緑のお医者の徒然植物記

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2021/07/07

クリ 市野々の大栗 No,519

 クリ 「栗」ブナ科クリ属

別名=シバグリ

縄文時代より果実は重要な食料であった。

栗は人間が最も早く認識した植物と言えるだろう。

山野に普通に見られる自生する栗は「シバグリ」の名でも呼ばれている。

栽培種「タンバグリ」の大粒の栗に対して、果実が小さく半分以下であるのが自生種です。

材は、椎茸の原木や薪炭材に使われ、葉にはタンニンが含まれ、葉を煎じたものをかぶれなどの薬にする。


市野々(いちのの)の大栗

岩手県九戸郡軽米町の山林に「市野々の大栗」と呼ばれる山栗の巨木がある。

樹高15㍍、幹周り6.5㍍、推定樹齢674年。
「子孫長久」の木札が根本に置かれている。

大栗が生きる山林では、積もった雪が3月末に解けると大きな「ふき」が葉を広げる。

同町から80㌔ほど離れた三内丸山遺跡から出土した遺物から、縄文時代に柱や食料に栗を利用したことが分かっている。

発掘された土器から八千年から1万年前には軽米町に人が住み着いていたことが分かります。

縄文人も自生する「市野々の大栗」を大切に利用していた事だろう。

✿三内丸山遺跡は青森市三内丸山にある、縄文時代前期中期から中期末頃の、日本最大級の縄文大規模集落跡で、国の特別史跡に指定されている。

世界遺産登録


                     「市野々の大栗」

1993年(平成5年)町指定天然記念物
かつては日本一の栗の巨樹であったがその後、この樹を凌ぐ巨樹が発見された事により、その座を譲ることになった。

地元では「天狗様」と呼ばれ、神様の木として親しまれている。