緑のお医者の徒然植物記

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2021/01/19

寄生植物 No,347

 寄生植物

✿寄生とは?
寄生とはある生物が他の生物或いは生物の死体(死骸)や分解物などから栄養を取って生活すること
をいいます。

寄生植物はこうした生活をする植物のことですが、よく知られた種類にはケヤキやエノキなどの広葉樹類に寄生するヤドリギ類。

ススキやミョウガなどに寄生する
ナンバンギセル、カワラヨモギなどに寄生するハマウツボなどが知られています。

寄生に対し、寄生を受けている生物は宿主(しゅくしゅ)といいます。

寄生されている側が植物の場合、
宿主植物と呼ばれます。

宿主植物は多かれ少なかれ、寄生
植物からの影響を受けます。

そして、寄生されるものが病原菌
の場合、発病を招く事があります。

✭寄生植物の形態

寄生植物には葉緑素を持つものや
持たないもの、また、病気の原因とウイルスや細菌などがあり、その生活形態は様々です。

栄養の取り方として見ると2つに分けられます。

1’半寄生植物

自ら光合成を行う事ができるクロロフィルを持ち、宿主の植物からは有機物や無機物な栄養を吸収しています。

ヤドリギ類は葉緑素を持っているので、半寄生植物です。


                   (ヤドリギ)

2’全寄生植物

生育に必要な栄養分のすべてを宿主植物から吸収する植物です。

病原菌類やナンバンギセル、ハマウツボなどはこの植物に属します。


                   (ナンバンギセル)

                      (ハマウツボ)

✿寄生植物に対する管理

ヤドリギ類のように自ら生産活動
を行うような、寄生植物の場合、
数が少なくて、寄生されている植物の樹勢が旺盛であれば問題はありません。

病原菌として寄生して病気になった場合、薬剤を散布したり、樹勢
維持の為の施肥などが大切です。

伝染性の病気で枯死を招くような
時は、伐採して焼却処分にしたり
土壌の消毒などの処置が必要になることもあります。

ビャクシン類とナシやボケ、カイドウなどの一部のバラ科の植物に
発生する赤星病やマツ類とコナラの間のコブ病などのように、菌を
互いに媒介し合う関係にある植物もあります。

この様な関係は「中間寄生」または「中間宿主」と呼ばれるが、こうした関係にある植物は、同じ場所に植えないようにすることや、近隣の様子にも気を配るなどの配慮が大切になります。