緑のお医者の徒然植物記

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2020/10/06

ポットマム No,298

 ポットマム キク科 宿根草

原産地=中国

秋を代表する草花のひとつで大きく「和菊」と「洋菊」に分かれ、品種は非常多く観賞用だけでなく、食用になるものもある。

中でも「ポットマム」は鉢花として出回るキクの総称でPot(鉢)とChrysanthemum(キク)のmumを合わせた言葉で、「鉢植えのキク」と言う意味です。

ポットマムは欧米生まれの洋菊から茎の伸びにくい、中輪系のものが選抜されて出来ているので、和菊に比べて手間がかからず、よく分枝してたくさんの花をつける。

盛んに品種改良が行われ、その数は100種以上あると言われています。

花色も花形も豊富で多種多彩です。




◉生育管理、環境
ポットマムの多くは開花株で、苗物はほとんど出回っていません。

花を長く楽しむには、購入した株をすぐに一回り大きな鉢に植え替えることです。

鉢のわりに地上部のボリュームが大きいので、つぼみが次々と咲き始めると、水切れを起こして株が傷むからです。

日頃の管理としては、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

9月頃に下葉取りを行います。

草丈を抑えたい時は、8月下旬と9月中旬の2回に「わい化剤」(B-9 200倍液など)を散布するとよいでしょう。

★矮化剤(わいかざい)
植物の成長を抑制して、草姿を改善する薬剤の総称で、「植物成長抑制剤」ともいう。

茎の伸長を主に抑制し、葉や花などの他の器官にはあまり作用しない。

茎の伸長を抑制するだけでなく、分枝の発生を促進する作用を持ったものもある。

使用する際には、植物ごとに適切な薬剤の種類や濃度、使用可能時期、回数などをよく調べて調整する必要があります。

◉植え付け、植え替え
購入した開花株のプラスチックの鉢やポットを外します。
この時、根鉢(土)は崩さないようにします。

一回り大きな鉢の鉢穴を底網ネットでふさぎ、軽石と市販の草花用培養土を、軽石が隠れる程度に入れ、株を鉢の中に置きます。

鉢と株の隙間が出来ないように培養土を入れます。

ウォータースペースを残すように、培養土を入れたら完成です。

植え替え後はたっぷり水を与え、春まで管理します。

2年~3年に1回、3月中に一回り大きな鉢に植え替えを行います。

植え替え時に株分けを行い、ポットに植え付けたものを作っておくと、寄せ植えの素材として使う時に便利です。

◆肥料
肥料を好むので追肥は固形の油粕を、1鉢当たり2個を目安に置き、10月以降は液肥を7日ごとに灌水がわりに与えるとよいでしょう。

◆病害虫
白さび病やアブラムシなどが発生しやすく、特に9月の長雨時に多いので週に1回薬剤散布を行います。

◉せん定
12月頃になると地上部が自然に枯れるので、地表から2~3㎝を残して、枯れた枝を切り詰めます。

その後、極端に乾かさないように時々水やりをします。

2年目以降になると、わい化剤が切れるため草丈が高くなり過ぎることがあります。

この場合は、早春に出た芽を伸ばし、4月末から5月上旬に地表から葉を4~5枚つけた位置で切り戻しをすることで、草丈を低く抑えることも出来ます。

花芽が発達を始める7月中旬のまでに、1~2回適芯を行うとよいでしょう。

◆殖やし方
6月下旬から7月上旬に伸びた芽を指で折り取り、約7㎝の長さで水平に切り、葉を上から4枚程残して、下の葉を付け根から取り除きます。

約一時間水に浸しておき、育苗箱にパーライトかバーミキュライトを入れたっぷり水を含ませた後、さし穂を約2㎝さします。

しばらくは葉面が濡れる程度に水を与え、明るい日陰に置いて管理します。

2~3週間で発根します。