樹木の根回し
普通根回しは、移植6ヶ月から1年くらい前に行いますが、新根の発生量は樹木の休眠期よりも生長期の方が旺盛です。
大切な老木などでは、根元を半周ずつ2年から3年にわたって根回しを行うこともありますが、根の再生力の強い樹種では、移植の1ヶ月前に根回しを行っても、その効果が大きい場合があります。
造園では、細根が少なくて移植のために、根回しをする必要のある状態の根を「根が荒れている」といいます。
一般に若木で生育の盛んな樹は、根の荒れ方が早く、前回の移植からまだ期間が短くても根回しを行った方が良い。
老木は根の荒れ方が遅いとされる。
前回の植え付け後、根が荒れて再移植のために根回しをしないと危険な植物の目安
❉植え付け後、2年以上経過で根回ししないと危険な植物
常緑樹=ピラカンサ、コトネアスター
落葉樹=サンショウ、カラマツ
1年以上経過で、なるべく根回しした方が良い。
✼植え付け後、3年以上経過で根回ししないと危険な植物
常緑樹=ジンチョウゲ、シャリンバイ
チャイニーズホーリー、トベラ
クチナシ、ウバメガシ、オオカナメモチ
2年以上経過で根回しした方が良い
✼植え付け後、4年以上経過で根回ししないと危険な植物
常緑樹=タイサンボク、キャラボク
オガタマノキ、クスノキ、タブノキ
落葉樹=カキ
3年以上経過で根回しした方が良い
クスノキ、タブノキ等の枝をすべて切り落とし、寸胴で移植する場合は根回しは不要
✼植え付け後、8年以上経過で根回ししないと危険な植物
常緑樹=ツバキ、サザンカ、モチノキ
モッコク、マテバシイ、ヒイラギ
クロガネモチ、カナメモチ
ゲッケイジュ、シイノキ
常緑樹=ハナミズキ、ヤマボウシ
ナツツバキ
4年以上経過でなるべく根回しした方が良い
✼植え付け後、10年〜15年以上経過で根回ししないと危険な植物
針葉樹=ヒマラヤスギ、スギ
コウヤマキ、ヒノキ、クロマツ、アカマツ
カイズカイブキ
常緑樹=モクセイ
4年以上経過でなるべく根回しした方が良い
クロマツ、アカマツ、カイズカイブキ、サルスベリは、5年以上経過でなるべく根回しした方が良い
サツキ、ツツジ類、マサキ、ニシキギ
アベリア、マユミ、ドウダンツツジなどは細根が極めて多く、根の再生力も強いため常に根回しを必要としない。
関東ローム層に生えているクロマツも、適期に適切に移植を行えば、通常は根回しを必要としません。
イチョウ、プラタナス、メタセコイアなどは、根の再生力強い樹種なので適期に適切に移植を行えば、普通は根回しを行わなくても安全です。
また、針葉樹は、広葉樹に比べて一度根回しを行ったものは、根が荒れにくい性質があります。
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