緑のお医者の徒然植物記

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2020/05/19

ムラサキシキブ(紫式部) No.220

ムラサキシキブ 

クマツズラ科 落葉広葉樹

日本の美しい果実と言う学名がある。(Callicarpa japonica)

秋から冬にかけて紫色をした3㎜~4㎜の丸い実をつける。

初夏に咲く淡い紫色の花とともに
風情ある表情を見せてくれる庭木です。

同属別種にコムラサキがありますが、コムラサキが高さ2㍍ほどで枝が低く垂れるのに対して、ムラサキシキブの樹高は2㍍~3㍍以上になり、幹は直立するのが大きな特徴です。

また、コムラサキに比べて実のつき方がまばらなことから、観賞価値がやや低いと言われるムラサキシキブですが、むしろそこに素朴な味わいを感じると言う、根強いファンも少なくありません。


園芸ショップなどではムラサキシキブの名で鉢植えが売られていますが、その大部分はコムラサキで
こうした現状からも両種はよく混同されがちです。

同属でよく似た木が多いですが、葉の両面に毛がなく枝が丸いのもムラサキシキブを見分けるポイントです。


原産地は、日本、台湾、中国です。

北海道南部から沖縄、南西諸島まで国内の山野に広く自生しています。

和名の由来には諸説ありますが、京都では古くから「ムラサキシキミ」と呼ばれていたことからシキミ(実が枝に重くついた重実のこと)が転じてシキブとなったと言う説があり、こちらの説が有力視されていますが、本当のところはよくわっていません。

縁起のよい木として、結婚記念樹として植えられる。

この実は野鳥の大好物で、庭に小鳥を呼び寄せる木としても、ムラサキシキブは有名です。



◉植え付け、移植

11月から3月、6月から7月が植え付けの適期です。

植え穴を大きく深めに掘り、堆肥や腐葉土を十分に
混ぜ込んで埋め戻しを行ってから、苗の根土ごと植え付けて水やりをします。

日当たりがよく湿潤な場所を好みます。

萌芽力はあまり強くないので、株立ち状の自然樹形で育てます。

あまり丈が低いうちは花をつけず、また開花しても結実しにくいのもムラサキシキブの特徴です。

乾燥には弱いので水切れに注意しましょう。

◆肥料

冬期の間に寒肥として、有機質を主体に堆肥や腐葉土に鶏ふんやリン酸分の多い化成肥料を少量混ぜ、溝を掘って埋める。

追肥として主に、実のつきをよくするために8月から9月上旬頃にリン酸カリ分の多い化成肥料を
少量与えますが、チッ素分の多い肥料は避けるようにする。

◉剪定、整姿

強剪定をしてしまうと、新梢の成長が盛んになり花や実つきが悪くなります。

徒長枝には花芽がつかないので、浅めに切り戻し枯れ枝や細い枝を整理するようにします。

適期は12月から2月

全体に一定の大きさを保つには、伸び過ぎた枝の枝数を半分程度に間引き、枝先を軽く切り戻します。

花芽は5月下旬頃、梢の葉腋に生じるのでそのまま生かして結実させます。

特に2年から3年生枝から出た新梢が最もよく実をつけます。

継続して、実つきをよくするには4年から5年に1回のサイクルで付け根から切り取って株を更新します


★病害虫

※アブラムシ
春から夏にかけて発生
マラソン乳剤1000倍液を月に2回から3回散布

※コガネムシ
見つけしだい補殺する。

コガネムシの幼虫(ジムシ)は土中にいるので、根を食害して約6~8ヶ月で成虫になります。

食害されると木は立ち枯れ状態になります。

これが発見の目安になります。

5月から9月にかけて月に1~3回ほど、オルトランやスミチオンを散布し予防する。

※根腐れ病
病気に侵された落葉した葉や、害虫の越冬場所になりやすい落ち葉や枯れ枝などは、集めて処分することが防除となる。

★殖やし方
挿し木と実生で殖やします。

挿し木は5月中旬から6月中旬、8月中旬から9月中旬

実生は11月から12月中旬に採り蒔きします。







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