生け垣に使用する樹種の
一般的条件
せん定、刈り込みに強く萌芽力が強い
長い年数が経過して樹の幅が広くなり過ぎたり、樹が高くなり過ぎた生け垣は、かなり強いせん定を行って樹形を保つ必要があります。
生け垣にする樹種は、強いせん定、刈り込みをしても樹勢が衰えず、すぐに芽生える強い萌芽力を持っていることが重要です。
特に、強い刈り込みに耐える樹種としては、カヤ、ウツギ、カシ類、カナメモチ
シイ、マサキ、ピラカンサス
ドウダンツツジ、サンゴジュなどがあります。
逆に、自然風の生け垣にしてあまり強く刈り込まない樹種には、カイヅカイブキ
コウヤマキ、コノテガシワ、モッコク
ヒイラギナンテン、ジンチョウゲなどがあります。
枝葉が密生しやすく、下枝が枯れにくい
目隠しとしての役割を持つ外生け垣には、枝葉が密集する樹種が適しています。
一般に、樹木は頂部優勢性であるため、樹冠の樹勢が強く、下枝は弱い傾向にあります。
生け垣では、日照や通風なども一般の庭木より厳しい生育条件下に晒されます。
そのため、生け垣には下枝の枯れ上がりが少ない樹種を選ぶ必要がありますが、基本的に強いせん定に耐えられる樹種は条件を満たしています。
カラタチ、サワラ、スギなど、生長の早い樹種も枝葉が早く生い茂るので、下枝の枯れ込みが少なくなります。
下枝が枯れにくい、又は生長が早い樹種
ウツギ、カラタチ、サワラ、スギ、マサキ
ネズミモチ、ピラカンサス、ポプラなど
病虫害が少なく管理しやすいこと
庭木全般に当てはまることは、病虫害の発生しやすい樹種は管理の面で負担が大きいことです。
特に、刈り込み整形垣で病虫害が発生すると、一般の単植の樹木より被害が拡大しやすいので注意が必要です。
マサキは、ウドンコ病やアブラムシによるスス病が比較的発生しやすいので、注意が必要です。
しかし、その他の条件が非常に優れているなめ、実際にはよく生け垣に使用されています。
マサキは、強い刈り込みや萌芽力、枝を切断された後の芽吹きが強く、この特性が生け垣に向いているとされています。
生け垣によく使われる常緑樹は、病虫害に比較的強いが、花木はアブラムシ、グンバイムシなどがつくものもあるので注意が必要です。
また、丈夫な樹種でも日照や通風などの条件が悪い生け垣では、常に病虫害に対する注意が必要となります。
寒さや日陰に強く、比較的土質を選ばない
生け垣は日陰になることが多くなります。
生け垣のすぐ脇には、主木となる庭木を植えることが多いため、中高木や高木によって日陰を作ってしまう原因となります。
日陰になっている時間が長いと、気温も上がりにくくなるので、寒さや相当の日陰にも耐える樹種を選ぶ必要があります。
更に、土質に対しても比較的条件を選ばず、よく育つタイプの樹種が適しています。
特に日陰に強い樹種
アオキ、アスナロ、イチイ、カヤ
クチナシ、コウヤマキ、サカキ
シキミなど
湿地に強い樹種
イヌマキ、サンゴジュ、ハルニレ
マサキ、ハンノキなど
海岸地に強い樹種
イヌマキ、カイヅカイブキ、サンゴジュ
シャリンバイ、トベラ、マサキなど
日本全国で幅広く使われてる樹種
イヌツゲ、マサキなど
北海道を除く日本各地で使われている樹種
コノテガシワ、サワラ、スギ、ヒノキ
ヒバ、カラタチ、バラ、ムクゲなど
主に東北地方、関東地方で使われている樹種
アスナロ、ヒムロ、ドウダンツツジ
クコ、レンギョウなど
主に関東地方以南の地方で使われている樹種
カシ類、カイヅカイブキ、カナメモチ
クチナシ、サンゴジュ、サザンカ
ツバキ、ツツジ類、チャ、ピラカンサス
モチノキ、キョウチクトウ(有毒)など
主に九州地方以南で使われている樹種
ホクオウチク、ホウライチク、カンチクなど
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