緑のお医者の徒然植物記

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木曜日, 4月 23, 2020

コデマリ (小手鞠) No.192

コデマリ

バラ科シモツケ属
原産地は中国ですが、日本に伝わったのはかなり古く、小花の固まりが鈴なりに咲くことから、当初はスズカケ(鈴懸)と呼ばれていました。

コデマリの名は、花の固まりを手鞠に見立てたもので、江戸時代に名付けられました。

テマリバナとも言いますが、同様に小花が群れて咲き、その固まりが大きいオオテマリ(スイカズラ科の別種)に対してコデマリと呼びます。

ちなみに今日では、スズカケはプラタナスの和名になっています。  





太い幹を形成せず、株立ち状の枝が弓なりに湾曲し、可憐な花の固まりが咲く。

耐寒性、耐暑性ともに強いことから、全国各地で庭園樹、公園樹、環境緑化樹、生け垣、街路樹の下木、切り花、茶花など、実に幅広く利用されている。

白い花の多くは、ドライフラワーにすると黄色く変色してしまいますが、コデマリは変色せず、葉も趣きのある色合いになることから、ドライフラワーとしても人気があります。

4月から5月にかけて直径1㎝以下の小さな白色5弁花が15~20ほど球状に集まった花序(花の固まり)を作ります。

秋に小さな果実が赤く熟しますが、雌雄異株のため、両方の株を植えないと結実しません。

※コデマリにたいへんよく似た近縁種として

シモツケ、八重咲きのヤエノコデマリ

花期がやや遅いイワノシモツケ、トサシモツケ

アメリカ原産で春先に美しい黄金色の葉が楽しめるキバコデマリなどがあります。

◉コデマリの生育管理

日当たりのよい腐植質に富んだやや湿潤地を好みます。

土質は特に選びませんが、乾燥が苦手なので午後の西日が長時間当たる場所は避けます。

また、極端な痩せ地や日陰地では花つきが悪くなります。

耐アルカリ性、耐酸性があり、樹勢も強いことから移植は容易です。

ただし、根が細かいため、植え付け、植え替えに際しては細根を乾かさないように扱う事が肝心です。


植え付けの穴は大きめに掘り、完熟堆肥、腐葉土を十分にすき込み、やや高植えにします。

真夏は株元にワラなどを敷き、土中の湿度を保つようにします。

充実した枝を多く出させるためには冬期に油粕、鶏ふん、完熟堆肥などの有機肥料を株回りに多めにすき込みます。

また、必要に応じて花後にリン、カリを多く含んだ肥料を与えると翌年の花つきがよくなります。

※チッソ分の多い肥料の与え過ぎに注意しましょう。


★病害虫

病害虫はまれに新梢や新葉に白いカビ状の粉が吹いたようになる「うどん粉病」

夏に葉縁の一部が淡褐色に変色して輪状の病斑ができる「タンソ病」

病葉を丁寧に取り除く。
ひどい場合はうどん粉病にはカラセン水和剤

タンソ病にはベンレート、ジネブダイセンなどの水和剤などを月に2回から3回、発生箇所を重点的に散布します。

※「うどん粉病」は、病原菌が飛び散ることで伝染します。

この病原菌は雨天の時より晴天の時の方が飛翔するので、注意が必要です。

この病気の予防には、冬の1月から2月に石灰硫黄合剤を散布することが大切です。


※春からはアブラムシが出ますので注意が必要です。




◆コデマリの剪定、整姿

枝先をむやみに切ると独特の樹形を損ねることになります。

普段は冬期に極端な飛び枝や逆さ枝、込み枝、枯れ枝などを付け根や枝の分かれ目で切る程度で十分です。

樹高があまり高くなってしまうと、たわわに咲く花がよく見えません。庭植えでは、視線の高さを1.5㍍前後に抑えるとよいでしょう。

固くなった古枝は花後に根元から切り取って更新します。

株の更新は4年から5年に1回が目安です。

花芽は本年枝の葉腋につき、翌年わずかに伸びた新梢の先に開花します。

強剪定にも耐えますが、花芽分化期の9月以降に切ると、花つきが悪くなります。


◉コデマリの殖やし方

挿し木、株分けで殖やします。

挿し木は2月頃に充実した前年枝を15~20㎝に切ってさし穂とし、日当たりのよいやや湿潤地で管理し、翌春定植します。

株分けは2月から3月に掘り上げ、3~5本を1株として切り分けます。

※移植にも強く、秋10月から春3月頃まで出来ます。







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