オオイタビ クワ科
イチジク属
本州千葉県以西、四国、九州、沖縄、中国南部、台湾、東南アジアの暖地や海岸などに多く自生する。
日本で栽培できるのは、概ね関東
地方以南です。
常緑ツル性植物で枝(根)から気根を出し、他の木の幹や岩に張り付くように這って生長します。
本年枝は褐色で短い伏毛が密生し
枝や葉を折ると白い乳液が出る。
雌雄異株で花は花嚢(かのう)と
呼ばれ、直径1cm位の球形または
卵形で緑色、一見花には見えない。
花期は5月〜7月頃で、果実は花嚢が長さ4〜5cm程に肥大し、秋から冬頃に熟して割れる。
果実は甘くて美味しい。
子どもの頃、おやつ代わりに食べた物です。
お店もない過疎地、おやつは自然の中にあった様なものだった。
❆主な類似種
イタビカズラは本州福島、新潟以南
四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国南部、台湾に分布する。
花期は6月〜7月で花嚢が1〜2個ずつつく。
花嚢は長さ5〜7㍉の卵形で、表面には灰白色の毛が密生する。
イタビカズラは花嚢をつけた株が
意外と少ない。
この仲間の花は最初から果実のような形をしている。
葉の先端が鋭く尖り、細長く葉の
表面は光沢がある。
✪主なイチジク属
アコウ、ガジュマル、イヌビワ
イチジク、オオバイヌビワ
✭石垣などの植栽
気根を出し、張り付いて伸びる
性質を利用して、石垣やコンクリートの壁などの装飾に利用します。
小枝が多数出るので、量感を出したい場所に適しています。
平面的な利用も可能ですが、花や
葉の鮮やかさにかけるため、余り
利用される事はありません。
石垣や壁などに用いる場合は、くまなく枝配りしている事が大切です。
地際の部分をち密にするには、ツルを水平方向に誘引することが大切です。
✪殖やし方
実生や挿し木で殖やします。
◉生育環境
自生地では半日陰より明るい林縁部に多く見られます。
湿り気がある場所に適していますが乾燥地でも比較的よく育ちます。
土壌は砂質土でも粘土質でも生育します。
✿イチジク属の受粉の仕方
イチジク属はアコウ亜属とイチジク亜属に分かれます。
アコウ亜属(アコウ、ガジュマル)は、雌雄同株で雄花、雌花、虫えい花の3つが同じ花嚢に入っています。
イチジク亜属(イチジク、イヌビワオオイタビなど)は雌雄異株で
雄花嚢には雄花と虫えい花、雌花嚢には雌花が入っています。
イチジクコバチ科の蜂は花嚢に入り込んで、虫えい花に産卵する。
羽化したコバチは花嚢内で交尾し
雄は花嚢の中で一生を終える。
雌は雌花の花粉をつけて外に出ていく。
別の若い花嚢に入り込んだ雌はそこで雌花を受粉させ、虫えい花が
あればその子房に産卵する。
✪虫えい花
イチジク属の各植物には、特定のイチジクコバチ類が花粉を媒介し花嚢の中で虫こぶ(ゴール)を虫えい花に作って、共生関係を維持している。
植物は花粉を媒介してもらい、イチジクコバチ類は住み場所と食物を提供してもらっており、互いに
相手の存在なしに生存していない。
これは生物の共生関係として良い例だと思われます。
しかし、この現象は一般的には余り知られていないのが現実です。
尚も進化を続けているに違いない。
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