オリーブ 常緑樹
和名カンラン(橄欖)
原産地は、地中海東部沿岸から小アジアにかけての地域で、地中海沿岸全域のヨーロッパ、北アフリカに幅広く分布しています。
五千年以上前から栽培されていた、人類と関わりの深い果樹です。
人類最古の栽培植物の一つと言われ、紀元前三千年頃にはすでに、クレタ島やシリアで栽培されていたとの記録がある。
今では、地中海沿岸の他、インド、北米、南アフリカ、オーストラリアなど世界的に栽培されています。
品種の数は1000以上に上ると言われています。
果実や油がヨーロッパ料理に欠かせないほど、多く用いられている。
国連旗のデザインにも使用されるなど、欧米人にとって極めて重要な植物になっている。
樹高(直立)は7~10㍍に達します。
5月から6月に乳白色の小さく可憐な花が咲き、芳香を放ちます。
果実は最初緑色で、10~11月頃に完熟して黒紫色になります。
日本には安土、桃山時代にポルトガル人の宣教師がオリーブ油を持ち込んだのが最初で「ほるとの油」(ポルトガルの油の意)と呼ばれていました。
江戸時代末期に苗が伝わり、明治に入ってから香川県、岡山県などの瀬戸内海沿岸地域を中心に、オリーブ油の採取を目的とした栽培が始まりました。
香川県小豆島や岡山県牛窓町は、オリーブの名産地として知られており、オリーブは香川県の県花、県木に指定されています。
★1年を通して日当たり、水はけのよい場所を好みます。
日照時間が長いほど、開花結実がよくなり、日照が悪いと枝が細り生育もよくありません。
乾燥に強く丈夫な樹種ですが、高温多湿を嫌います。
梅雨期は排水に十分注意して管理します。
耐寒性は比較的強く、乾燥気味に管理して土の凍結を防げば関東地方までは、庭植えで越冬可能です。
◉植え付け
酸性土壌を嫌うため、植え付け時は10日ほど前に石灰を土にすき込み、弱アルカリ性土壌にします。
植え穴は大きめに掘り、完熟堆肥、腐葉土などを十分にすき込み高植にして支柱で支えます。
植え付けの適期は3月~4月と9月~11月です。
東北、北海道地方では鉢植えにし、冬は室内に取り込みます。
自家受粉出来る品種もありますが、大半が自家不結実性なので、果実を収穫したい場合は、別品種の株を近くに植える必要があります。
◈花粉量の多いネバジロブランコなどを受粉樹として隣植するとよいでしょう。
★ピクルス用の樹木として
マンザニロ、セビラノなど
★オリーブ油用の樹木として
ルッカ、ミッション、ネバジロブランコなど
★ピクルス用の品種には、実が黄緑色の状態で収穫するものと、紅紫色に熟してから収穫するものがあります。
単植でも収穫が望める品種はセビラノ、ミッション
◉肥料
庭植えは、毎年2月根回りに溝を掘り、配合肥料を200~300㌘埋め込みます。
生育状況に応じて、9月頃に同様のものを追肥します。
鉢植えは、4月に玉肥を4~5個置き肥し、収穫するようになったら、果実肥大期の6月と収穫後の10月に2個追肥します。
◆剪定、整姿
◈庭木としてのオリーブは、自然樹形で育てます。
生長は比較的遅いので、苗木を育成中のオリーブは特に切り戻しなどの剪定は行いません。
成木は徒長枝や弱々しい枝を根元から切り落として整姿します。
大きくなると強風などで倒れることごあるので、樹冠の上部が重くならないようにし、必要に応じて支柱をつけます。
込み入った枝も切り取りし、風通しをよくします。
◈鉢植えは樹形が出来るまで切り詰め剪定で枝を出し、主枝ができたら徒長枝、密生枝、弱小枝などを間引き剪定して樹形を保ちます。
成木は徒長枝や弱々しい枝を根元から切り落として整姿します。
大きくなると強風などで倒れることごあるので、樹冠の上部が重くならないようにし、必要に応じて支柱をつけます。
込み入った枝も切り取りし、風通しをよくします。
◈鉢植えは樹形が出来るまで切り詰め剪定で枝を出し、主枝ができたら徒長枝、密生枝、弱小枝などを間引き剪定して樹形を保ちます。
◉果実管理
小果が多数けつし、隔年(一年おき)結果の習性があるので、結果数が多い場合は、混んでる場所を適当に摘果してやると大果に育ち、隔年結果も防げます。
◆病害虫
灰そ病の予防のため、発芽前の2月に石灰硫黄合剤10倍液を散布します。
オリーブゾウムシが発生したら、マラソン乳剤1000倍液を散布して駆除します。
✪オリーブオイル
オリーブオイルは、果実から得られる生のジュースのようなものと例えられます。
それだけに果実の状態がストレートに品質に反映されやすく、収穫品質に大きく影響を与えます。
オリーブの実は緑色からだんだんと赤味を帯びて、紫、黒色に熟し、熟せば熟すほど油分は多くなります。
世界的な傾向として近年では、高品質のエキストラヴァージンオリーブオイルを得るために、緑色の若い実を収穫する「早摘み」が主流となっている。
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