土壌の腐植物質
腐植物質とは生物の死後、生物体有機物かを微生物的、化学的作用を受けて崩壊して生じた、非生体有機物の総称とされる。
腐植物質は、植物残渣や微生物遺体が土壌中で微生物による分解を受け、その解産物から化学的、生物学的に合成されます。
合目的性(ごうもくてきせい)
合目的性とは、物事のあり方が一定の目的にかなった仕方で存在していることである。
腐植物質は多くの生体高分子(生物の細胞が作り出す天然の巨大な分子)と異なり、一定の目的にかなって合成された物質ではないことが大きな特徴であり、微生物の利用残渣と言っても過言ではない。
❉残渣(ざんさ)とは、ろ過したあとの残りかすのこと
一定の目的を持つことなく生成した物質の例として、石炭がある。
石炭は植物遺体を起源とし、地下深くで「埋没続成作用」を受けて生成するため、官能基(原子(団)がほとんど含まれていない。
❉埋没続成作用とは、堆積物が固まって堆積岩なる作用のこと
しかし腐植物質は同じ植物遺体を材料とするが、地表の酸化的な条件で生成するための多量の酸性原子を持っている。
陸上の自然生態系では、常に新たな植物遺体が土壌に加えられます。
土壌表面に堆積した植物遺体に含まれる糖類、ヘミセルロース、セルロース、タンパク質などは、微生物によって分解され、大部分は水、二酸化炭素、アンモニアになる。
分解過程で、植物成分のごく一部が低分子有機物となり、長時間を経て腐植物質が合成されます。
生成された腐植物質は、腐植を含んだ無機質成分と結合して、微生物による分解に対して抵抗性を持つようになる。
新しい腐植が土壌に加わることで、腐植物質の更新が行われる。
しかし、無機成分と結合した腐食と言っても、全く微生物に分解されないわけではありません。
新しく生成した腐植物質は、すでに土壌中に存在する腐植物質に比べて、再び微生物に分解されやすい部分が多い。
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