緑のお医者の徒然植物記

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2021/03/22

フサザクラ No,412

 フサザクラ     フサザクラ科    落葉高木

別名=タニグワ、コウヤマンサク、サワグワ
総桜、房桜

ヒマラヤ、中国、日本に3種が分布する。
分布=本州、四国、九州、日本固有 1科1属

パイオニア植物のひとつで、谷筋や崩壊地、やせ地、山地の沢沿いなどの湿り気の多い場所に多く生える。

生長が早く、萌芽によって個体を維持し続ける。

葉が桑の葉に似ている事から、タニグワなどのクワのつく地方名が多い。

ヤマグルマやカツラ科などと類縁関係があり、花の様子が似ている。




花、果実

3月に山歩きをすると沢沿いに暗紅色の裸花が目を引く。
花の後の編円形の大きな葉も清々しい。

両性花で雌しべも多いが雄しべが特に目立つ花である。

葉が出る前に開花し、花には花弁がなく赤い雄しべが房のように垂れ下がる。

短枝の先に5〜12個の花が集まって咲く。
花が散ってから忘れた頃に葉が伸び出してくる。

果実は翼果で10月頃、黄褐色に熟すと風によって飛ばされる。
翼果の中には種子が1個入っている。 


肥料

寒肥として油かす、鶏ふん、化成肥料などを与える。

せん定

萌芽力もあるが、野趣を重んじて、湿り気の多い所で自然仕立ての方が向いている。
日当たりが良くても半日陰でも十分育つ。

✫種類
葉の裏が粉を吹いたような白い色をしている、ウラジロフサザクラの品種が本州に産している。



花には花弁がなく赤い雄しべが目立つ。