緑のお医者の徒然植物記

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2020/10/26

ケヤキ No,310

 ケヤキ ニレ科 落葉高木

別名=ツキ 「槻、欅」

日本の代表的な落葉広葉樹のひとつで、北海道を除く日本各地の山地に幅広く自生しているが、山野の湿り気の多い場所や、川の辺りや沢沿いなどの肥沃な所に多い。

分布の範囲は朝鮮半島、中国、台湾に及びます。

耐寒性、耐暑性とも強く、現在では北海道でも栽培されたものを見ることが出来ます。

樹高は通常10~20㍍程ですが、生育条件が良ければ50㍍に達するものも珍しくありません。

特に、関東ローム層の土壌が適している様で、関東地方の公園や街路樹などで多く見かける樹種です。

新緑から秋の黄葉、落葉後の冬の樹形がとても美しく、その雄大な樹姿を「神木」として崇め、古くから寺社などに植えられていました。

ケヤキの名は「けやかき(際立った)木」と言う古語に由来すると言われています。

萌芽力が強く、せん定にも耐えることから庭木として用いられる他、街路樹や公園樹としても幅広く親しまれています。

風には強いが大気汚染、潮風に弱い。

雌雄同株で新葉が展開する時期と、ほぼ同じ4月から5月にかけて淡黄緑色の花をつけます。

雄花は新梢の下部、雌花は新梢の上部葉の付け根の葉腋にそれぞれ開花しますが、どちらも葉の色に似ていてあまり目立たない。

果実は葉の付け根につき、4㍉程のいびつな球形をし、10月頃に成熟する。

枝から離れて落下するものと、小枝ごと風に運ばれるものとがあり、枝についた果実は遠方まで飛んで繁殖します。


葉は晩秋に黄色く色づくが茶褐色に枯れてしまうものが多い。

木材は家具材、楽器、器具材、船舶材などに古くから幅広く利用されてきました。

園芸品種は特にありませんが、庭園樹木としてエノキ、ハルニレ、アキニレなどが親しまれているニレ科の樹木です。

特に9月頃に開花する「アキニレ」は「ニレケヤキ」の名で、盆栽樹として多くの愛好家に親しまれています。


        (黄葉したケヤキ)


◉生育管理、環境
日当たり、水はけのよい腐植質に富んだ肥沃な場所を好みます。

太い根を土中深く伸ばす深根性の樹種なので、出来るだけ深い層まで土壌が肥えている事が理想です。

◉植え付け、植え替え、移植
広い場所に植え付けます。

植え穴は大きく掘り、元肥として完熟堆肥を十分すき込みます。

移植には強く、かなりの大木でも1年程前から根回しをしておけば、比較的容易に活着します。

乾燥に弱いので、植え付け後は十分に水やりをし、必要に応じて幹巻きなで水分の蒸散を防ぎます。

植え付け、植え替え、移植の適期は3月と10月~12月です。


◆肥料
肥料を与えると徒長枝が伸びやすいので、極端な痩せ地でない限り必要ありません。

必要に応じて、油粕、鶏ふん、化成肥料などの寒肥を与える。

◉病害虫
まれにクワカミキリムシの幼虫に幹を食害されることがあります。

食害を受けた部分を放置すると、腐朽する場合があるので、スミチオン乳剤などを食入口に注入し駆除します。

また、夏に成虫を見かけた場合は産卵を防ぐためにもすぐに捕殺します。

◉せん定
放任しても独特の箒(ほうき)状の樹形にまとまります。

通常、庭木として楽しむ場合は、若木のうちに目標の高さを決め、その3分の1程度の樹高で芯を止めます。

高さは2㍍程の所で切るのが一般的です。

切り口から強い枝が分枝し、以後は随時切り戻す度に上へ上へと分枝して、箒状の樹形になります。

せん定の基本は徒長枝や込み枝、下垂枝などの不要な枝を付け根から切り取って透かしていきます。

若木のうちに地際近くで切り戻して、株立ち状の樹形を楽しむ事も出来ます。


◆殖やし方
秋に落果した種子をすぐに蒔くか、低温貯蔵して翌春の3月から4月頃に蒔きます。

自然落果して発芽した苗をそのまま育てる事も出来ます。

接ぎ木は2月から3月に行います。






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