緑のお医者の徒然植物記

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2021/07/01

サルスベリのうどん粉病 No,513

 サルスベリのうどん粉病

新梢や葉、つぼみに小麦粉をまぶしたような白いカビが生え、被害が進むと全体がカビで被われる。

カビが原因で発生する主要病害で、サルスベリ以外の植物にも多く発生します。

一般に夏の高温期を除き、初夏や秋口に雨が少なく雨天が続く、比較的冷涼でしかも乾燥すると発生します。

肥料のやり過ぎで枝葉が茂り過ぎたり、密植して日当たりや風通しが悪いと発生が促されます。

発病した葉の上にできる胞子が風で飛散し、周囲に伝染するのが一般的です。






一度発生すると連年発生が続き、多発生が続くと生育が阻害されて、次第に衰弱し、貧弱な樹となります。

病原菌は病葉上に形成される子のう殻や、枝上の芽の組織内に潜伏した菌糸の状態で越冬して、翌春の第一次伝染源となり、新葉展開期以降に子のう胞子及び分生子を飛散し、秋期に至るまで二次伝播を繰り返します。


防除法

被害部位や発病した落ち葉は、早めに取り除いて伝染源を断ちます。

密植を避け、枝葉が茂り過ぎる場合はせん定して日当たりや風通しを良くします。

チッ素肥料を一度に与え過ぎると発生しやすいので施肥には注意します。

チッ素肥料

硫酸アンモニア、硝酸アンモニア、尿素
石灰窒素、硝酸ソーダ、硝酸石灰、IBチッ素など

植物が吸収利用するチッ素の形態は、大部分がアンモニア性及び硝酸性である。

そのため、チッ素肥料はアンモニア性か硝酸性、または、土壌中でアンモニア性チッ素に変化しやすい化学形態を持っている。


薬剤による防除

生育初期からマンネブ剤、ジネブ剤、
キノキサリン系剤、チオファネートメチル剤、ベノミル剤、トリホリン剤、ミルディオマイシン剤などを用い、特に発生初期を重点に月に2回程度散布してまん延防止を図る。