緑のお医者の徒然植物記

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2020/10/05

コトネアスター No,297

 コトネアスター バラ科 常緑小低木

別名=ベニシタン 「紅紫檀」ミルクフラワーコトネアスター

原産地=中国雲南省

日本へは昭和のはじめに渡来し、現在では全国各地に広がっています。

シャリントウ属、属名は「マルメロに似ているもの」と言う意味を持つ。

サンザシ属(ピラカンサ)と類似しているが、葉の部分に鋸歯がない、枝にトゲが生えないなどの差異がある。

コトネアスターの仲間は(旧世界·アフロ·ユーラシア大陸)北半球に約400種が分布する。

★旧世界と旧大陸は同じものを指すが、必ずしも単一の陸塊と言う意味はない。

★アフロ·ユーラシア大陸は、アフリカ大陸とユーラシア大陸を合わせた大陸であり、地球表面上における最大の陸塊(超大陸)である。

※陸塊=りくかい(大陸のこと)

主な原種、園芸品種仲間
ベニシタン、コトネアスター·ワテレリ
コーラル·ジューティ


        (コトネアスター)


中国原産のベニシタンは、赤色の果実と枝が横に広がる樹形で、最も広く栽培されています。

5月から6月に白、或いは淡い紅色の花をたくさん咲かせますがあまり目立ちません。

10月頃に鮮紅色に熟す、ナシ状果が花の少ない季節を彩り、2月頃まで楽しめます。

ちなみに花のつぼみも赤色です。

厚く光沢のある葉は互生し、5~15㍉と小さく裏面と葉柄には毛が生えています。

秋が深まると、赤紫に紅葉して落葉する種類もあります。

枝は低い位置で枝分かれして、ほとんど這うように水平に広がっていきます。

盆栽や垣根などのほか、グランドカバーとしても利用が盛んです。

◉生育管理、環境
1年枝は長く伸びて這っていくだけで分枝しません。

翌年には短枝を作って花芽を形成し、春早々に蕾となって現れ、晩春から初夏にかけて開花します。

秋になると果実が枝に連なるようにして、赤色に熟していきます。

適応性に優れた植物なので、やや日陰でもよく実をつけるなど、どんな環境でも育ちますが出来るだけ、日当たりのよい場所を選ぶ事です。

◆植え付け、植え替え
土質は選びませんが、多湿になる場所は避けましょう。
植え付け場所には、ピートモスを多めに混ぜて水はけをよくしてやります。

植え付けは2~3月頃、又は9月~11月頃に行います。

★肥料
施肥は2~3月頃に化成肥料を与えます。

追肥はほとんど必要ありません。

◉害虫
幹や枝にコブなどの異常組織が現れたり、穴や木屑、虫糞、ヤニなどがあるという状態。

葉が霧吹き状に黄色く変色したり、縮小、葉巻状に変形したり、穴やかじり痕かをある状態。

また、新芽やまだ緑色の枝が萎れたり枯れたりする状態。

果実や種子の表面にかじり痕や傷が見られたり、表面に穴が開き内部に、虫や虫糞が見られる状態。

この様な場合、毛虫、ハマキムシ、イモムシ、シャクトリムシ、ダニなどの害虫がついていると考えられます。

枝ごと取り除き、スミチオン乳剤などで予防しておきます。




◉せん定
基本的には、花つきや実つきをよくするために、せん定はせず枯れ枝などを取るだけにします。

グランドカバーとして利用する場合は、放任してもよいでしょう。

境界線に植栽した場合は刈り込みましょう。

その際、冬の間は花芽と葉芽の区別がつかないので、春に芽が伸び出してから、せん定を行いましょう。

枝があまりにも込み合ってきたら、数年に1回、4月上旬にせん定します。

新梢のせん定は5月から9月頃に、生育が悪い小枝や枯れ枝を、付け根から切り取って間引きます。

品種によりせん定の方法が変わります。

枝の長い品種の場合は、立ち枝を付け根から間引きます。

短い品種の場合は、新梢を全体的に軽く刈り込みます。

大抵は自然樹形ですが、1本の幹を中心に主幹樹形に仕立てる方法もあります。

それにはまず、支柱を立てて根元から伸びるひこばえを早めに取りましょう。

◆殖やし方
挿し木は6月から7月頃に行います。
日当たりのよい場所で育った枝を8~10㎝程の長さに切って、下葉を取り除いておきます。

さし穂の切り口は45度位の角度に切り、切り口の樹液をよく洗って、1~2時間程度水揚げをしてからさします。

種蒔きは2月から4月頃に行います。






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