緑のお医者の徒然植物記

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2021/03/03

ゴーヤの実はなぜ苦いの? No,393

 ゴーヤ ー  ウリ科

ゴーヤーは一般的にはニガウリ(苦瓜)と呼ばれる「ツルレイシ」のことである。

苦味を持ったウリと言う意味で、ゴーヤーと呼ばれる。

主に未熟な緑色の果実を野菜として利用する。

ゴーヤーは英語で「ビターメロン」と言われ、苦いウリ科の植物を意味します。




この苦味が料理の味になっているのが「ゴーヤーチャンプルー」で、チャンプルーとは沖縄の方言で「まぜこぜにしたもの」と言う意味です。

今では全国的に知られるようになった「ゴーヤーチャンプルー」ですが、元々はゴーヤーの産地である沖縄県の、いろんな野菜や豆腐などを炒めた郷土料理です。


             (ゴーヤーチャンプルー)


「パパイヤチャンプルー」やヘチマ、沖縄では「ナーベラー」と言うチャンプルーなどがあります。

一般的に食べているゴーヤーは成熟する前のもので苦味があります。

実が熟すまでは中のタネが成熟していないので、動物に食べられないように苦味でタネを守っているのです。

タネが完全に熟すと甘く美味しくなります。

熟した頃に、動物が食べてタネを糞と一緒にどこかに、撒き散らしてくれることを期待しているのでしょう。

生育地がどんどん広がることも期待しているのかも知れません。

ゴーヤーの主な苦味成分は「モモルデシン」と「チャランチン」と言う物質です。

ゴーヤーの学名は「モモルディカ·チャランチア」ですが、学名はその植物が属する属名と、その植物の特徴を表す種小名が並べられて成り立ちます。

ゴーヤーの場合は、モモルデシンが属名のモモルディカでチャランチンが種小名のチヤランチアに因んで名付けられているのです。

ゴーヤーのように、属名にも種小名にも因んだ2つの物質が、知られているのは珍しい例です。

✿苦味成分の「モモルデシン」は数種類のサポニンと、20種類のアミノ酸で構成されている栄養成分です。

「モモルデシン」が胃液の分泌を促し、食欲を増進させ、肝機能を高め、食欲不振、疲労回復も期待できる。


✿苦味成分の「チャランチン」は抗酸化作用を持ち、血中のコレステロールを下げる働きや「植物インスリン」とも呼ばれるほど、インスリンの分泌を促します。

更に「チャランチン」は血糖値を上げるホルモンである「グルカゴン」にも作用するので、血糖値を上げ過ぎず、下げ過ぎず、丁度よい状態にとどめる事が出来る。








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