバ」とも言い、幹が白いのでこの名がある。

フィンランドなどでは春先に、この木の樹液を飲む風習がある。



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◉エゾマツ(マツ科)
北海道、東北地方に自生する常緑針葉樹

山間の寒冷地を除いて、東北地方以南での露地植えには適さない。

エゾ(蝦夷)とは北海道の古称で北海道に多いのでこの名がある。



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◉トドマツ(マツ科)
北海道北部、樺太に自生する亜寒帯性の常緑針葉樹

本州以南では、高山部を除いて露地植えには適さない。

エゾマツとともに北海道を代表する針葉樹で、海岸から深山まで広範囲に生える。











2023/06/08

寒さに弱い代表的樹種 No,639

 寒さに弱い樹種

♣アカシア(マメ科)
ミモザアカシア
関東地方南部より北での露地植えには適さない。

アカシアとはマメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称で、1.000を超える種類がある。



ニセアカシアと言われているのは「ハリエンジュ」の別名で、アカシアと呼ぶ人もいるが正しくはニセアカシアである。

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♣ザクロ(ザクロ科)
東北地方北部より北での露地植えには適さない。

日本では古くから庭木として扱われ、各地に栽培されている落葉広葉樹。




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♣キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
露地植えできるのは関東地方が北限。

東北地方及び山間部での露地植えには適さない。

原産地はインドで一重咲きと八重咲きがある。


         「八重咲き」

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♣クチナシ(アカネ科)
高温、多湿を好み、関東地方以北での露地植えには適さない。




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♣ソテツ(ソテツ科)
自生地は九州南部と沖縄のみ

関東以南の本州でも冬季の保護をすれば露地植えできる。

雌雄異株の常緑低木で高さは4㍍ほどになる。




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♣モッコク(ツバキ科)
関東地方以南の地方に自生している。

東北地方での露地植えは適さない。

沿海の山地に生え、高さは15㍍ほどになる。




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♣サンゴジュ(スイカズラ科)
関東以北での露地植えは適さない。

赤く熟した実が珊瑚のように美しいのでこの名がある。



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♣ツゲ「ホンツゲ」(ツゲ科)
関連地方以南の地方に自生している。

東北地方から北での露地植えは適さない。

寒さに強い「イヌツゲ」とは別種。



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2023/06/06

広い地域での植栽が可能な代表的樹種 No,638

 広い地域植栽が可能な樹種


◉イヌツゲ(モチノキ科)
日本の各地で植木として、幅広く栽培されている常緑小高木。

萌芽力が強いので様々な造形ができる。

ツゲ(ホンツゲ)に似ているが、役に立たないのでこの名があり、植物名では「イヌ」は役に立たないものに使う。

ツゲは葉が対生でイヌツゲは互生と見分けられる。




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◉アオキ(ミズキ科)
日本庭園などで古くから栽培されている代表的な庭木の一つ。

