ハナミズキ(ミズキ科ミズキ属)落葉広葉樹
別名アメリカヤマボウシ 北アメリカ原産
日本のヤマボウシに似ていることから、アメリカヤマボウシの別名がある。
明治45年(1912年)当時の東京市長、尾崎行雄氏が米大統領夫人の希望に応え、ソメイヨシノ(桜)の苗木三千本を寄贈した返礼として東京に贈られたもので、大正4年(1915年)に40本の白いハナミズキの苗木が贈られ、その後ピンク色の苗木が贈られました。
今でも、東京文京区の小石川植物園をはじめ、4本の原木が毎年元気に花を咲かせています。
桜の花が終わりを告げる頃から、白色またはピンク色の大きな4弁花を咲かせます。
日本に渡来したアメリカの代表的花木として、街路樹や庭木などに幅広く利用されています。
4枚の花弁のように見えるのは実は★総苞で、その中心部の緑黄色の雄しべのように見える部分が花(小花の集合=花序=かじょ)です。
★総苞=そうほう(英:involucre)
花序全体の基部を包む苞(ほう)を総苞と言う。
苞葉=ほうよう=苞葉片と呼ぶ、または総苞鱗片=そうほうりんぺんと言う。
※ハナミズキはこの総苞がへこんでいるのに対し、日本のヤマボウシはとがっているのが相違点です。
◉園芸品種
①総苞が白いハナミズキ
②淡紅色になるベニバナハナミズキ
③白い総苞をつけた枝が垂れるシダレハナミズキ
④紅色が濃く美しいチェロキーチーフ
⑤葉に淡黄色の斑(ふ)が入るレインボー
⑥狭い庭でも楽しめる矮性のピグミー、ジュニアミス、クライドナインなど
東京都港区と足立区の区の花として指定されている。
アメリカノースカロライナ、バージニアの州の花として指定されている。
アトランタの市の花として指定されている。
★生育管理
日当たり、排水性、保湿性ともによい腐植質に富んだ土地が最も適しています。
花はすべて上向きにつくので、高い所から観賞できる場所に植えるとよいでしょう。
枝は横に広がるように伸びるので、庭植えでは単植で広いスペースに植える方が無難です。
◆肥料
樹勢が弱ると★隔年開花になる場合があります。
★隔年開花=かくねんかいか(一年おきに開花すること)
花期の5月頃と秋口に、油粕などの有機肥料を株元に穴を掘り埋め込みます。
元肥に1月から2月頃に、堆肥に鶏ふん、カリン酸石灰を加え、株回りに穴を掘り埋め込みます。
強い西日が当たると老化を早めたり、花つきが悪くなることがあります。
特に、関東以西の庭では西日が当たらないように配慮が必要です。
※一般に市販の苗木は、接ぎ木した園芸品種が多いので、植え付ける時は堆肥を主として、少量の化成肥料を根に触れないように混ぜすき込み、植え付け後は支柱をします。
乾燥には弱いので、敷きわらをして乾燥を防止する。
※施肥量の目安として
成木には、油粕1㎏以内、化成肥料200~300㌘以内
苗木には、油粕200~300㌘、化成肥料100㌘以内
◉剪定、整姿
大きくなりすぎると花が上に行ってしまい、観賞しにくくなります。
一般家庭では、3㍍前後の高さに育ったら、樹芯を止め高さを保つようにしましょう。
花芽は充実した短枝につきます。
落葉後に丸い花芽をつけた枝と、細長い葉芽をつけた枝を見極め、葉芽ばかりの長い枝を株元から切り詰めます。
剪定しないと次第に花芽が少なくなり、葉ばかりになってしまうので必ず行うようにします。
時期は11月から2月が適期どす。
また、ひこばえが出やすい樹種なので早めに切り取るようにします。
また、ひこばえが出やすい樹種なので早めに切り取るようにします。
★病害虫
アメリカシロヒトリやケムシが新芽の伸びる5月頃から発生する。
アメリカシロヒトリは木の分岐点や葉の部分にクモの巣状の巣をかけて、ものすごい勢いで葉を食い荒らしますので、早期に発見し駆除する。
ディプテレックス乳剤1000倍液やオルトラン水和剤1000倍液を月に2回程度散布します。
※ウドン粉病
枝葉全体にウドン粉を振りかけたような白っぽいカビが発生します。
春から秋にかけて、数回発生するので予防が大切です。
秋に紅葉した後の落葉を集めて再発防止のために処分します。
ウドン粉病には、月に2回程度カラセン水和剤を木全体に散布します。
雨や曇りの多い年に発生が多く、枝葉が密生し、風通しの悪いところにもよく発生する。
◆殖やし方
実生、接ぎ木、挿し木で殖やします。
※実生は秋に熟した実を採り、よく果肉を取り除いて乾燥に注意しながら冷暗所で保存し、翌春にまきます。
植えてから開花まで5年から7年かかります。
※接ぎ木は充実した前年枝を穂木とし、ヤマボウシやハナミズキの実生苗を台木にして、3月中旬~下旬に切り接ぎします。
※挿し木は、6月下旬~7月上旬に、新梢を2節ほどの長さに切ってさし穂とし、水上げした後鹿沼土のさし床に挿して管理します。
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