緑のお医者の徒然植物記

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2021/03/30

マグワ 桑の木 No,420

 マグワ クワ科 落葉高木

原産地=中国  別名=ヤマグワ、ササクワ

養蚕(ようさん)用にカイコに葉を食べさせるため、栽培されていたものが放置されやがて野生化した。

養蚕の歴史は古く、中国の黄河や揚子江流域で野生のクワコを家畜化したのが始まりと言われている。

今から5千年から6千年も前の事である。




初めは中国の宮廷内だけで秘密に行われていた養蚕も、紀元前千年前くらいになると、一般の農家にも養蚕を行わせるようになりました。


絹織物は異民族を支配するための褒美として使われ、絹の魅力は中近東へ拡がり、そしてローマで広まって行きやがて、この交易ルートが「シルクロード」絹の道と言われ、文化の交流に多くの役割を果たしました。


日本への養蚕技術が伝わったのは紀元前200年くらいで、稲作と一緒に中国から移住者(日本人の祖先の一つ)が伝えたと言われています。


その後養蚕は長い時代を経て発展し、1900年頃に日本は中国を抜いて、世界一の製糸輸出国となった。

日本の最大の輸出先はアメリカでした。
輸出で稼いだお金で、近代化の為の機械などを買っていた。

1929年、アメリカから広がった世界恐慌により、製糸が売れなくなった。

1940年には、最大の輸出先であるアメリカでナイロンが使われるようになり、その後その影響により低価格で、大量生産ができる化学繊維が開発されて行く。

48年前の頃には、農協の事業として養蚕、繭、製糸が行われていた所もあったが、その事業も無くなり、いつしか桑畑も消えてしまった。

そんな子ども頃の記憶が小生には残っている。

桑の実は子ども頃のおやつだった。


✿生育環境

土質はあまり選ばないが、日当たりの良い土地でも陰地でも育つ。

移植は3月頃と11月頃に行い、大きな木には根回しが必要で細根を出してから移植する。

鉢植えは、冬に防寒をした方が良い。

栽培すると実も葉も大きくなる傾向がある。
せん定は2月から3月頃に、強く刈り込んでも耐える。

✻肥料

冬期に油かす、鶏ふん、化成肥料を施す。

✣開花、果実

4月〜5月にかけて淡黄緑色の小花が穂状に咲く。

6月〜8月頃に赤色から次第に黒紫色になって熟す。
生食、ジャムなどに利用する。

✻害虫はアメリカシロヒトリ、ハマキムシの被害を受ける。
ディプレックスなどの薬剤散布で駆除する。

✿種類

観賞用にホソバグワ、フイリグワ、永稿フクログワ
盆栽用にヒメグワ
街路樹にトウグワなどがある。








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