野生種も北海道南部から九州まで幅広く自生している。

枝が青いのでこの名がある。

山地の樹林下に生える雌雄異株の常緑低木で、日本の特産である。




★関連ブログNo,272


◉カラタチ(ミカン科)
暖帯性のミカンの仲間だが耐寒性が強い。

生育が早く、北海道以外の各地で防犯を目的に生け垣として利用されることが多い。

原産地は長江上流域とされ、8世紀頃には日本へ伝わっていたとされる。





◉ドイツトウヒ(マツ科)
耐寒性が非常に強く、北海道から九州の各地で栽培可能。

ヨーロッパからシベリアにかけて広く分布し、ヨーロッパでは主要な造林樹種となっていて、建材として幅広く利用されている。




★関連ブログNo,380


◉ビワ(バラ科)
暖帯性植物だが、耐寒性が強く北海道以外の各地で栽培可能。

野生種は中国、四国、九州地方に自生している。

果実の形が楽器の琵琶に似てるのでこの名がある。

原産が中国とされるが、石灰岩地のものは本来の自生と言う説もある。




★関連ブログNo.55,No.137,No.150

◉ニシキギ(ニシキギ科)
日本各地の山野に自生する落葉低木

紅葉が美しい樹種で、各地で栽培されている。

紅葉の状態を「錦」に例えた名前である。




★関連ブログNo,443



◉ウメモドキ(モチノキ科)
秋から冬にかけて美しい実がなることで植木によく用いられる落葉低木。

北海道から九州まで栽培でき、葉が梅に似ているのでこの名がある。

山野の湿地やその周辺の水分が豊富にある場所に生える。





◉カエデ類(カエデ科)
日本の各地に自生する落葉高木で、紅葉が美しいことから庭木や公園樹として栽培されている。

古くから親しまれた庭木として非常に種類が多く、その地方に適した種類がたくさんあり、北海道から九州まで数えきれないほどの園芸品種がある。




★関連ブログNo,299









2023/06/05

気候適性による樹木の分類 No,637

 樹木の適性気候の分類

一般に日本の樹木はその適性気候から
①亜熱帯性樹木
②暖帯性樹木
③温帯性樹木
④亜寒帯性樹木の4つに分類されます。


      「樹木の分布図」

①主な亜熱帯性樹木

ソテツ、ヤシ類、ガジュマル、バショウ、キョウチクトウ、ハクチョウゲ、ドラセナなど


      「ハクチョウゲ」


②主な暖帯性樹木

カシ、シイ、クスノキ、マテバシイ、タブノキ、ユズリハ、モチノキ、ヤマモモ、カナメモチ、ソヨゴ、タラヨウ、イヌツゲ、カクレミノ、サザンカ、モクセイ、シャリンバイ、ウバメガシ、モッコクなど


       「イヌツゲ」


③主な温帯性樹木

アオギリ、ナラ、クリ、ブナ、ニレ、モミ、ツガ、ゴヨウマツ、サクラ、モクレン、コブシ、クヌギ、ヒノキ、スギ、サワラ、シャクナゲ、ホオノキ、トチノキ、カツラ、ミズキ、ハンノキ、モミジなど


       「コブシ」


④主な亜寒帯性樹木

エゾマツ、ハイマツ、ドイツトウヒ、トウヒ、トドマツ、イチイ、キャラボク、カラマツ、シラカバなど


      「キャラボク」


以上4つの分類は本来の植生に沿ったものです。

多くの樹木は多少の環境の変化には適応しますが、種類によっては寒い地方では育たない樹木、逆に暖かい地方では育たないものもあります。

一般に、植物は暑さに対する適応力よりも寒さに対する適応力の弱いものが多く、樹種によっては東北地方以北の地域では相当な防寒対策を施さないと、育成が困難な樹木も少なくありません。


また、統一の樹種であっても地域の気候、主に気温によって冬芽が顔を出す萌芽や開花の時期に差があるので、手入れの適期も異なってきます。


生育の目安として、地域周辺に自生している樹種や近隣の庭などで健康に生育している樹種てあれば、基本的には植樹可能と考えて良いでしょう。


それぞれの地域の気候に合った樹種を選ぶことが大切です。









2023/06/04

樹木、森林の炭酸ガス吸収能力 No,636

樹木の 炭酸ガス吸収能力

炭酸ガスは「二酸化炭素」「CO2」とも呼ばれ、人々が吐き出す息にも含まれ、物を燃やした後には必ず発生するものです。


空気よりも重く水に溶けやすい






樹木の炭酸ガス吸収量

根元の直径が60㎝、樹高が15㍍のスギの木が1年間に吸収する炭酸ガスの量は約62㎏とされています。

これは乗用車の約220㎞走行時の排出量に匹敵するものです。

例えば、この車が1年間に一万キロ走行すると、炭酸ガスの排出量は2.8㌧となり、この全量をスギの木に吸収させるには45本のスギが必要になります。


森林面積は10アール(302.5坪、10m×100m=1000㎡)程度必要になります。


樹木同様に、草花も一時的には炭酸ガスを吸収、貯蔵しますが、枯れると微生物にすぐ分解され、最終的には水と炭酸ガスになって再び大気中に放出されてしまいます。


しかし、樹木は成長している間はもちろんの事、木材になってからも腐朽(ふきゅう)あるいは焼却されない限り、炭酸ガスの貯蔵庫としての機能を持ち続けるのです。


紙の主原料も木材から採った「セルロース」ですが、紙も重要な炭酸ガスの貯蔵庫です。


♣セルロースは、植物の細胞壁及び繊維の主成分で、植物は全てセルロースを主構成成分として含んでいる。

セルロースは、地球上でもっとも多く存在する炭水化物です。

紙のリサイクルも炭酸ガスを地球に戻さないと言うことで大切なことである。


東京都内には約101万本の街路樹と、約475万㎡の道路内緑地があります。

101万本のすべての樹木の大きさが根元直径30㎝、樹高5㍍であると仮定すると、その総数による1年間の炭酸ガス吸収量は約12.625㌧と推定され、これは日本人約35.000人の年間の呼吸によって排出される炭酸ガス量に匹敵します。


