サキュレントカルーの植物たち
南アフリカ 砂漠植生地
南アフリカの広大な国土は、降水量、雨量、標高、地質などが変化に富み、様々な植生を育んでいる。
中でもとりわけ美しい花々と多肉植物が集中しているのが、サキュレントカルーと呼ばれる砂漠植生地です。
サキュレントカルー植生は、南アフリカの西部からナビミアの南部に広がる砂漠及び半砂漠気候の植生で、降水量の少なさと冬季に雨が降るという気候に適応した、世界でも類を見ない多肉植物を中心とした、特殊な植物相が発達している植生地です。
ケープタウンを北上して行くと、通り過ぎる町の規模が次第に小さくなり、風景からも緑が少なくなってゆく。
やがてサキュレントカルーの植生が始まる。
樹木のほとんどが見当たらない原野のあちこちに白い石英の礫野(れきや)が広がっている。
一見不毛の地のように見えるが、石ころに混じるようにして、国有の多肉植物が自生している。
多肉植物が自生する傍らには、アヤメ科を中心とした球根植物、ペラゴニウム、オキザリスなどに加え、キク科の一年草やマツバギクの仲間など、多種の植物があちこちの原野を染め、色鮮やかです。
こうした花々の殆どは、雨季の終盤である8~9月の早春に開花する。
また、寒気の終わりに当たる秋に
は、もうひとつの花が乾ききった原野を埋め尽くすように咲き誇る。
ヒガンバナ科の「ブルンスヴィギア·ボスマニアエ」と言う大きくて美しい花が咲く。
花の直径は40cmになる。
濃淡、様々なピンクの花が乾いた大地に咲くのは不思議です。
サキュレントカルーの中で、最も乾燥が厳しいとされる南アフリカ、ナミビア国境周辺は、最も多肉植物が豊富な地域です。
樹木の一切無い岩山には、アロエ·ピランシー(ツルボラン科)と言った大型の多肉植物が点在している。
これ程乾いた大地に何十年、何百年と生き延びてきた植物の生命力は、まさに「凄い」の一言である。
長く乾いた大地の歴史の中で、形作られたサキュレントカルーの植生、旅をするには厳しい土地、だがその分魅力も大きいと言えるだろう。
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