1本の樹木による炭酸ガス吸収量は多くありませんが、これが大面積となった場合には相当量の吸収、貯蔵能力になるはずです。

地球温暖化が世界的にも問題化した時代であるなら、人々が植物や樹木に多くの事で依存して生きていることを認識し、樹木や森林の大切さを改めて考え直す時です。


大気中の環境が悪ければ悪いだけ、樹木には負担が大きい事を忘れてはいけない。

時にはその過剰な環境悪化により、枯死してしまうこともあるのです。


♣植物環境、温暖化、地球環境に関連するブログ
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2023/02/20

ウチワサボテン No,634

ウチワサボテン 🌵サボテン科


ウチワサボテンはサボテン科の亜科のひとつである。

★亜科とは
生物分類学上の単位のひとつで、必要な場合に「科」と「属」の間に設けられる。

亜科は補助的階級であり、「科」の直下に位置するが、「属」よりは広い分類とされる。


南北アメリカ及び近隣の島々に分布する。

和名のウチワサボテンは、本亜科の代表的な属であるオプンティア属が平たい茎節を持つことから、その「うちわ」に見立てたことによる。

別名「仙人掌」とも呼ばれ、メキシコなどでは重要な果樹であり、同時に家畜の飼料とされる。



★オプンティアはサボテン科の属のひとつで、ウチワサボテン類の中で曲型的な種の多くがここに属している。

原産地は主にアメリカ州で、しばしば群生する。


ウチワサボテンの果実はトウナ、カクタスペアなどと呼ばれ、少なくとも18ヵ国で生産されている。

古くから健康食材として利用され、食べられています。

最も生産されているメキシコでノパルと呼ばれ、イタリア、チリ、アルゼンチン、南アフリカ、イスラエルなどでも大規模な生産が行われています。


日本ではかつて、宮崎県のサボテンハーブ園で栽培され、レストランでもサボテンのステーキがあったが、2005年に閉園となった。

ウチワサボテンの植え付け時期は、気温が10℃以上を保てる3月から6月又は、9月から10月頃が適してます。

ウチワサボテンの殖やし方は挿し木が一般的とされ、4月から7月頃に切り取った茎の切り口を1週間ほど乾燥させ、土に切り口が当たるように挿します。

鉢植えの場合の植え替えは、2年から3年に1度の頻度で行います。

植え替え時期も植え付けと同時期頃が適期とされます。

開花年齢になったウチワサボテンは、6月から8月頃に花を咲かせます。


◉ウチワサボテンの効能

ビタミンCやβーカロテンをはじめとした豊富なカロテン類などの、抗酸化成分によって癌や動脈硬化の原因となる、活性酸素の除去に効果的とされる。

糖尿病予防や改善、コレステロール値改善、免疫システム強化、消化不良の予防、便秘予防解消、ダイエットの補助など、さまざまな効能がある。

オリーブオイルの400倍、カルシウム、むくみ、利尿作用、塩分排出、口臭予防など



✿ウチワサボテン群生地

茨城県神栖市、自然保護公園





    「2023年2月20日📷」

昭和47年に茨城県指定天然記念物に登録されたウチワサボテン群生地

100年以上経過しているとされ、いつ、どのようにしてこの地に運ばれ群生したかは不明である。


「花柄が残ったままのウチワサボテン」

★ウチワサボテン群生地
茨城県神栖市太田2070-8



      「6月4日撮影」


6月4日の時点ではまだつぼみのままで開花していない。

✪2023年6月27日撮影時の花





雨期の終わる頃に種が地面に落ちる。

雨期が終われば乾期が訪れますが、一般に植物の発芽には水分が必要なので、乾期は発芽に敵さず、乾期の間は休眠します。



果実から採取した直後のウチワサボテンの種子は、発芽に時間がかかる場合があり、なかなか種が発芽しなくても一年ぐらいは待ってみる必要があるようです。


     「2024.07.09撮影」